きょうも上に行ってきた。すっかりアンバー系の色に統一された冬枯れの山は、じっと何かでも待つように静まり返っていた。そろそろ雪が降ってもおかしくないが、今年はこんな暖かさが続くようではどうだろう、12月まで待つことになるのかも知れない。これでcovid-19 に加えてさらに雪不足となれば、スキー場を抱えた観光地はさぞかし大変だろう。
この3連休、各地の行楽地は賑わったようだが、新型コロナの勢いも止まることなく、どういうことになるのだろう。この国が仕掛けたキャンペーン「旅に行け」だ「食いに行け」だ、まだ他にもあるようだが、これらによる感染者は少ないと言っている。しかし、無自覚の感染者がそれと知らずにあちこち出歩いて撒き散らせていたら、それには一体どういう対策を取ることができるのだろう。
現下の観光業の苦境を救うために考えた「旅に行け」キャンペーンも、本当に救済を求めているような弱小の、規模の小さな、宿泊料1万円そこそこの宿でも恩恵を被ることができたのだろうか。一流ホテル、旅館はここぞとばかりに少しばかりの特典を増やし、法外とも思えるような値段設定をして客を呼び込むことができたかも知れないが、旅行者への国の支援金を当て込んだ特別料金であることは間違いないだろう。
大手旅行会社や名のあるホテルや旅館、人気の高い観光地は一息付けたかも知れないが、それでこの禍々しいウイルスが日本中に、大きな箒で埃を立てられたかのように広がれば・・・、呟く言葉がない。
ただ、この「旅に行け」だ「ナントカに行け」だ、で使われる金はもちろん国民の税金だと言って、恥ずかしながら低所得者の身とあっては支払う税金も当然少額、それについてそんなに大口を叩くことはしない。また、いろいろ頭の良い人が知恵を絞りに絞って考えだした高度な企画だろうから、その内容について洗濯機の使い方も充分に理解できてない頭で、批判的に独り言ちるなど僭越至極と知っている。
ただし、こんなモノを利用して旅に出ようなどという気は、どこかの佳人にでも誘われない限り起きない。いやいや、だからこういうものを利用することは絶対にありません!ということ。
冬の日が翳ってきて、また夜が来る。里で暮らせば里が、山で暮らせば山が、住めば都とまではいかぬも、そうなってくる。夕暮れの中でまだ柿の実の一つひとつが見えている。
本日はこの辺で。