市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

田植えたけなわの週末に水田でスコップをふるい汗を流す岡田義弘安中市長に必要な説明責任

2012-06-03 20:47:00 | 政治とカネ
■絶好の田植え日和に恵まれた6月2日の土曜日、安中田んぼではあちこちで、田植えや草刈りに精を出す人の姿がありました。

 その中で、新島学園の前の通りを南に行き、信越線を渡って、右手に安中土木事務所をみて、さらに南に進み、柳瀬川の橋を渡ってまもなく、右手にある安中市長の後援会(岡田義弘後援会 季刊誌編集部安中市安中4272番地. TEL 027-382-7798. FAX 027-382-2061)の選挙事務所のある駐車場のとなりの休耕田で、一心不乱にスコップをふるって作業をしている男がいました。

隣地の田んぼに入りスコップを一生懸命扱う男。

■休耕田の所有者が不審に思い、「すいませんが、どこの業者のかたですか?」と声を掛けたところ、その男が無愛想な顔をあげました。その顔を見て、所有者は息をのみました。なんと、安中市長の岡田義弘氏だったのです。麦わら帽子に作業ズボン、手甲脚絆姿でスコップをふるっている姿は、とうてい背広ネクタイ姿のイメージの市長とは想像がつかなかったと隣接水田所有者は語っています。

 隣接者「ところで一体、他人の田んぼで何をしているのですか?」
 市長「見たとおりだよ。整地をしてるんだ」


公務そっちのけで、スコップで隣地の表土を掘りとって自分の土地に移す岡田市長。

 隣接者「このデカイ縁石はいつ持ち込んだのですか?」
 市長「そんなことを話す必要があるんかい。自分の土地になにをしようが他人のしったことじゃない」


出所不明の得体の知れない砕石ブロック。サンパイ業者からの提供の可能性もある。

 隣接者「でも、このでかい縁石を敷くのに、(隣地所有者に)ひとことも事前連絡がありませんでしたよね。なぜですか?」
 市長「自分の土地になにを作ろうが、いちいち隣りに話をするんかい。工事で土砂が隣に入り込んだから、今、こうやって土砂を俺んちのほうに上げて、整地をしてやっているんだ。それよりそっちはこんなに水田をあらしてしまっているじゃねえかい」


業者を使って一夜にして構築した縁石。

 隣接者「水田を耕作できないのは、おたくが野殿の東邦亜鉛の公害汚染土を、市道拡幅で大手組に残土をここに捨てさせて土盛させたので、そこから浸出水が出たりして、ここでとれたコメにカドミウムが0.7ppm含まれたので、コメを作っても食べられなくなってしまったんです」
 市長「・・・。だって松井田支所でいったじゃないか。http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/641.html#readmore境杭をきちんと互いに確認しなくちゃと。」


とても年齢不相応な働きぶり。市長退職後はシルバー人材センターに再就職か。

 隣接者「こういう境を勝手に決める縁石を敷くなら、あらかじめひとこと言ってくれないと困ります。」
 市長「ひとことだって?そちらだって、境をつくるときに勝手に杭を打ったじゃないか?」


業者を使って一夜にして構築した縁石。

 隣接者「あれはおたくのお兄さんが私に説明したのを無視して、おたくが勝手に残土を大手組に2mも盛り土させ始めたじゃないですか。埋められたら田んぼの畦がどこだか分からなってしまうので、とりあえず目印を立てておいたものです。どうして今回縁石を敷く前に知らせてくれなかったんですか?」
 市長「自分ちの土地になにをしようとあんたには関係ない。だからあんとき、一緒に埋めないかと?それをあんたは断った」


コーナー部分も勝手に石を設置。そういえば、自宅裏の東邦亜鉛の土地にも石がごろごろ。あの石をなぜ使わないのだろうか。

 隣接者「まさか、おたくが埋土に使った東邦亜鉛の汚染土でこっちの田んぼまでカドミウムが出てくると思いませんでした。ここではコメが作れなくなったんで、もう農地として使えません。」
 市長「松井田支所に来て、埋めるんだからなんて言ったのに、とぼけるんじゃないよ。」


