■ロンドン五輪も折り返しを過ぎ、12日の閉会式まであと1週間となりました。ところで、今日、行われた競歩をテレビ中継で見ていたら、興味深いことに気が付きました。スロー画像をチェックした限り、全員が違反となる歩き方をしているからです。
競歩と言えば、腰をクネクネさせながら、手を大きく振りながら独特の早歩きをする競技ですが、今日、久しぶりにテレビ中継を見ていたら、昔と違って、あまり腰をクネクネさせないで、脚もひざを曲げ気味にして歩いている選手が多いのに違和感を感じました。
昔、1964年の東京五輪の記録映画を市川昆監督が制作しましたが、その際、競歩のクネクネ歩きのスローモーションを見た記憶があり、その時のイメージと、ほぼ半世紀経過した現在の競歩歩きの違いについて、一目見たときから、直観的にずいぶん違うな、という印象がありました。
レースの解説を聞いていると、競歩のルールは、1.両方の足が同時に地面を離れては成らない(違反するとロスオブコンタクトの反則)、2.着地から身体の真下に来るまで膝を伸ばしておかなければならない(違反するとベントニーの反則)ということのようです。
■ところが、レースの中継で、しばしばスローモーション映像が画面に映し出されますが、これを見る限り、全選手が、ロスオブコンタクトの反則を犯していることが分かります。
しかし、中継している解説者もアナウンサーも、このスローモーション画面を見ているはずなのに、誰もそのことを指摘する者がいません。
とくに、レース開始直後にトップに立った日本選手や、まもなく急速な追い上げで、トップを奪った中国選手らの歩き方をスローモーションで見ると、明らかに両方の靴底が地表から数センチ離れているのが分かります。
かつては、腰をクネクネさせていましたが、今や、平均時速14キロで“走る”ため、1万メートルを40分たらずで、“走破”できるようになりました。
コースの途中には、ルールに則って走っているかどうかをチェックする監視員が配置されている様子で、ときどきイエローカードを違反した選手に渡している様子が映っていましたが、スロー画面で見れば違法な歩き方をしているのが一目瞭然なのに、誰も違反を問われないので、首をかしげているうちに、興ざめしてしまい、テレビを消しました。
■ルール無視を得意とする中国の選手がトップに立ったことも、興味を無くすのに拍車をかけました。中国選手の競歩中の姿をテレビ画面でみると、上半身が上がり下がりしています。膝も曲がっており、これでは、完全に走っている状態と同じです
おそらく、世界中の少なからぬ人たちが、競歩を観戦していて同様な疑問を持ち、関心をなくしたに違いありません。このままのルール違反の状況が黙認され続けるのであれば、競歩は次回五輪の正式種目から外すべきです。
あるいは、日本がこのレースでメダルを本気で取りに行くのであれば、ルール遵守の観点から、日本は両方の靴裏が同時に地表から離れた場合(ロスオブコンタクト)には、フェンシングのように背中に違反表示がでるようなセンサーとアラーム表示システムを開発して、オリンピック委員会に採用を働きかけることが大事です。
また、日本のセンサー技術をもってすれば、もうひとつのルールである膝の曲がり(ベントニー)の違反をキャッチできるセンサーと表示システムも開発は容易だと思われます。
そうしない限り、競歩はやがて、セミマラソンに成り果てることでしょう。
【ひらく会情報部】
競歩と言えば、腰をクネクネさせながら、手を大きく振りながら独特の早歩きをする競技ですが、今日、久しぶりにテレビ中継を見ていたら、昔と違って、あまり腰をクネクネさせないで、脚もひざを曲げ気味にして歩いている選手が多いのに違和感を感じました。
昔、1964年の東京五輪の記録映画を市川昆監督が制作しましたが、その際、競歩のクネクネ歩きのスローモーションを見た記憶があり、その時のイメージと、ほぼ半世紀経過した現在の競歩歩きの違いについて、一目見たときから、直観的にずいぶん違うな、という印象がありました。
レースの解説を聞いていると、競歩のルールは、1.両方の足が同時に地面を離れては成らない(違反するとロスオブコンタクトの反則)、2.着地から身体の真下に来るまで膝を伸ばしておかなければならない(違反するとベントニーの反則)ということのようです。
■ところが、レースの中継で、しばしばスローモーション映像が画面に映し出されますが、これを見る限り、全選手が、ロスオブコンタクトの反則を犯していることが分かります。
しかし、中継している解説者もアナウンサーも、このスローモーション画面を見ているはずなのに、誰もそのことを指摘する者がいません。
とくに、レース開始直後にトップに立った日本選手や、まもなく急速な追い上げで、トップを奪った中国選手らの歩き方をスローモーションで見ると、明らかに両方の靴底が地表から数センチ離れているのが分かります。
かつては、腰をクネクネさせていましたが、今や、平均時速14キロで“走る”ため、1万メートルを40分たらずで、“走破”できるようになりました。
コースの途中には、ルールに則って走っているかどうかをチェックする監視員が配置されている様子で、ときどきイエローカードを違反した選手に渡している様子が映っていましたが、スロー画面で見れば違法な歩き方をしているのが一目瞭然なのに、誰も違反を問われないので、首をかしげているうちに、興ざめしてしまい、テレビを消しました。
■ルール無視を得意とする中国の選手がトップに立ったことも、興味を無くすのに拍車をかけました。中国選手の競歩中の姿をテレビ画面でみると、上半身が上がり下がりしています。膝も曲がっており、これでは、完全に走っている状態と同じです
おそらく、世界中の少なからぬ人たちが、競歩を観戦していて同様な疑問を持ち、関心をなくしたに違いありません。このままのルール違反の状況が黙認され続けるのであれば、競歩は次回五輪の正式種目から外すべきです。
あるいは、日本がこのレースでメダルを本気で取りに行くのであれば、ルール遵守の観点から、日本は両方の靴裏が同時に地表から離れた場合(ロスオブコンタクト)には、フェンシングのように背中に違反表示がでるようなセンサーとアラーム表示システムを開発して、オリンピック委員会に採用を働きかけることが大事です。
また、日本のセンサー技術をもってすれば、もうひとつのルールである膝の曲がり(ベントニー)の違反をキャッチできるセンサーと表示システムも開発は容易だと思われます。
そうしない限り、競歩はやがて、セミマラソンに成り果てることでしょう。
【ひらく会情報部】