先日、多分13日だったと思う、オランダの元首相とその妻が、二人でともに安楽死(Due Euthanasia)を選択し、手をつなぎこの世を去ったという報道を見た。さらに別の記事も読んだ。
結婚式では「死が二人を分かつまで」と誓い合うが、お二人は死においてすらも、そうなることを拒否した、という意味のことをあるコラムニストが書いていた。
この元首相は退任後にはEUの大使として日本にも駐在したことがあり、わが国とも縁のない人ではなかったようだ。夫妻はともに93歳、二人とも回復が期待できない重篤な病に罹っており、国が定める幾つかの厳しい安楽死の要件を満たしていたという。
そんなオランダも、2020年に安楽死が認められたばかりのころは、二人一緒の安楽死は13組26人であったという。ところが、2022年には29組58人と倍以上に増えたようだ。今後も増えていくだろうというのが大方の予測である。
では、日本はどうなるだろうか。ご存知のようにわが国では安楽死は認められていない。ましてや、二人一緒などということはさらに遠いことのように思われる。
しかし世の中は変わる。夫婦別姓だとか同性婚だとか、昔人なら腰を抜かすようなことも、普通に語られるようになりつつある。
それにしても、一体誰が安楽死を禁止と決めたのだろう。惚れ合った者同士による「情死」、「心中」など、妖しい言葉もあった国なのに。
本日はこの辺で。明日は沈黙します。