県道側から見た縁石の列。

 隣接者「こんなことをするなら、いっそのこと全部埋めましょうよ。」
 市長「だったらやったらいいじゃないか。あんたがさんざんブログで書いているのは知っているから。」
 隣接者「ところで、この黄色い杭は誰が打ったんですか?」
 市長「あんたに言われる筋合いは無い。そんなに他人の家庭の中まで。先に自分の土地になにをしようと勝手だろう。許可をとってやっているだから。それをあんたがでっちあげて。許可取ってないとさんざん言いふらして。小島(博二三)さん(今から15年以上前に農業委員会長に長く君臨した御仁)がそう言ってるよと、あれは許可かとったんだよと。あんたがめった言っているよと。」


勝手に得体のしれない杭を打つのも岡田市長のやり方。

 隣接者「牧草小屋で裏の狭いの農道が進入路だということで無理やり役所に許可を出させたのはおたくだったはず。あまりにもグレーな手続で新聞沙汰にもなったではないですか?」
 市長「あんたに説明する必要なんかない。そこまで警察権があるなら、やってくれ。」


県道側にも一夜にして縁石を設置。

 隣接者「(この縁石の設置は)急に思いたったのですか?」
 市長「そんなことはあんたに説明するいわれはない。自分ちのことをやるのに。いちいち隣にことわる必要はない。ところで、ここの農業用水路だってあんたが反対した。何でもかんでも反対しているくせに。」
 隣接者「用水路は、水田をつくってもいないお宅が起案者だったでしょう。水路をつくことにかこつけて、土盛した土地の用水路側を整備するつもりだったのではないですか?」
 市長「みな、邪魔をするのはあんたではないか?」
 隣接者「それを言うなら、はやく土地改良を進めてください。東邦亜鉛をあまりコントロールするのはやめましょうよ。村のために考えてください。市長、おたくは地元のリーダーなんだから。」
 市長「どうぞ自由にやってくれ。」


隣地で勝手に作業する岡田市長。何を聞いても自分の土地で何をしようとあんたには関係ない、の一点張り。

 隣接者「ちなみにいつ着工したんですか?昨日から?」
 市長「そんなこたぁ説明する必要はない。」


隣地に発砲スチロールのゴミを散らかしながら作業をする岡田市長。

 隣接者「作業をするなら、勝手に隣地に入って作業をするのは控えてください。」
 市長「・・・・」(完全に無視して、もくもくとスコップをふるう)


事情を聞いても説明責任を果たそうとしない岡田市長。

■岡田市長が、勝手に境界沿いに縁石をならべ、隣地に入ってスコップをふるっていた場所というのは、安中市安中4272番地の土地です。広い駐車場に囲まれた大きな平屋の建物は岡田義弘・安中市長の後援会事務所として使われていますが、本来は「牧草小屋」として建設されたものです。電気、ガス、水道、電話等が完備しており、国会議員でもこれだけの施設を選挙用に確保できる政治家はいません。

 また、「牧草小屋」の建っている駐車場として使っている土地は、1993年ごろまで、岡田市長の兄の岡田加十(かじゅう)氏が水田に牧草を作っていた土地でした。現在この土地は、加十氏の息子、つまり同市長の甥の所有となっていますが、実質的には、岡田義弘氏が自由に管理していることが今回の縁石設置工事ではっきりしました。

 最近、この「牧草小屋」の駐車場にサンパイ用の運搬トラックが週末に頻繁に停車しています。現在、安中市の各地でサンパイ関連施設の計画が目白押しとなっていますが、その動きとどうやら関係がありそうです。


岡田義弘後援会の選挙事務所。その実は「牧草小屋」。最近産廃業者のトラックが頻繁に駐車。

■岡田市長によれば、自分の土地をどうこうしようと勝手であり、そのためには、隣地の土地に入って勝手に作業をしても構わないのだそうです。今回の事件は、岡田市長のやりかたがはっきりと示されたケースとして、今後の事例として参考にしたいものです。


2010年1月、岡田市長の牧草小屋兼選挙事務所前に駐車するサンパイ運搬トラック。所有者は埼玉県秩父市の有限会社打木運輸。このような光景を目撃された方は当会に通報ください。

【ひらく会情報部】

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知事公舎をラブホテル代わりにした群馬県大澤知事に利用料等返還を求め住民訴訟を提起(その2)

2012-06-03 01:03:00 | オンブズマン活動
■市民オンブズマン群馬のメンバーである当会の事務局長と、オンブズマンの事務局長が群馬県知事・大澤正明の職員措置請求として、群馬県監査委員に提出した住民監査請求では、地方自治法第242条第6項の規定に基づき、請求人に、証拠の提出及び陳述の機会が設けられています。

