市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

12年前にオープンした談合焼却場・・・市ゴミ処分場をめぐる利権争い(当時の当会会報から)

2010-12-01 12:43:00 | オンブズマン活動

■当会では、タクマのゴミ焼却施設について、かつて当会が毎月発行していた安中市民通信「まど」1998年4月20日第28号6ページで、平成10年4月からのゴミ焼却施設稼動を前にして、「環境特集 新ゴミ焼却炉稼動によせて」と題して、「市ゴミ処分場をめぐる利権争い」について特集記事を掲載したことがあります。

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【市ゴミ処分場をめぐる利権争い】
 九九年四月に稼働于定か迫る安中・松井田衛生施設組合のゴミ・粗大ゴミ処理施設に関連して、いま市政の中で緊急な問題として浮上しているのが、ゴミ処分場問題です。

■焼却場あって処分場なし
 別項でも述べたとおり、市は最終処分のことを考えずに焼却場を作ってしまったため、新たな処分場の用地選定作業が遅れているためです。四月の稼働開始には到底間に合いません。
 八七年度から使っている現在のゴミ理立処分場は、松井田の湯ノ川温泉の西側の山林にあります。当初から一〇年で満杯になる計画だったため、既にほとんど満杯状態でとりあえず嵩上げして当面しのいでいますが、それでも後三年ともちません。そこで、次の処分場の確保が懸案となっています。
 組合では、これまで日量六〇トン弱の可燃ゴミだけを処理し、ガラスや鉄、アルミ等の不燃ゴ
ミは市内の民間業者に年間約四六〇〇万円で処理を委託していました。ところが四月からは一日当たり、今までの二倍の約一〇トンの焼却灰と、新たに受け入れる粗大ゴミの破砕処理による不燃物が約一〇トン出ます。

■埋め立て地がない
 計画書によると二〇〇三年には灰と不燃物で年間六〇二二立米(約七三〇〇トン)のゴミを埋め立てるスペースだ必要になるそうです。現在松井田にある処分場の規模だと四年も経たないうちに、満杯になる勘定です。松井田の処分場では、地元住民と「埋め立てるのは焼却灰だけ」という協定を結んだ経緯もあります。
 そのため、四年ほど前から組合と両市町で新たな最終処分場の用地選定作業を続けていますが、一向に進展が見られません。それにもかかわらず、ゴミ処理施設だけは作っちゃったのだから、一体どういうつもりなのでしょうか。

■用地選定大幅遅れ
 中島市長は九六年暮れに、ようやく組合と両市町で検討部会を発足させ、その後何回か会合をもっているようですが、話の経緯は少しも見えてきません。
 処分場は、用地選定から環境アセスメント(影響評価)で完成までに通常五年かかるといわれます。当然、四月の開業時の処分場完成は不可能です。そうすると当面は処理ゴミを民間委託することになるのでしょうが、新たな費用がかさみます。
 もし、組合の不燃・粗大ゴミ(年間約三五〇〇トン)を民間業者に委託すると、一体いくらくらいになるのでしょうか。

■ゴミ委託処理に年二億円?
 現在の委託費の相場はトン当たり三万円ほどだから、年間約一億円かかることになります。焼却灰(年間約三八〇〇トン)も含めると年に二・二億円もかかります。
 すると、新たな利権を生む可配性があります。日本ではゴミ処理の費用の内訳は、収集七〇%、設備二〇%、保守・人件費一〇%といわれています。昨年来、中島市長も絡んだ浄化槽内紛問題で、九九年三月二二日に設立登記した会社「有限会社西毛環境保全センター」(柳沢恵美代・代表取締役)でも、業務目的に「一般廃棄物及び産業廃棄物の収集運搬処理に関する業務」をしっかり掲げており、出番が来るかも知れません。
 また、新たな処分場用地を地上げする場合でも、勿論、大きな利権が生まれます。不動産会社を副業とする市会議員の方々(澤、早川、横山ら各議員)にとってはチャンス到来かも。

■次は安中市の番
 処分場の設置場所として、暗黙の了解として、次は安中の番だということになっているようです。
 情報筋によれば、処分場用地の候補としては、中宿のクレー射撃練習場の北側地点、サンパイ業者が盛んに暗躍している岩野谷地区、市内各所にあるベントナイトの掘削跡地などが取り沙汰されています。

