入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「秋」 (1)

2016年08月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


   もっとよく読むべきだったが、この頃はマスコミの報ずる鹿に関する記事は興醒めすることが多いので、チラッと目をやっただけで済ませてしまった。それで、昨日のようなことをウッカリ書いてしまったが、気になって同記事を読んでみたら、雌に角が生えたのはニホンジカでなく、「シフゾウ」という聞いたこともない鹿の一種だった。自然界ではすでに絶滅してしまったという。
 また、地方版だと思っていたら同紙の科学欄に載った記事で、場所は多摩動物園だった。

      
         この見出しは言い訳にならないか?
 
 こうした現象を、高齢化したシフゾウに起こったホルモンバランスの崩れが原因だと、同紙にコメントを求められた専門家は説明していた。それがホルモンの影響によるのか分からないが、人間の世界でも性のはっきりしない人がいる。男にもいるし、女にもいる。
 こちらのことは全くと言ってよいほど不案内だが、アメリカでは州によって同性婚が認められたのか、認められようとしているのか、少しづつ市民権を獲得しつつあるやに仄聞する。
 
 それにしても世界は少しも平和にならない。ひょっとして、男の持っている闘争心や粗暴な振る舞い(女性にも男勝りの狂暴な人はいる)を抑制するために、未来社会では男女とも中性化が進められような事態が起こるかも知れない。そうなったら今度は、それでも、人類は種族を保持していくことができるだろうかと、別な心配も生まれるが・・・。
 シフゾウから質(たち)の悪い話になりそうなので止めよう。

 今日からタイトルを「秋」にしました。夕暮れ時、露天風呂の煙突から上る煙が、何ともこの季節らしい風情を感じさせてくれる。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください       

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

    ’16年「初秋」 (10)

2016年08月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

       この牛さん(雌)にも角がある

  牛の機嫌を窺ったあと、秋の柔ら日が木漏れ日となって降り注ぐ、静かな森の中を歩いてきた。朝方は申し訳程度だった青空が、少し勢力を取り戻した気がした。
 森の中の山道を行くと、30メートルと離れていない眼下の湿った草地に、丈の長い草の間から茶色の塊が見えて足を止めた。鹿である。よく見ると、先方もこちらに気付いているらしく、上目遣いに凝視しているのが分かる。人と見れば、すぐにでも逃げるかと思えば、こういう鹿もいる。まさかこの時期に出産でもあるまいが、単独の雌鹿が何故そんな所に潜んでいるのかと不思議に思った。鹿の出産は通常春だが、ありえないことでもないと、そのうちに考え直した。というのも昨夜、見出しをチラと見ただけだが、県内の動物園だったか、雌鹿に角が生えたというような新聞記事の記憶があったからだ。
 よく母親と一緒の子供に、「鹿さんと牛さんは同じ仲間なのに、鹿さんには雄だけに角があるのに、雌牛と、それに一部の人間の女性、特に母親にはなぜ角があるのだろう」なんてからかって母親には苦笑を誘い、子供たちには喜ばれていたが、こんな冗談も言えなくなるのだろうか。
 


 森の中で、気の早いキノコと遭遇したが、早過ぎた登場をそっとしておくことにした。今日もたくさんのイワツバメが来ている。

 毎年8月最終の土、日に来てくれるJALNECの先遣隊が今到着した。このグループである、昨夏ドラム缶の風呂を持ち込み、ここの水の素晴らしさを立証してくれたのは。彼らは優秀な技術屋さん、早くも上部にもうひとつ溢水用の水抜きを作るように助言してくれた。かくして今夜も牧場露天風呂、好評営業開始、乞うご期待。

 変わった苗字のFさん了解しました。SADA君、そういうことで仕事がひとつ増えたけれど、頑張って三助役もこなしてます。大感謝!そのうち来られたし。
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください       
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

    ’16年「初秋」 (9)

2016年08月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  白樺の中には本格的な秋を待つこともなく、早くも黄色く色付いた葉を、あえなく風に散らせてしまっている木もある。あれらは病葉(わくらば)かも知れないが、この木は芽吹くのが遅く、散るのもまた早い。
 権兵衛山をからかう今日の霧も、なんとなく秋冷を感じさせる。紅葉はまだだが、あまり待つこともなくそんな季節が、そこまで来ているような気がする。
 激しい雨が降ってきて、さっきまで覗いていた青空も消えてしまった。そろそろ南に帰る準備に忙しいイワツバメが20羽ばかり、雨宿りをするでもなく電線にとまって濡れている。こんな山の中では、おいそれと雨を避ける場所とてないらしく、濡れて重くなる羽をひっきりなしに羽搏かせながら耐えている。こうした試練に負けず、9月になれば海を渡っていかなければならないが、それにしてもそれを習性と言っても、はたまた健気とかいじらしいと評してみても、言い足りない思いがあの鳥たちには残る。
 雨が止んだと思ったら、イワツバメは1匹残らずどこかへと飛び去った。狂った雨に対しての、あれがあの鳥たちの避難方法だったのだろうか。