 そこで、請求人はこの機会を活用して陳述を行いました。陳述の内容は、監査委員のなかに、本件を監査する資格のない委員が含まれていたため、住民監査の請求人として、その監査委員を忌避する、というものでした。

■今回の、群馬県知事・大澤正明の知人女性(=愛人)の公舎宿泊問題に関する住民監査請求を行う場合、監査委員には、扱うテーマがテーマだけに、厳しい倫理観が求められることは言うまでもありません。

 ところが、群馬県監査委員4名のうち、議会選出の狩野県議については、あまりも資格的に失格であるため、このような監査委員に監査をされたくない、というのが請求人の切実な要請でした。

 陳述の機会で、請求人が述べたのは、監査委員の同県議が、過去に不倫関係にあった女性に2名の子を産ませていたことです。県議が女性と知り合ったのも、大澤知事と同様、介護関係の施設であり、しかも県議は女性に多額の金銭を貢がせていました。2名の子は認知されていますが、相手の女性へのDVや、県議の競輪好きが高じて選挙資金が慢性的な不足状態にあるなど、到底監査委員の資格がなく、県議の資格さえ疑問視される状況のため、監査委員から外して下さい、と他の監査委員に強くお願いしました。

 しかし、その強い要請はかなえられず、前述のとおり、100%管財課の言い分を鵜呑みにした監査結果が通知されてきました。これでは、住民訴訟に踏み切らざるをえません。

■平成24年6月1日は監査請求結果通知が届いた日の翌日から起算して30日目でした。地方自治法により、30日以内に住民訴訟を提訴する必要があったため、結果的に期限ギリギリの最終日となりました。

 訴状は当日の朝10時に作成完了し、10時半に前橋地裁4階の民事受付に提出しました。約20分ほど、内容のチェックを行ってもらい、午前11時前に受理されました。裁判所からいただいた事件番号は、平成24年(行ウ)第10号でした。収入印紙1万3000円と予納郵便切手6,400円(内訳は500円×8枚、270円×2枚、200円×2枚、100円×8枚、80円×2枚、50円×1枚、20円×10枚、10円×10枚)を地裁1階の売店で購入して提出しました。

■訴状は次のとおりです。

**********
訴     状
前橋市文京町1丁目15番10号(送達場所)
          原 告  鈴 木   庸  印(携帯090-xxxx-xxxx)
安中市野殿980番地
          原 告  小 川   賢  印(携帯090-xxxx-xxxx)
群馬県前橋市大手町1丁目1番1号
          被 告  群馬県知事 大 澤 正 明
知事公舎ラブホテル化損害賠償請求事件
          訴訟物の価格 金1,600,000円
          貼用印紙額     金13,000円
          予納郵券       金6,400円
平成24年6月1日
前橋地方裁判所民事部御中
請 求 の 趣 旨
1 被告は群馬県知事・大澤正明に対して19,568,940円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を群馬県に支払うよう請求せよ。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。
  との判決を求める。
請 求 の 原 因
第一 当事者と住民監査請求
1(1)原告らは、群馬県の住民であり、適法な住民監査請求を経た者である。
 (2)被告は、群馬県知事・大澤正明である。被告に対して請求を求める相手方は、群馬県知事・大澤正明個人である。
2 原告らは、平成23年2月23日付で、群馬県監査委員に対して請求の趣旨記載の住民監査請求をした(甲第1号証)。なお、受理にあたり、原告は群馬県監査委員から平成24年3月1日付で補正を求められたので(甲第2号証)、原告は平成24年3月12日に補正を行った(甲第3号証)
3 これに対し、群馬県監査委員は原告の請求を棄却し、平成24年5月2日、原告に群馬県監査措置請求結果が送達された(甲第4号証)。