■一中野谷の業者の場合
 このうち中野谷にあるベントナイト会社サンケン工業の掘削地が有力候補のひとつと目されています。この付近は畑地で民家もなく、下流に水田がないので水利権の問題も余りありません。地下水汚染防止対策さえ万全なら、あとは臭気に気をつける程度で済むようです。しかも、この地区は信越化学から一キロと離れていないため、既に準工業地帯の指定を受けており、都市計画上も問題ないとされています。
 同社では中野谷でベントナイトを採掘したものの、鉱脈がいまひとつ貧弱だったため採算がとれず、かといって埋め戻すにはさらにコストがかかるので、有効な埋め戻し方を摸索していました。その結果、廃棄物処分場として埋め戻せば一石二鳥という結論に達しました。
 評判の悪い産業廃棄物と違い、自治体の一般廃棄物の処分場としてなら認可も得易いので、あとは自治体と話しがつけば、埋戻し費用を浮かすことができるほか、いろいろなメリットも期待できます。同社はこの案を当時の小川勝寿市長(碓氷・松井田衛生施設組合管理者兼務)にもちかけ、同市長も乗り気だったのですが、公社事件で九五年一〇月に退陣を余儀なくされました。

■色めき立つ関係者
 その後も計画を進める過程において、安中市と松井田町の自治体関係者にいろいろな話が取り沙汰されています。地元にとって必要な施設の計画であれば、なにも秘密にする必要はないと考えますが、ゴミ処分場には利権が絡むため、なにかと血眼になる関係者が現れます。このゴミ処分場問題も、表面上騒がれていませんが、近いうちに必ず浮上してくるでしょう。
 松井田に較べると、廃棄物処分場というとすぐ色めき立つ関係者は安中のほうが沢山居るようです。とりわけサンバイ場計画が目白押しの岩野谷地区では、七年前から七ヵ所も計画(最近八ケ所目の構想書が出た)が持ち込まれていますが、これにも市議会議長経験者が関与しています。

■岩野谷地区の場合
 このうち大谷西谷濠に計画されたものは、九一~九三年に産業廃棄物理立処分場(安定型)で進められましたが、地元の賛成が得られず、九三年八月にいったん業者が撤退しました。その直後の同年一一月から今度は一般廃棄物処分場(管理型)の計画が始まり、九四年二月に事前協議が県に出され、事前協議終了が九五年一一月十日。出直し市長選告示日の二日前でした。事業者は埼玉県大宮市の業者で、市長選の最中に業者の幹部自ら安中市内に入っていました。
 九六年一二月定例市議会の社会常任委員会は、ゴミ処分場の安全性に不安を抱く地元往民からの計画中止の請願を不採択とし、委員長報告をもとに、本会議でも不採択に賛成十七、反対六という結果となりました。
 審議の過程で、もっとも注日された、どこから、どんなゴミか、どのルートで、どのくらい持ち込まれるのかなどは、いっさい不問に付されました。業者によると、県内の東毛地域の自治体
固体から持込むという話ですが、大宮の業者なので県外から灰や汚泥、不燃物を受け入れる可能性は否定できません。
 尚、安中市は、この処分場に原市の焼却灰を埋め立てる予定ほないと、議会答弁しています

■利権が引き起こす二次問題
 ゴミ処分場計画には、金銭配布問題がつきものです。それだけ利権になるという証左です。
 なぜ、住民の意見をよく聞かずに九六年一二月の市議会が、市民の設置反対請願を不採択にしたのか、いろいろ憶測をよんでいます。
 議会は、ゴミ焼却場の利権に預かろうという思惑はあっても、どうしたら焼却灰を出さずに済むか、どうすれば最終処分場をつくらずに済むか、などという意見は極めて少数のようです。
 九六年から九七年にかけて取り沙汰された諸問題、すなわち
▼原市市営団地の談合問題(市長および政和会案件)と、
▼浄出棺清掃会社内紛問題(政和会案件)、それに
▼このゴミ処分場問題(同志会案件。一部政和会を含む)
などは、市長を取り巻く両派閥の取引の材料にされたと見るのが妥当でしょう。
 どうすれば廃棄物を減らせるか、また、どういう方策をとれば安全な環境を維持できるのか、といった真剣な議論が、二大会派の問で交わされるようになるのは、果たしていつの日でしょうか。  【政策部・情報部】
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■このように、当会では、タクマが受注して建設したこのゴミ処理施設から排出されるゴミの行方について、きちんと精査する必要があると当時から主張してきました。結局、灰溶融施設などによるゴミの減量化、再利用化、無害化など環境面に配慮した対応は取られず、その後、松井田の既設の処分場がいっぱいになった後、草津町の民営の処分場に持ち込んで埋めていました。

 しかし、そこもほどなく満杯になったため、地元で不動産業を営んでいた元市会議長(故人)らと結託して違法手続きの限りを尽くした大宮の業者(㈱サイボウ)に、群馬県や安中市の関係者が加担して、平成19年4月から岩野谷の大谷地区で稼動開始したゴミ処分場を現在使っている有様です。

【ひらく会情報部】


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