笑って認知症を予防しよう
株式会社エスタイル
■笑って認知症を予防
笑う事が認知症の予防につながる可能性がある。阪大大学院医学系研究科公衆衛生学の大平哲也准教授は、「認知症予防を目的とした笑いの効果についての実践的研究 」で、このように提言した。
笑うということは、脳が様々な情報を処理する高度な働きをすることが求められる。笑う機会が多い人は、脳がそれだけ活性化を促されることになる。逆に認知症にかかると、脳の機能が低下し、笑う機会が減るという悪循環に陥る。
■強制的に笑うという介入研究
そこで、積極的に笑うという介入研究を行ったところ、認知症予防には笑いが有効であるとの示唆が得られたという。
この研究は2週間に一度、落語を聴くことに加え、強制的に笑う「笑いヨガ」を行う「はりきりコース」と4週間に一度落語を聴く「ぼちぼちコース」を6ヶ月間の介入期間で調査を行うというもの。評価のために、血圧や心拍など身体所見、認知機能検査や、心理状態やライフスタイルの状態、などQOLに関するアンケート、うつの評価などを行った。
その結果、認知機能検査の得点に関しては有意な変化は見られなかったものの、はりきりコースの参加者のほうが、QOLに関するアンケート調査の結果や心拍数では、有意に改善が見られたという。唾液中のストレス物質コルチゾールの値や、うつ症状の得点についても、有意とはいえないまでもそれぞれ低下、改善の傾向が見られた。
■笑いヨガがおすすめ
このことから、「面白いものごとを見聞きして笑う」だけでなく、「笑う」ことそのものを意識的に行うのも効果的ではないかとの見方が強まっている。その具体的な方法として、笑いヨガ(ラフター・ヨガ)が薦められるという。笑いヨガは、ヨガの呼吸法を取り入れたエクササイズ。実際に大きな声で笑うが、今回の取り組みのように、何らかのグループの活動などに取り入れ集団で行うことで、「一人で意味もなく笑うなんて恥ずかしい」という部分も払拭でき、「むしろみんなで意味もなく笑うなんてそれだけでおかしい」という効果も期待できるかもしれない。
笑いには他にも多くの研究がされており、健康増進のエッセンスであることが認められている。笑顔の好循環を積極的にライフスタイルに取り入れたい。