第2 知事の公費による知事公舎の使用と使途基準
1 群馬県知事・大澤正明(以下、知事・大澤という)は、平成23年7月8日の夜から翌日の朝にかけて、知事公舎に知人女性(週刊誌的に言えば愛人)を連れ込んで1泊したことが、週刊誌で報じられ(甲第1号証 事実証明書1)、知事・大澤は、そのことを認めた。
 また、当該週刊誌の記事によると、知事公舎には、「もともとあったブロック塀の上にさらに目隠しを施すべく木製のフェンスがしつらえられた」とか「公舎玄関のすぐ近くの中庭に、高さ数メートルの垣根までが設置されていた」という記載がある。そしてこうした改修工事は、「知事公舎を訪れる彼女の姿を、周囲のマンションの住人などの目からさえぎるための“施策”であろう」と述べられている。
 群馬県公式ホームページで、群馬県公舎管理規則が公開されている。それによれば、第2条(定義)に「この規則において「公舎」とは、県が公務の円滑な運営を図るため、県に勤務職員の居住に供する目的をもって設置した施設を言う」と定めがある。
同規則第4条(居住資格)には「公舎を使用することができる者は、県に常時勤務する職員(知事が特に認めた場合は、この限りではない。)で公務の円滑な運営を図るため居住の必要がある者に限る」と定めがある。
加えて、同規則第8条(遵守事項)のは「使用者は、公舎を常に善良な管理者としての注意をもって使用するとともに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号及び第二号に掲げる行為で知事又は地域機関等の長の許可を受けたものは、この限りではない。 一 増築し、改築し、もしくは模様替えをし、又は工作物を設置すること。 二 職員と生計を一にする者以外の物(使用人を除く、)を同居させること。 三 転貸し、又は目的外に使用すること」と定めがある。
 さらに、同規則第9条(費用負担)には「次の各号に掲げる費用は、使用者が負担するものとする。ただし、特別の事情があって知事が必要と認めた場合は県が負担する。 一 公舎の清掃及び汚物等の処理に要する費用 二 電気、ガス、水道等の料金 三 その他公舎の軽微な修繕に要する費用」と定めがある。
 今回の週刊誌の報道が真実だとすると、知事・大澤の次の行為は、あきらかに規則違反である。
(1) 公舎の目的外使用(同規則第2条、第4条、第8条第1項第2及び3号違反)
 知事・大澤は、自ら運営に関わる社会福祉法人の特養老人ホームで幹部を務める女性と仕事の打合せを泊りがけで行ったと認めているが、本来こうした業務打合せは、知事の公務とは無縁であり、当該特養老人ホーム施設で行うか、あるいはそのへんの喫茶店か、ホテルのロビーで、公務以外の時間に行うべきであり、また、宿泊をさせる必要があるならば、ホテルなど民間の宿泊施設を自費で手配すればよいことだ。
 知事公舎は、県費で建設され、県費で維持されており、知事・大澤は使用料を支払っているとはいえ、県公舎管理規則に照らしても、群馬県政の最高責任者としての立場からも、公私混同のそしりを免れず、公共施設がこうした目的で使用されたことは財務会計上の観点から、違法、不当である。
 今回の女性宿泊に関しては、同等の設備を有する民間宿泊施設を利用した場合、部屋の面積、室内の什器備品、周囲の環境などを勘案すれば、1泊2万円から14万円の範囲に相当すると考えられる。
 よって、知事・大澤が、知事公舎に親族でもない女性を泊めたことは、県有施設の不正使用であり、知事・大澤は、本来、同等な民間宿泊施設を使用した場合の費用相当を全額、県に返還しなければならない。
(2)公舎の不正改修(同規則第8条第1項第1号違反)
 平成23年7月20日付で我々は第1回目の公開質問状で、「同規則によると『使用者は、公舎を常に善良な管理者としての注意をもつて使用するとともに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。ただし、第一号及び第二号に掲げる行為で知事又は地域機関等の長の許可を受けたものは、この限りでない。』とされており、原則禁止の行為の一つとして『増築し、改築し、若しくは模様替えをし、又は工作物を設置すること。』と定められている。前項の改修はこの原則禁止項目に該当すると思われますが、貴殿はどのような理由で許可をだしたのですか?」と質問したところ、知事・大澤は「知事公舎に係る改修工事は、公舎管理上の必要性から県(管財課)が行ったものであり、私が入居してから、改修の指示をしたことはありません」と回答した。
 この説明によれば、知事・大澤が知事公舎に入居したのが平成19年12月1日だから、これ以上の改修工事は、指示が出されていないことになる。
 ところが、実際には、平成19年12月以降もいろいろな支出が為されて、工作物を設置したり、模様替えをしたりしている。
 これらについて、平成23年12月19日付で我々は第2回目の公開質問状で、いろいろ質問をしたが、遺憾ながら知事・大澤からはきちんとした回答がない。
 たとえば、知事・大澤は、入居の意思を具体的に示した平成19年11月30日付の入居届提出後は、改修の指示をしたことはない」と言っているが、実際には、平成20年1月10日に「大手町1号公舎フェンス工事」が「運営上、必要なため」として決定され、同1月31日に税込み492万4000円で渡辺工務店により完成している。同日の平成20年1月10日に「大手町1号公舎内周り等改修工事」が「運営上、必要なため」として決定され、同1月31日に税込み215万2500円で渡辺工務店により完成している。さらに同1月15日には、「大手町1号公舎門扉交換工事」が「運営上、必要なため」という理由で、1月31日完成予定で、税込み214万2000円で㈱ヒロタにより完成した。平成20年2月6日には「大手町1号公舎竹垣設置委託業務」として「建仁寺垣の設置による居宅の遮蔽」が「防犯上緊急に設置の必要があるため」必要だとして、建仁寺垣(H1800)設置@52,000×3.2m=166,400円改め166,000円。一般管理費(設置費の20%)33,200円改め199,000円、消費税9,950円で合計208,950円が予定価格積算結果のところ、前橋園芸㈱が税込み199,500円で2月14日までに完成した。