
天気予報が当り、雪が降っている。霙に近い雪だから里では積もることはないと見ているが、上はどうだろうか。
雪降りの中、咲いたばかりの梅の花を撮ろうとしたら風が強く、止むのを待つだけの根気が続かなかった。枝を折ろうかとも考えたが、ようやく春を迎えた梅の木、それも日当たりの良い場所を選んで咲いたたった2,3輪の花、思い留まった。梅の花は桜と違い、咲き始めたばかりのこのくらいの数が一番存在感を感じ、周囲にも映える。もっと花の数が増えると、花の気品、趣が失せてしまうような気がする。勝手な思い込みかも知れないが。

雪に強いはずのHALも、きょうは小屋でなく縁側の下に潜り込んでしまい、震えている。甲信地域は只今「ふゆびより」ど真ん中。山の方は風が吹き荒れ、吹き溜まりの雪が気になるというのが山奥氏からの情報。明日になれば天気は回復するようだが「老人の達者、春の雪」となるのか。老人の元気は大いに結構でも、雪は遠慮なくどんどんと融けて行ってもらいたい。昨日は安気な予想をしてしまったが、気持ちは既に春の陽射しの中に移ってしまっている。もう冬には戻れない。それに来週はまた、上にいかなければならない。
そろそろ来年度のことが気になる。いろいろな噂は聞えてくるが、どれも一過性のものでしかない。冬の間、誰よりも入笠牧場のことを考えていたつもりだが、それだけに、現状には隔靴搔痒の思いがしている。美しい自然、豊かな動植物、そしてどこにも引けを取らない星空、舞台は上々だが、それは天然の魅力ばかりだ。いや、余裕のキャンプ場、時代遅れの山小屋、そして露天風呂があり、望遠鏡がある。鳥の名も知らない野生化した牧場管理人が牛や鹿といて、待っている。