市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

規模拡大に伴って尊大さが目立つエミレーツ航空に手荷物を預入れる時は予め事前確認をしよう

2013-11-10 23:51:00 | 国内外からのトピックス
■先日、ジブチ国の取材で利用したエミレーツ航空ですが、思わぬことでダブルパンチを食らいました。帰路、チェックインで預けておいた手荷物の到着が遅れてしまった上に、届いた旅行鞄に大きな凹みが付けられていたからです。通常、アジア、太平洋路線では余り発生しないトラブルですが、中東やアフリカ路線の場合には、日常茶飯事なのかもしれません。以前、トルコ航空でも旅行鞄を切り裂かれ、中に入れておいたキャビア5缶の盗難にあったのも、中東の一部といえるイスタンブール空港でした。

 事の顛末は10月16日に遡ります。取材班の旅行用スーツケースが成田空港に到着後、ターンテーブルにいつまでたっても出てきませんでした。他の乗客が全て居なくなってから、事故報告書に記入するためのヒヤリングを同社空港職員から根掘り葉掘り受けました。

 その結果、エミレーツ航空は手荷物事故報告書という書類を作成し、その写しと一緒に、日付のない次の内容の印刷された書面をくれました。

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小川 賢 様
拝啓
時下益々ご清栄の事お慶び申し上げます。
この度は弊社エミレーツ航空をご利用頂き誠にありがとうございました。また、不手際により預かりいたしましたお荷物が遅延して到着しました為、お客様には多大なご迷惑をお掛け致しましたこと、深くお詫び申し上げます。
今後ともお客様の信頼を損なわぬよう、より一層のサービス向上に努める所存でございます。重ねましてご迷惑お掛け致しました事をお詫び申しあげますとともに、次の機会にも是非エミレーツ航空をご利用頂きますよう職員一同心よりお待ち申し上げております。
                    敬具
             エミレーツ航空会社
                成田空港支店
                 手荷物担当
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■手荷物の破損は17日の夜、エミレーツ航空に電話をした際に、初めて分かり、補修等の善処を求めましたが、エミレーツ航空は免責を主張し、帰国3日後に次の内容の手紙と一緒に、破損した手荷物が届けられました。手紙にはやはり日付がありません。

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小川 賢 様
          書類送付のご案内
拝啓
時下益々ご清栄の事お慶び申し上げます。
この度はお預かりしましたお荷物の遅延、破損により、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
つきましては、架電のとおり、お荷物破損に対する事故報告書を作成いたしましたので、ご査収下さいますようお願い申し上げます。
なお恐れ入りますが、通常の取扱いにて生ずる軽微な破損に関しましては、航空会社免責となりますことを何卒ご容赦ください。
                    敬具
          記
 書類名      部数      備考
 事故報告書    1
                    以上
               エミレーツ航空
                成田空港支店

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■一方、10月17日のエミレーツ航空の説明に疑問点があったので、同21日に次の質問状を提出しました。

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       2013年10月21日
〒282-0004
千葉県成田市成田国際空港旅客ターミナル2(M5055)
エミレーツ航空成田空港支店御中
                    〒379-0114
                    群馬県安中市野殿980番地
                    小川賢
                    TEL:027-382-0468
                    FAX:027-381-0364
                    E-mai1: ogawakenpg@aol.com
          質問状
 前略、私は、2013年10月16日18時半ごろ成田空港に到着した貴社ドバイ発成田行きEK318便のビジネスクラスを利用した者です。
 このフライトで成田空港第2ターミナルでBaggage Claimの際に、手荷物が届いていないことが判明し、事故報告書等の記載に関わる諸手続きを済ませて、私は同10月17日の0時20分に自宅に到着しました。
 その後、同17日9時前に、貴社に電話で手荷物の捜索状況について問い合わせたところ、1日遅れの同17日17時過ぎのドバイからの同じ便で到着する可能性が高いことを知りました。そして、同17日18時21分から24分にかけて貴社から連絡を頂きましたが、自動車を運転していたため携帯電話に出られず、18時24分にいただいた留守電の内容を確認後、同19時ちょうどに貴社に折り返し電話(090-403-0766)をしました。その際、私の手荷物に直径6-7センチの損傷(凹み)があることを伝えられました。
 そのため、損傷の補修について説明をお願いしたところ、貴社の吉田正隆様からあらためて電話(0476-34-6700)を賜り、損傷の補修や補償は一切できないという貴社の方針を伝えられました。
 私は、貴社の誠意を確認するために、いくつかの提案(凹みの部分を自分で補修するための材料の支給など)をさせていただきましたが、貴社としては「航空会社として本件を免責扱いとし、利用者自身が旅行保険で求償手続をするように補関係会社提出用の事故報告書の発行のみ行う」ということで、私の提案はすべて貴社により却下されました。
 そして10月19日の正午ごろ、福山通運により損傷を受けた遅延手荷物が自宅に届けられました。
 届けられた私の手荷物の状況は次の写真のとおりです。

