入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「冬」(20)

2022年01月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 日の過ぎていくのが早い、週にしてもそうだ。ところがまだ1月、雪の入笠で新年を迎えてからのことを考えると、あれから大分時が経った気がして、令和4年の最初の月はそれなりに長かったと思う。これで2月、3月ともなれば、加速度が付いたようにまた時の去っていく速さを感じるはず、寒いながらも日々「人生の日向ぼこ」、まだしばらくはあまり急かさずに続いてほしい。

 入笠のことしか知らないが、最近は登山者の殆どが杖を利用者している。登山道が痛むから石突にゴムを付けるべきだと主張する人もいたりしたが、今ではそういう声も聞こえてこない。あれば杖は確かに楽だし、高齢者には最早や雨具と同じくらい、いやそれ以上の必携品のようだ。
 冬の季節が終わり、ピッケルが必要でなくなった最初の山行では、それまで頼りにしていた道具が手許からなくなり、よく手持ち無沙汰のようなものを感じたものだ。
 そんな記憶があるから、登山における杖の利用は理解できる。足元の悪い場所で、安定感を得るには頼りにもなるし、歩行の助にもなる。そうやって、便利な道具が山にどんどんと登場するようになってきたのに異を挟むようだが、個人的にはそういう物は使わない。
 ヨーロッパのまき場で老いた羊飼いが吊りバンをして、杖を持つ姿などを写真や絵で見れば、もちろんサマになっていて好ましくも思う。それでも、その真似をしてニッカーズボン、チェックのシャツにチロリアンハット、杖を持って牛の尻を追いかけようなどとは思わない。まだ、笑い殺されるだけの覚悟はできていないからだ。
 杖ばかりではなく、最近の進出目覚ましい登山やキャンプの用品に踊らされているような気がし、そう思えば遠慮しているしかない。有効性は充分に認めている。反対もしない。しかし、なくてもそれほど困る物ではないと思うが、違うだろうか。それと、咄嗟の場合に、惜しまず杖を放り出せるだろうか。
 いくら役に立つからといって、街中で若い女性が杖を突いたりした姿は、やはりおかしいだろう。それが、山では少しも違和感がないようになってしまった。老いも若きもで、面白い風潮だ。おそらくは、中高年から始まって、それが若い人たちにも波及していったのではないだろうか。
 
 自然に接する方法に商業主義の色合いが強まり、その象徴が杖だなんて(そんなことは思っていない)、どこかで聞いたようなことを言って締めくくったりすれば、「お前だって長靴にワカンを履いて、スノーシューズや山スキーなど使うな」と言われ、話はややこしくなる。
 以上、本日は世相に落ちこぼれた古い男の戯言、この辺で。2月4日から上に行きますゼ、皆の衆来なはれ!
 
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