さらに翌月の平成20年3月10日には「大手町1号公舎ブロック塀補強等工事」が「運営上、必要なため」として税込み173万2500円で佐田建設㈱が随意契約で受注し、同3月27日までに完成した。その翌週、平成20年3月17日には「大手町1号公舎玄関改修工事」が「運営上、必要なため」として、同31日完成予定で、予定価格税込み152万2500円(税抜き145万円)として、管財課は池下工業㈱、佐田建設㈱、小林工業㈱の3社を指名しこのうち最低価格を提示した佐田建設㈱が税込み147万円で落札した。その半年後の平成20年9月24日には、「大手町公舎樹木移植工事」が「運営上、必要なため」として、群馬緑化㈱に税込み82万9500円で随意契約で受注し、10月17日までに完成した。この時の「随意契約理由書」には、「本工事は、旧知事公舎から大手町1号公舎にサンゴジュを移植するものである」と記載されていた。その翌月の平成20年10月10日に、「大手町1号公舎樹木移植工事」が、10月10日着工、同17日完成予定で、請負契約税込み63万円のところを税込み82万9500円とすることで管財課が群馬緑化㈱と変更契約をした。この時の変更理由は、「追加工事:ゲッケイジュ処分→サンゴジュ1本追加」となっている。このように、知事・大澤が平成19年12月1日に入居後も、改修や模様替え、工作物の設置が頻繁に行われているが、これらは、知事・大澤の指示(=すなわち許可)が出ていないまま施工されたことになる。
 とくに、平成20年1月10日に管財課建設管理グループの古郡健吾技師が発議、次長の和南城登が決裁した工事名「大手町1号公舎フェンス工事」の場所は「前橋市大手町地内」で工事理由は「運営上、必要なため」とあり、佐田建設㈱が随意契約で同1月17日付で税込み488万2500円で受注し1月31日までに完成した。この大手町1号公舎(旧副知事公舎)のフェンス工事の資料を見ると、佐田建設の作成した図面には「知事公舎目隠しフェンス工事」というタイトルがつけられている。目隠しのフェンス工事を施工することが、なぜ「運営上、必要なため」なのか非常に理解しにくい状況にある。
 このように、目隠しのフェンスと、玄関脇の垣根、およびサンゴジュの移植については、公舎の使用目的外のための甚だしい無駄遣いであることは明らかである。
 また、インターネットで検索してみると、他の都道府県の「知事公舎」の場合、住民に見学の機会を提供しているケースがたくさん見られる。群馬県知事公舎の場合、フラッグポールが設置されていたり、公費で庭や芝生や樹木の手入れが行き届いていたりしていることもあり、公務を行うための環境が整えられている。また、建物の内部においても、賓客の応対など、公務に使用するためのスペースがあってしかるべきである。そのような公共目的の場所は、当然、警備上の問題などなく、県民から要望があれば見学可能となるはずであり、他の都道府県では知事公舎の見学が許されているところが沢山あるのに、群馬県の場合、なぜ見学が許されないのか理由が分からない。このことからも、知事・大澤の言う「警備上の問題」の「警備」とは一体何のための警備なのか、その定義が明らかにされない現状では、知事・大澤が知事公舎を本来の使用目的以外に使用していた、ということは疑いの余地がない。
 よって、知事・大澤の指示や許可のないまま、平成19年12月1日の知事の知事公舎入居後に施工された一連の改修工事等の費用支出は理由がなく、知事・大澤には公舎使用者として、受益者の立場から、当該期間に施工された工事(添付「支出項目別調査結果」に示した支出項目No.19からNo.29までの費用相当を全額、県に返還する義務がある。
(3)公舎の衛生費、光熱費、軽微費用等の不正支出(同規則第9条違反)
 知事・大澤は、平成23年8月2日付の回答の中で、原告らの公開質問状(10)「県公舎規則によると『次の各号に掲げる費用は、使用者が負担するものとする。ただし、特別の事情があって知事が必要と認めた場合は県が負担する。』とされており、『公舎の清掃及び汚物等の処理に要する費用。電気、ガス、水道等の料金。その他公舎の軽微な修繕に要する費用』が使用者負担の対象となっている。貴殿はこれらの費用をすべて自分で支払っていましたか?」について、「光熱費と電話料を定額で支払っています。」と説明した。このことについて、開示された資料を見ると、平成22年4月から、「知事及び副知事の公舎利用に係る自己負担額について」と題する管財課長から秘書課長宛て通知書によれば自己負担分として月額1万6700円(定額)(内訳:光熱水費負担額1万3000円+電話料負担額3700円)としている。この他、知事公舎利用料として月額1万9490円を負担しているという知事・大澤の説明である。しかし実際には、知事・大澤が実際に入居した平成20年2月以降、平成22年3月まで電気代は自己負担ゼロ=全額公費負担であり、その後も、電気代は毎月17191円(平成22年6月)~51626円(平成21年2月)で推移している。この他、ガス代は毎月1584円(平成21年9月)~5740円(平成23年4月)で、水道代は2カ月分で4368円(平成21年1~2月)~5760円(平成21年5~6月)で推移しており、電気代、ガス代、水道代だけでも軽く定額を超えてしまっている。さらに電話代、ネット代を加えると、公費負担分は最低でも1カ月あたり定額を1万2000円以上超えてしまう。自己負担の「定額」を1万6700円と設定した根拠を知事・大澤に質問したが、知事・大澤からの回答は「自己負担額の設定根拠は承知していません」というものであった。
 よって、知事・大澤が承知していないまま、自己負担額が設定されて勝手に県が棒引きしていた平成22年4月以降平成23年7月までの使用者が支払うべき衛生費、光熱費、軽微費用等の総額、および、平成19年12月以降、平成22年3月までの当然使用者が負担すべき費用のうち、県が立替払いしていた分については、支出に対する合理的な理由がないため、知事・大澤には公舎使用者として、受益者の立場から、これらの費用全額相当を県に返還する責務がある。