 私は、貴社のチェックイン窓口では、預け入れる手荷物の中に壊れやすいものはありませんか?と質問されましたが、手荷物の損傷について、「通常の取扱いで生ずる軽微な損傷については、航空会社として免責です」という説明を受けていません。
 また、貴社職員のかたに貴社の今回の措置の根拠を尋ねたところ、「当社のホームページには対応の基準について掲載していません」「他の航空会社とことなり、当社の対応は厳しいものになっています」というコメントでした。
 つきましては、次の質問がありますので、お手数ですが、2013年10月31日(木)必着で、書面にて私宛にご回答をお送りくださるようお願い申し上げます。なお、今回の事例は私自身に留まらず、貴社の利用者すべてに関係する事項と思料します。そのため、貴社の回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、回答の有無及び内容をネット上で公表して、貴社の手荷物の取扱い方針の実態について明らかにしてまいりたいと考えます。

質問1
 貴社によれば「通常の取扱いで生ずる軽微な損傷(擦り傷一切り傷・へこみ・汚れ・着脱式のキャスター・名札等突起した付属品の欠損)」は航空会社免責とされていますが、具体的にどの程度の損傷が、免責対象の範囲内あるいは範囲外として、誰がどのように評価し認定しているのでしょうか?具体的に損傷の程度の基準をできるかぎり数値化して、また写真やイラスト等を用いて誰にもわかり易く示して下さい。
 ちなみに、今回の貴社職員の説明では、損傷の場合長さ14センチ以内で、鞄の中身が外部に露出していない場合には、固定式のキャスターや取っ手などの破損・欠損であっても、一切免責対象として補償には応じない、という口頭での説明を受けています。

質問2
 貴社によれば、「手荷物の固有の性質・欠陥によるもの(易損品・老朽化・過重量/過容量等)」も、航空会社免責とされていますが、これらの事象についても具体的にどの程度の状況であれば、どの程度の状況が、免責対象の範囲内あるいは範囲外として、誰がどのように評価し認定しているのでしょうか?具体的に「易損品・老朽化・過重量/過容量等」に関する基準をできるかぎり明確にして、また写真やイラスト等を用いて誰にもわかり易く示して下さい。

質問3
 貴社によれば「リミテッドリリースタグ(航空会社免責同意書)」の場合も、航空会社免責とされています。これに関連して、私は次回本年12月、再び貴社のフライトを利用しジブチに向かう予定ですが、この際、今回貴社の取扱い不良で破損(凹み)したトランクをチェックインの際に、預け入れることになる場合、貴社は、このリミテッドリリースタグないし同様の免責書類への記入を私に課すつもりですか。

質問4
 今回、10月17日の夜に貴社の吉田正隆様に確認した際、吉田様の説明によれば「さきほど届いた遅延の手荷物は税関審査で中身を調べる必要がないことを確認したので、鍵はかかったまま、自宅に送られることになる。したがって預かったキーは使うことなくそのまま手荷物と一緒にお返しする」とのことでした。ところが、19日正午に届いた私の手荷物を開けようとしたところ、既にキーがかかっていない状態でした。このことについて、経緯と理由についてきちんとした説明をお願いします。

質問5
 上記質問3にも関連しますが、一度、キズものにされた手荷物鞄は、今後、貴社を利用する際に、さらに重大な損傷を受けた場合でも、すべて航空会社免貴になるのでしょうか?つまり、一度キズものにされた手荷物鞄を次の貴社のフライトで使用することは、あきらかに旅客に対する不利益となるので、貴社としては、新しい手荷物鞄の使用を勧めるという立場なのでしょうか?

質問6
 最後の質問ですが、貴社にかぎらず航空会社のチェックインカウンターでは「中に壊れやすいものは入っていませんか?」と確認されます。このことは、「あなたの荷物を手荒く扱って損傷を与えても当社は免責ですよ」という意思表示なのでしょうか?率直な見解を教えてください。また、その際「壊れやすいものが入っています」と答えた場合、「Fragile」などのタグを付けていただき、特別扱いをした上に、もし貴社の言う軽微な損傷が発生した場合でも、免責の対象から外れる=すなわち、補償の対象として扱われる、という認識を利用者として持ってもよろしいのでしょうか?
**********

■エミレーツ航空の回答は10月30日付で届きました。これによりエミレーツ航空の見解を初めて知ることが出来ました。窓口で説明を受けていないことばかりなので、同社のフライトを利用する方々のためにも、参考として、エミレーツ航空の見解を公表しておきます。

