入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   ’18年「春」 (24)

2018年03月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

Photo by Ume氏(再録)

 畦道、犬ふぐり、春耕・・・、季節の言葉が浮かぶ。ここわずかの間に春は一挙に進み、信州でも、南に位置する飯田の方では桜の開花宣言が行われたという。この時季にこれほどの晴天が続くことは記録的なことのようだが、光溢れる青空に、白い残雪をまとった山並みがその美しさを存分に見せてくれている。

 そういう中できょうの新聞、那須の茶臼岳で起きたあの雪崩事故から、昨日で1年が経過したと報じていた。生徒7名、引率教諭1名が亡くなり、その他にも生徒や関係者が多数重軽傷を負うという大きな山岳事故だった。それも、この事故は、栃木県下の高校山岳部部員を対象とした冬山登山の講習中に起きた。この事故を知って、雪崩に対にする防止策は、本当に難しいと痛感した。もちろん、そういって慰められるものでも、指導する立場の教員らが免責されるものでもないが、それが通常の登山行動中の事故ではないということが、さらに重く、いろいろと考えさせられた。
 あれは高校生だけが対象の「登山講習会」であった。そうである以上、万に一つでも事故が起きれば、それは大変なことになることは分かっていた。当然実施に当たっては、充分な事前の検討、準備がなされ、万全の体制がとられていたはずだと普通は考える。にもかかわらず、その万一のことが起きてしまった。
 その後、いろいろな調査が行われて、幾つかの不備が指摘された。以前にも、雪崩が発生した場所だったとも言われてる。事故発生後の対応についても厳しい非難があった。しかし、あの日、あの場所で、講習会が行われなかったなら、あの事故は起きなかったということ以外、確実なことは誰にも言えないと思う。事故を検証し今後に生かしてほしいという遺族の気持ちはわかるが、それでも山岳事故は起きる。
 特に雪崩などというものは、思いがけない場所で、不意に襲ってくる。登山者にしても、起きる可能性を覚悟で強行しなければならないことだってある。斜面に積もった雪はどこであれ、雪崩る可能性はゼロではない。スキー場も含め、山は斜面そのもの、雪の山に登らない以外に雪崩の確実な回避、防止の手立てはないと言っても良いてくらいだろう。山が困難であればあるほど、あの人の言葉だが「危険を甘受する」ことを強いられる。交通事故と違うのは、そう言う覚悟の有無が、山では時に求められるということだ。

 明日は上に行くので、この独り言は休みます。
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