第3 監査請求の一部却下と原告らの前置資格の合理的理由
 群馬県監査委員による監査結果通知によれば、「本件監査請求のうち、知事が居住していた大手町1号公舎(以下「知事公舎」という。)の使用に関する事項、平成23年2月23日以降に支出した知事公舎に係る一連の改修工事等に関する事項及び同日以降に支出した知事公舎の光熱水費、電話料及びインターネット接続料の支出に関する事項は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条で定める要件を備えているのでこれを受理し、その他の請求については同条第2項で規定する請求期間に関する要件を満たしていないのでこれを却下した。」とある。
 群馬県監査委員は、原告らによる監査請求について「満たしていない要件については、以下のとおりである」として、地方自治法第242条第2項本文の「当該行為のあつた日又は終わった日から1年を経過したときは、これ(住民監査請求)をすることができない。」を根拠に、「当該行為のあつた日」とは、公舎の改修等や光熱水費等の支出日と解し、請求対象の「平成19年12月1日の知事の知事公舎入居後に施工された一連の改修工事等」(請求書原文より)23件のうち19件及び請求対象の「平成22年4月以降平成23年7月までの使用者が支払うべき衛生費、光熱費、軽微な修繕に要する費用等の総額、および、平成19年12月以降、平成22年3月までの当然使用者が負担すべき費用のうち、県が立替払いしていた分」(請求書原文より)の平成23年2月22日以前の支出については、同項本文で規定する当該行為のあつた日から1年を超えたものであり、同項本文の規定に定める要件を満たさない監査請求である、と解釈したことは次の理由により失当である。
 原告らが主張した法第242条第2項ただし書について、群馬県監査委員は、平成14年9月12日の最高裁判所の判決とされる、「正当な理由の有無は、特段の事情のない限り、普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもつて調査すれば客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきもの」であり、平成14年9月12日の最高裁判所の判決とされる「「知ることができた」日から住民監査請求がされた日までの日数が、66日目ならば「相当な期間内に監査請求がされたもの」及び84日目ならば「相当な期間内に監査請求をしたものということはできない。」を根拠に、また、平成17年12月15日の最高裁判所の判決とされる「約4か月弱の期間が経過した監査請求は相当な期間内にされたものということはできない。」を根拠として、「よつて、本件監査請求のうち1年を超えた請求は相当な期間内に請求されたものと解することはできない」として、「これらの支出のあつた日又は終わった日から1年を経過したときは住民監査請求をできないと解される」などと不当に判断し、原告らの請求を不適法だと断じた。
 だが、当該行為の存在及び内容を知ることができた日や、それにともなう支出があった日又は終わった日が基準となるのではなく、当該支出にかかる行為が違法不当であったかどうかを住民として、群馬県管財課等や知事・大澤が出し惜しみする情報をベースに、出来る限り確認したうえで、原告らは住民監査請求に踏み切ったものである。もし原告らが、そうした確認作業を経ずに、ただちに住民監査請求に踏み切った場合には、それを逆手にとり、十分な根拠のない妄想だとして却下するのが群馬県監査委員の常套手段であることは、これまで経験した数々の住民監査請求の結果を見ても明らかである。
本来、群馬県監査委員が、行政内部情報に普段から触れる機会のない県民から出された住民監査請求にたいして、限られた情報と期間等を起因とする請求内容の不充実性を、専門知識と権限を持った監査委員の立場から十分に補完しようとする姿勢を具備していれば、問題は無いはずである。しかし、そのような資質を本質的に欠いているのが群馬県の監査委員なのである。
案の定、群馬県監査委員は原告らの請求に対して“単に当該行為の存在及び内容を知ることができた日をもって、直ちに請求を却下する”とする裁定を下した。これは群馬県監査委員が公平中立の立場ではなく、あきらかに知事・大澤を不当に擁護している証左である。
もし、群馬県監査委員のこうした不当な判断が正当化されるのであれば、住民の請求権は著しく棄損され、行政による税金の無駄遣いをさらに助長しかねず、監査制度自体を自ら否定するものであり、到底容認できない。
原告らは、知事公舎にかんする違法不当な支出の内容を事前に精査すべく、部分開示された情報に加えて、知事公舎の内部を実際に視察して確認することや、知事・大澤にたいする違法不当な支出を裏付けるために本人の判断を確認することが不可欠と考えて、公舎視察許可願や公開質問状を通じて、知事・大澤の行為の実態をできるかぎり把握しようとした。その結果、平成23年12月26日付の第2回公開質問状に対する知事・大澤の回答書の内容に失望し、これ以上、事実関係を確認しても時間の無駄であることを悟り、平成24年2月23日付で住民監査請求に踏み切ったのである。
したがって、原告らの請求は、知事・大澤の公舎目的外使用に伴う違法不当な関連支出が相当な確率で行われていたことを知った日である平成23年12月26日から住民監査請求がされた平成24年2月23日までの日数は59日であることから、最高裁が示したと群馬県監査委員も主張している66日目以内となっており、このことからも原告らの請求には「正当な理由」がある。