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                    2013年10月30日
小川 賢様
拝啓
この度は、お鞄の遅延・破損につきましてご迷惑をおかけ致しましたこと、深くお詫び申し上げます。つきましては頂戴しました質問にご回答をさせて頂きます。
まず初めに添付の資料をご説明させて頂きます。当該資料はお預け荷物に関するお知らせでございまして、弊社成田空港チェックインカウンターにて提示させて頂いております。


質問1
お鞄の破損が免責対象の範囲であるか否かは、到着時に弊社職員もしくはエミレーツ航空委託職員が確認して判断しております。また、破損状況はその都度異なるため、免責か有責かを決める数値化した具体的な基準は設けておりません。小川様とのお電話にてお話しした15センチの亀裂というのも、以前有責にて取り扱ったお鞄の破損状況を、あくまでも1例としてお伝えしたこことにすぎず、14cm以内の亀裂がすべて免責になるという意味ではないことをご遡解下さい。

質問2
質問1の回答と同様、「易損品・老朽化・過重量/過容量」についても、弊社係員、又は現場責任者が確認し、過去に発生した手荷物破損事故の事例を総合的に判断し免責か有責かを決定するため、数値化した具体的な基準はございません
なお、「手荷物固有の性質、欠陥によるもの(易損品、老朽化、過重量・過容量等)」とは、通常の取扱いで生じる衝撃等に十分耐えうる強度がない、もしくは過重量・過容量等で航空会社にお預け頂いた時点で、破損のリスクが高いお鞄を意味し、それに起因する破損は免責扱いにさせて頂いております。

質問3
お預け荷物に既に破損が生じているもの、又は破損の生じる可能性が高いお鞄に関しては、その後の運送にて更なる破損が生じる可能性があり、それを了承のうえお預かりさせて頂くために、免責了承のサインをご搭乗手続き時に、ご搭乗者様より頂いております。

問4
後日到着したお鞄がお客様のお鞄であるかどうかを確認する為に、お預かりした鍵で、ロック解除を行う場合があり、小川様のお鞄におきましては、その確認の際にロックの再施錠を失念した可能性があります。ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。

質問5
大前提と致しまして、スーツケース等のお鞄等は航空輸送中で生じる衝撃等より中身を守るものであり、通常の取扱いにおいて外郎の傷等は避けられないものであると理解しております。恐れ入りますが、質問3で回答させて頂いたとおり、ご搭乗手続き時に、お預け荷物外部にあらかじめ破損が確認された場合は、その後の運送にて更なる破損が生じる可能性があり、それを了承のうえお預かりさせて頂くために、免責了承のサインをご搭乗者様より頂きます。

質問6
チェックインカウンターでお鞄の中身に壊れやすいものが入っていないかを確認させて頂く理由としましては、以下の運送約款に基づき案内しております。
お客様は、壊れやすい又は変質・腐敗するおそれのある物品、貴重品(貨幣、宝石類、貴金属等を含む)、コンピュター、個人電子装置、保存されたデータ、機内や旅行中に必要な又は紛失若しくは損害を受けた場合すぐに補充できない薬品や医療機器、自宅又は車の鍵、書類(ビジネス書類、旅券、その他自分を称する文書、流通証券、有価証券)又は見本を、受託手荷物に含めてはなりません。(エミレーツ航空 運送約款8.3.3.より抜粋)
また「Fragile」の添付は鞄を取扱う者に注意喚起するものであり、航空会社による補償を示すものではございません。

以上が小川様より頂戴した質問状へのご回答になります。何卒ご遡解賜りますよう、お願い申し上げます。
                    敬具
               エミレーツ航空
                成田空港支店
                 手荷物担当
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■エミレーツ航空の見解としては、旅行鞄というのは、もともと中身を保護するための目的で使用されるものであること。預かった旅行鞄を機内に積み込んだり積み下ろしたり運搬したりする際に、投げたり落としたりぶつけたりするのはごく普通の取り扱い方であって、それで旅行鞄が壊れた場合には、旅行会社の責任ではなく、そのような旅行鞄を預けた利用者側の責任であること。したがって、そのような旅行鞄が破損して困るのであれば、あらかじめ利用者側で手荷物に保険を掛けておくこと。ということがわかります。

 であれば、きちんとチェックインのときに、あるいはホームページなどで予め利用者側にその見解を伝達するための努力をしてもらわないと、無用なコストと時間がかかってしまいます。

 エミレーツ航空を利用して中東や欧州、アフリカに向かう皆様が、エミレーツ航空を利用する際に手荷物を預けられる際には、ぜひ上記の情報を参考にして、できるかぎり機内持ち込みの手荷物を多くすることをお勧めします。

【ひらく会情報部・海外取材班】

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