’2２年「冬」（１）

　芝平の第1堰堤から先は市道になるが、そこからは轍のない新雪が待っていた。来る前は、枯れ木橋から先の雪の状況を見て、場合によっては引き返し、法華道を登るつもりでいた。ところが、オオダオ（芝平峠）まで何とか上がることができた、というよりか来てしまった。
　そこからは諏訪側から上がってきた先行車の轍に助けられてさらに1㌔位進んだが、積雪量は限界に近くなり、車を断念することにした。先行した車はなおも先に進んだようだった。
　10時30分、山スキーで出発した。小屋までの距離は7㌔、時間の予想は立たなかった。（12月31日記）



　新しい年が明けました。新年のご挨拶を申し上げます。どうか良い一年となりますよう、そして今年もよろしくお願い致します。

　昨日小屋へ着いたのは14時40分、所要時間は4時間10分。気温零下10度、積雪は６，７０センチ。年内では15年間でも経験のない雪の量と言える。
　やっと着いたというのに、人気のない冷え切った小屋はよそよそしい雰囲気で迎えてくれた。いつもなら安堵して、小屋の前の日溜りでドロドロのウイスキーを飲むのだが、雪催いの曇天はそれすらも拒否、仕方なく寒さに耐えて身支度を解くしかなかった。
　冷え切った身体は、ビールも酒もいらないと言っていた。ストーブのお蔭で少しばかり暖まった部屋に落ち着き、ダブルぐらいの量のウイスキーを３杯飲む、というよりかあおった。それでやっと人心地した。
　大晦日は厳かに年越しの料理を作り、食し、一人しみじみとする予定でいたが、いろいろと思うに任せず、日本酒にやったこともないめんつゆをぶち込み、後は奮発した極上の肉と注意して背負ってきた豆腐や野菜を放り込んだ。そしてともかくも熱燗、ビールで年越し始めた。
　気が付けば、いつしか鍋の中はあれをすき焼きと呼んでもいいのか分からない代物になっていた。いや、味覚が正常なら間違いなく幻滅していただろう。昼は餡パン、途中はチョコレートを齧り、そしてウイスキーである、味覚がもうごたごたになってしまい、口中に広がるはずの美しいハーモニーはついぞ生まれてこなかった。

　意識の切り替えをしようと思えど、依然昨日が続いている。午前6時の気温は零下14度、写真のような朝焼けが権兵衛山を中心に見えていた。さてこれから、どうするか。このまま寒い、不便な雪の中で過ごすか、しばらく瞑想でもしてから、答えを探ることにしたい。
　
　昨日のヘルスデーター：歩行距離9.2㌔、歩数12,768歩、歩行速度3.7㎞/ｈ、歩幅94㎝。歩行距離と速度は明らかにおかしい。車の走行中にもカウントしたのだろう。歩幅はスキーだとこのくらいになるかも知れない。
　本日はこの辺で。