第4 群馬県に与えた損害及び違法の根拠
知事・大澤が、長年にわたり知人女性と不適切な交際をしていたことは、政治関係者や行政関係者の知るところであることは、週刊誌等で縷々報じられている通りであるが、群馬県を代表する公人であるにもかかわらず、知事公舎を逢引の場所として利用し、しかも、隣接の建物や周囲の道路から、そうした不適切な行為を見張られたりするのではないか、という後ろめたい気持ちが、無用な工作物の増設や、植え込みの追加的植栽などの費用を、管財課をして支出せした。にもかかわらず、知事・大澤は、原告らの公開質問状に対して、そうした支出の実態について認識をしていなかったと回答している。
知事・大澤は、平成23年7月8日の夜、知人女性と知事公舎で最後の1泊を過ごし、その模様を平成23年7月13日発売号の週刊誌で報じられてから、直ちに知事公舎を退去しており、自ら不適切な知事公舎の使用を認めた形になっている。
知事・大澤は、公費による知事公舎の目的外利用を行い、プライバシー保護と称して目的外利用を一般県民に知られないように目隠しのための工作物を設けたり、事情をしらぬまま、管財課に無用な支出をさせたりして、公費を浪費し、最大で19,568,940円の損害を群馬県に与えたことになる。
地方時司法第2条14項で「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めると共に、最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならない」との原則を掲げている。また、地方財政法4条1項は、この原則を予算執行面から「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて、これを支出してはならない」と規定している。
これらの規定の趣旨・目的に徴する限り、予算執行に当たっては、個々の具体的な事情に基づき、最小の経費で目的を達成するように努めるべきことは、執行機関に定められた法的義務である。しかるに、執行機関の長である知事・大澤は、自らの不適切な交際に、公的施設を使い、しかもその行為を隠すための工作物の設置まで施し、電気、ガス、水道、通信などの経費も曖昧な基準のまま、これらを公費で最大19,568,940円支出した。
必要かつ最小の限度を超えて支出した場合には、当該支出は地方自治法第2条14項、地方財政法第4条1項に違反するものというべきである。
以上
証拠方法
1 甲第1号証 群馬県職員措置請求書(住民監査請求書)
2 甲第2号証 補正通知書
3 甲第3号証 補正書
4 甲第4号証 群馬県職員措置請求監査結果(監査結果通知)
**********

