女性の肺癌とCOPDが増加 【米国癌協会】
喫煙影響、表面化まで50年
2013年1月31日 米国学会短信 カテゴリ: 呼吸器疾患・癌・検査に関わる問題
米国癌協会(ACS)は1月23日、過去50年間の喫煙習慣の変化により、女性の肺癌および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の死亡リスクが増加しているという報告を紹介した。2013年1月24日発行の、New England Journal of Medicine誌に掲載されている。
この研究によると、米国で男性の喫煙が一般的になったのは20世紀の初めであり、女性の喫煙が増えたのはその数十年後とのことである。1日あたりのたばこ消費量のピークは、男性が1970年代、女性が1980年代であり、その後喫煙率は男女ともに低下している。現在、肺癌、COPD、脳卒中、心疾患による死亡の相対危険度に男女差はほとんどない。一方、喫煙者の肺癌の死亡リスクは、男性は1980年代以降横ばいだが、女性は依然増加傾向にある。また、55歳以上の男性および60歳以上の女性の場合のすべての死因による死亡率は、喫煙者が非喫煙者の3倍以上となっている。このように、喫煙の影響が表面化するまでには50年程度かかっている。
20世紀の喫煙による死亡者は約10万人であり、現在の傾向が続けば、21世紀にはこの数が1億人に達すると考えられる。有効な対策は、喫煙者の削減である。喫煙による死亡のリスクは、年齢を問わず禁煙によって劇的に減少する。この場合、減煙よりも完全な禁煙の方が効果が高い。
がんの死亡例で一番多いのは肺がんで、うち8割は喫煙によるもの。
喫煙影響、表面化まで50年
2013年1月31日 米国学会短信 カテゴリ: 呼吸器疾患・癌・検査に関わる問題
米国癌協会(ACS)は1月23日、過去50年間の喫煙習慣の変化により、女性の肺癌および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の死亡リスクが増加しているという報告を紹介した。2013年1月24日発行の、New England Journal of Medicine誌に掲載されている。
この研究によると、米国で男性の喫煙が一般的になったのは20世紀の初めであり、女性の喫煙が増えたのはその数十年後とのことである。1日あたりのたばこ消費量のピークは、男性が1970年代、女性が1980年代であり、その後喫煙率は男女ともに低下している。現在、肺癌、COPD、脳卒中、心疾患による死亡の相対危険度に男女差はほとんどない。一方、喫煙者の肺癌の死亡リスクは、男性は1980年代以降横ばいだが、女性は依然増加傾向にある。また、55歳以上の男性および60歳以上の女性の場合のすべての死因による死亡率は、喫煙者が非喫煙者の3倍以上となっている。このように、喫煙の影響が表面化するまでには50年程度かかっている。
20世紀の喫煙による死亡者は約10万人であり、現在の傾向が続けば、21世紀にはこの数が1億人に達すると考えられる。有効な対策は、喫煙者の削減である。喫煙による死亡のリスクは、年齢を問わず禁煙によって劇的に減少する。この場合、減煙よりも完全な禁煙の方が効果が高い。
がんの死亡例で一番多いのは肺がんで、うち8割は喫煙によるもの。