各地の水族館で、新たにクラゲを展示し始めたり、これまでのエリアを刷新したりするケースが相次いでいる。カラフルにライトアップして幻想的な雰囲気にする水族館もあれば、上からも横からも観察できるように水槽を独創的な形にする水族館もあり、クラゲの魅力を引き出す工夫は、どんどん進化している。クラゲ展示に力を入れる各地の水族館を紹介する。(各施設では、新型コロナウイルス感染対策で、予約制にしたり入場制限をしたりしています)(朝日新聞映像報道部)

 アーチ状の入り口をくぐって、ドーナツ形の360度パノラマ水槽の中に入ると、まるで海の中でクラゲの群れに遭遇したような感覚になる。

写真・図版京都水族館の「クラゲワンダー」。360度パノラマ水槽「GURURI」には、約1500匹のミズクラゲが漂う=2020年7月21日午後、京都市下京区、筋野健太撮影

 7月にリニューアルオープンした西日本最多とされる20種類5千匹のクラゲを見られる京都水族館京都市下京区)のクラゲ新展示エリア「クラゲワンダー」(350平方メートル)の目玉水槽「GURURI(グルリ)」。パノラマ水槽には約1500匹のミズクラゲが漂い、青、白、赤、黄色などカラフルにライトアップされた幻想的な空間で、クラゲの細部を観察できる。

 同館は観賞型から体験型へのリニューアルを進めており、クラゲの飼育や研究作業を観賞できるスペース「京都クラゲ研究部」ができ、飼育員に質問している人の姿が多く見られる。

 新型コロナウイルスの影響で、同館は2月29日から6月14日まで休館し、「クラゲワンダー」のオープンが約2カ月半遅れた。営業再開後は来館者の検温、手の消毒、人数制限をしている。