■訴状を前橋地裁に提出したあと、午後0時半から、県庁5階の刀水クラブで記者会見を行い、マスコミ各社からの質疑に応答しました。そして、翌日の新聞等に報じられました。

 第一回弁論通知が裁判所から届いたら、皆さんにお知らせする予定です。また、そのころには群馬県側の答弁書も届くはずですので、これも届き次第、皆さんにお知らせいたします。また、群馬県側の顧問弁護士が誰になるのか、また何人になるのか、についても関心が持たれます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項おわり】

※報道記事
**********毎日新聞2012年06月02日地方版
大沢知事:女性宿泊問題 改修費など返還求め、地裁に提訴 /群馬
 大沢正明知事が昨年7月、知人女性を知事公舎に宿泊させた問題で、市民オンブズマン群馬の小川賢代表ら2人が1日、知事に対し、公舎を目的外利用し不必要な改修を行ったなどとして、宿泊費や改修費など計約1956万円を県に返還するよう求める訴訟を前橋地裁に起こした。
 訴状によると、大沢知事の就任後、知事公舎では目隠しフェンスや竹垣などの設置工事が行われたという。原告側はこれらの改修について「目的外利用を隠すための無用な工事」と主張している。
 同オンブズマンは今年2月、大沢知事に宿泊費など約2100万円の返還を求める住民監査請求を行い棄却されている。大沢知事は「まだ訴状を確認していないが真摯(しんし)に対応したい」とコメントした。【塩田彩】

**********東京新聞2012年6月2日
損害賠償求め提訴 知事公舎問題 オンブズ「不正使用」
 大沢正明知事が知事公舎に女性を宿泊させた問題で、市民オンブズマン群馬の小川賢代表と鈴木庸事務局長は一日、大沢知事を相手に、約千九百六十万円の損害賠償を求める訴えを前橋地裁に起こした。
 訴状によると、大沢知事が女性を宿泊させたことは県有施設の不正使用として、民間宿泊施設で宿泊した場合の費用相当分などの返還を県に求めている。 (伊藤弘喜)
**********朝日新聞2012年06月02日
市民オンブズマン、知事を提訴
 大沢正明知事が公舎に知人女性を泊めたのは公私混同だとして、市民オンブズマン群馬の小川賢代表と鈴木庸事務局長は1日、大沢知事を相手取り、県に1957万円を返還するよう求める訴えを前橋地裁に起こした。
 訴状によると、知事の行為は県規則に反する目的外使用で、同等の設備の民間施設では1泊2万~14万円かかると主張。また公舎周辺の「目隠し用」フェンス設置費用などの経費は不正支出だと主張している。
 市民オンブズマン群馬は2月、約2100万円の県への返還を求め、同趣旨の住民監査請求をしたが、県監査委員は5月2日、知事公舎には公私両面の機能があり、「公私混同とは言えない」として棄却した。鈴木事務局長は「監査委員が判断しないのであれば、司法の場で白黒つけるしかない」と話した。
 これに対し、大沢知事は「まだ訴状を見ていないが、弁護士と相談して真摯(しん・し)に対応しなければいけない」と述べた。
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