入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

      ’22年「冬」(31)

2022年02月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日1日中降った雪が、春のような明度の高い日の光の中にどんどんと融けていく。すでに黒い地表の現れているところまである。遠い昔の小学生時代、4,5日くらいの寒中休みの記憶があり、2月が最も寒い季節とずっと思っていた。暦の上ではすでに立春も過ぎ、この頃では温暖化の影響を受け、厳冬期の期間も短くなったのだろうか。



 この時季、クマは冬眠中ということになっている。それでも雌クマは、この間に出産すると聞いているから、安気気楽に眠りを貪っているだけではないようだ。また、雄クマの中には冬の間でも穴から抜け出し、そこらここらを徘徊する落ち着かないクマもいると聞く。
「錯誤捕獲」と言うのだが、有害動物駆除の鹿を捕獲しようと仕掛けたくくり罠に、クマが掛かることがある。クマは有害動物ではないから、狩猟期間外に捕獲目的の対象でない動物を捕らえた場合には、こういう言い方をするのだと理解している。
 一般の感覚からすれば、鹿よりクマの方が余程有害のような気がするが、クマは有害動物には指定されていない。それだけ鹿の頭数が増えて農業の被害が拡大したからで、それを牧場で目の当たりにしているだけに納得している。
 
 これまでに、クマの錯誤捕獲の現場に立ち会ったことが3回ある。2回は牧場内で、全くの予測外だった。確かきょうの写真が自分の罠で捕獲した初めてのクマで、次は親と仔、それに近くにいたもう1頭の子熊だった。そして3回目は牧場の外だった。
 牧場で働く以前は、ツキノワグマはヒグマと比べれば凶暴性は低く、人を襲わないということを前提にして、山でもあまり気にしたことはなかった。実際、出会ったことも一度だけ、冬の上高地で遠くにそれらしきを見たことがあったが、その時の記憶はそれだけだから、あまり意にも解さなかったのではないだろうか。
 あっ、西山でも元狩猟犬の小太郎が追い出したクマに遭遇したことがあった。目の前に突然現れたクマはまるでポマードを塗ったように、テカテカに光っていて驚いた。幸い、向こうが逃げていってくれた。
 それが、牧場で働くようになって、やはり3回目撃している。これらはどれも牧場の外で、一度はテイ沢へ行く時、その次は帰宅の途中の池の平を過ぎてで、いずれも軽トラからだった。もう1回は半対峠から下りかけた時、小黒川の川床にいて少し緊張した。

 クマがいても少しもおかしくない、と思っている。問題は、人に危害を加えるのかどうかという点で、そうでなければ鹿よりも、害はない。その点が問題であり、対応の難しさだと思う。(続く)
 本日はこの辺で。
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