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胆管がん、初の労災認定へ 大阪・印刷会社の16人

2013年02月20日 10時02分57秒 | 仕事
胆管がん、初の労災認定へ 大阪・印刷会社の16人
朝日新聞デジタル 2月20日(水)5時22分配信



胆管がんによる労災請求の状況
 【石山英明、吉田拓史】印刷会社で働いていて胆管がんになった人や遺族から労災請求が相次いでいる問題で、厚生労働省は、大阪市の印刷会社で働いていた16人(うち7人死亡)の請求を認める方針を固めた。仕事との因果関係があるとして、時効を柔軟に運用する。胆管がんの労災認定は初めて。

 この会社は「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」。これまで20代1人、30代7人、40代8人の計16人が請求している。3月中旬に開く専門家検討会で認定を判断する基本的な考え方をまとめ、労働基準監督署が順次認定する。

 この問題は昨年5月、研究者らの調査で表面化。その後、全国の印刷会社で発症例があることが分かった。2月12日までの労災請求は計62人(死亡38人)。
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大阪胆管がん問題/第二の石綿?広がる不安

2013年02月20日 09時59分56秒 | 仕事
大阪胆管がん問題/第二の石綿?広がる不安

 大阪市のオフセット校正印刷会社の元従業員らが胆管がんを発症し、5人が死亡した。「使用する有機溶剤が原因の労災では」「アスベスト(石綿)被害のように全国に拡大しているのではないか」。不安が広がり、厚生労働省は調査に乗り出した。印刷業界からは「危険な仕事であるかのような印象をもたれる」と“風評被害”を懸念する声も上がる。

 ▽真相

 「息子はもう帰ってこない。同じような職場に勤める若い人が助かるよう、真相を明らかにして」。大阪市のマンション一室。一人暮らしの女性(82)が長男の遺影を手に重い口を開いた。

 長男はアルバイトを経て1989年に同社に正社員として入社し、校正印刷部門で勤務。地下1階の作業場には5、6台の印刷機が並び、洗浄剤に含まれる有機溶剤のつんとする臭いが立ち込めていたという。会社から防毒マスクの支給はなく、「仕事中に意識が遠のく」と長男がこぼしていたのを女性は鮮明に覚えている。

 「がんで亡くなった人が2人いる。仕事が怖い」と漏らしていた長男は98年に退職したが、2006年に胆管がんを発症。07年7月、46歳で亡くなった。

 ▽600倍

 厚労省などによると、同社では少なくとも9人が胆管がんを発症し、うち5人が死亡。すでに遺族や従業員など計6人が労災申請している。

 問題を調査した熊谷信二(くまがい・しんじ)産業医科大准教授は「インキを洗い流す洗浄剤に含まれる『ジクロロメタン』や『1、2ジクロロプロパン』などが原因ではないか」と指摘。

 胆管がんの発症は高齢者に多いとされるが、9人のうち詳細が判明している5人は25~45歳に発症しており、同社の従業員数から算出した発症率は日本人平均の約600倍という。

 宮城県や東京都の印刷関連の事業所で働いていた従業員が胆管がんを発症したとの相談も労働局に寄せられており、厚労省は6月中旬、全国の校正印刷事業所など約500社への立ち入り調査を開始。仕事と発症の関係を明らかにするため専門家に調査を依頼し、原因の特定を急いでいる。

 厚労省幹部は「大阪の会社は作業場が地下に設けられている点などの特殊性があり、全国的に広がるかは未知数。原因がはっきりしないため、慎重に調べる必要がある」とする。一方、片岡明彦(かたおか・あきひこ)・関西労働者安全センター事務局次長は「石綿問題のように被害が全国に拡大する恐れもある」と訴える。

 ▽戸惑い

 日本印刷産業連合会(東京)によると、これまでのところ加盟企業から胆管がんの発症事例は報告されていない。「『近隣の住民に不安がられている』などの相談を受けた。このままでは風評被害になってしまう」と担当者は戸惑う。

 問題発覚後、東京都の校正印刷会社では、納入業者からジクロロメタンや1、2ジクロロプロパンを含む薬剤を使わないよう求められたという。

 この会社の社員は「こうした薬剤を使うことが胆管がんの発症に直結するというのなら、もっと昔から患者が出ていたのではないか」と疑問を投げ掛ける。同社では胆管がんの発症例は確認されていない。社員は「国は早く原因をはっきりさせてほしい」ともどかしそうに話した。

(共同通信社)
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