 知人夫妻が来て、露天風呂の快適さ、特に湯の質を激賞していった。この湯は、一度に3,4人が入浴できるが、5名から10名ぐらいの同一グループに、最も適していると思う。入浴料1名500円也を頂戴しているが、不平不満の類は聞かない。



 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください       

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

    ’16年「初秋」 (8)

2016年08月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 台風一過の秋空は、天候不順が常態化してしまった入笠(ここ)では、望む方が無理らしい。ところが、昨日久し振りにやってきたTDS君の語るには、下界は水不足とかで大変だという、驚きだ。
 8月は上に泊まることが多く、里のことには疎かった。4年に一度のオリンピックも、夏の高校野球も全く縁なく済んでしまった。盆の行事や、盆踊り、花火大会も、集落恒例の野球大会もこれまた無視したり、失礼した。先日は天竜川の向こうから南箕輪村が主催する花火大会の花火の音がひっきりなしに聞こえてきていたが、窓から覗くことさえしなかった。「花火」とか「盆踊り」とか、盆の行事の「迎え火」、「送り火」などという懐かしさのこもる言葉には、それなりに情緒を感じ、心が動かされもするのだが。
 
 押し並べて、物事への関心が薄れている。そのくせ今読んでいる本に刺激され、倭人はどこからきたのかとか、日本列島に上陸した祖先が延々2万年以上も待たねば、縄文時代を迎えることができなかった云々というような話には、すぐ忘れてしまうくせに興味を持つ。頭の中に歪んで不正確な世界地図や日本地図を浮かべながら、万年の長いながい人類の歴史をあれこれ勝手に想像してみる。それに比べて、たったの2500年前に始まったという弥生時代など、つい手の届く昨日のことのような気がして来るから、それもまた困る。
 それにしても、つい昨日はあまりに大袈裟だが、実際短期の間に、人類の文明は途方もない発展を遂げた。それを担ったわれわれ人類は、しかし、あまり成長できないまま今日まで来てしまった、ということらしい。われわれの子孫は一体どこへ向かっていくのだろう。

 真昼の妄想から覚めて、牛さんの様子でも見にいくことにする。そろそろ草が心配になってきた。
 赤羽さん久しぶり。負傷した足のこと時々気にしていました。9月の来訪を楽しみにします。I上さん、大いなる山の日々について、また語ってください。T永さん、了解しました。O沢さんはいつ来るのだろう。
 
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください       
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     ’16年「初秋」 (7) 

2016年08月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  午前6時、霧が深い。昨夜は、あれほど美しい星空を目にすることができたというのに、夜半には激しい雨音を聞いた。季節が急速に進む中、天気は混乱しているようだ。そういえば、今朝は鳥の声がしない。と、思ったらボウボウと野太い声がようやく聞こえてきた。さっきから電線の上で吹く風にバランスを取りながらも、一所に留まろうとしていた山鳩らしきが諦めて、どこかへと飛び去った。目の前の見慣れた森の風景を、霧が今朝も様々な表情に変えてくれる。鳥の声はいつの間にかまた、しなくなった。
 昨夜も帰りそびれて上に泊まった。昨日でキャンプ場からは人気が絶えて、またいつもの牧場に戻った。囲い罠から外に出た牛たちは、しばらくは古巣に拘って拡散しないが、そのうちに主導権を握る雄の和牛に従って、広い第4牧区を移動するようになる。
 
 それで、牛のいなくなった囲い罠には、今度は鹿を捕獲するための仕掛けをしなければならない。ところが、どうもあまり積極的になれずにいる。気が進まない。鹿は誘引されて罠の中までは来ている。しかし、仕掛けのそばで足跡が停まってる。罠のことが分かるのだろうか。いつもなら、そこで鹿との知恵比べとなってあれこれと策を凝らすことになるのだが、一向にそういう気にならない。
 くくり罠にも、これまた熱が入らない。お盆中に子鹿が掛かっていたが、解放してやった。そんなことは初めてのことだ。お盆にまで殺生をすることもないと勝手な言い訳をしたのだが、これでは罠師失格である。下では期待されているかも知れないと思うと、気が咎めないでもない。ただし、今年に入って随分と鹿の姿を見掛けなくなったし、その被害も激減している。鹿殺しの強い動機が湧いてこないのだ。

 気の早い人たちがキノコを採ろうともう、森の中をうろつく姿が目に付き始めた。今年も森の中に狂騒が始まる。

 まとわりつく こと一掃の 野分けかな  TDS
 憂きことも、野分けが吹き飛ばしてくれる、ということか。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください       
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする