筋肉サプリ、がん転移抑制に効果 庄内産振センターと国立がん研が確認
2019年11月22日 (金)配信山形新聞
庄内地域産業振興センターと国立がん研究センター・鶴岡連携拠点がんメタボロミクス研究室は21日、同研究室の中山浄二研究員が、脂肪減少や筋肉増強のサプリメントとして市販されている既存薬アドレノステロンに、がん細胞転移の抑制効果があることを確認したと発表した。がん転移を抑える薬品開発への貢献が期待される。
がん研究のモデル実験動物の小型魚類ゼブラフィッシュを使って、がんの転移が自然発症するようにし、既存薬を与えて効果を調べた。既存薬約60種類で比較した結果、アドレノステロンを与えた場合に、がん細胞の移動や浸潤(がんが周りに広がっていくこと)が著しく抑えられることが分かった。
アドレノステロンは、肝臓や脂肪組織、中枢神経などで特異に発現する代謝酵素の一つの働きを抑制する。今回の研究では、がん細胞に本来発現しないこの酵素が、転移性の高いがん細胞で生じていることを確認した。さらに、人のがん細胞でも、移動・浸潤が抑えられることを確かめた。
研究結果は20日付の米がん学会専門誌「モレキュラー・キャンサー・リサーチ」に掲載された。がん細胞の転移を制御する薬の開発は遅れており、中山研究員は「研究で得られた知見をマウスや臨床サンプルなどでも検証し、次世代の革新的な診断・治療法の開発につなげたい」としている。
2019年11月22日 (金)配信山形新聞
庄内地域産業振興センターと国立がん研究センター・鶴岡連携拠点がんメタボロミクス研究室は21日、同研究室の中山浄二研究員が、脂肪減少や筋肉増強のサプリメントとして市販されている既存薬アドレノステロンに、がん細胞転移の抑制効果があることを確認したと発表した。がん転移を抑える薬品開発への貢献が期待される。
がん研究のモデル実験動物の小型魚類ゼブラフィッシュを使って、がんの転移が自然発症するようにし、既存薬を与えて効果を調べた。既存薬約60種類で比較した結果、アドレノステロンを与えた場合に、がん細胞の移動や浸潤(がんが周りに広がっていくこと)が著しく抑えられることが分かった。
アドレノステロンは、肝臓や脂肪組織、中枢神経などで特異に発現する代謝酵素の一つの働きを抑制する。今回の研究では、がん細胞に本来発現しないこの酵素が、転移性の高いがん細胞で生じていることを確認した。さらに、人のがん細胞でも、移動・浸潤が抑えられることを確かめた。
研究結果は20日付の米がん学会専門誌「モレキュラー・キャンサー・リサーチ」に掲載された。がん細胞の転移を制御する薬の開発は遅れており、中山研究員は「研究で得られた知見をマウスや臨床サンプルなどでも検証し、次世代の革新的な診断・治療法の開発につなげたい」としている。
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