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新型コロナ抗体量、子どもは大人の3倍 重症化しにくさ裏付け 石川県立大が香港大と研究

2022年07月23日 10時11分52秒 | ウイルス

新型コロナ抗体量、子どもは大人の3倍 重症化しにくさ裏付け 石川県立大が香港大と研究

 2022年7月22日 (金)配信北國新聞
 

 石川県立大(野々市市)などの共同研究チームは21日、新型コロナに感染した際に体内で作られる抗体量が、子どもは大人の3倍となることを世界で初めて突き止めたと発表した。抗体は重症化の原因とされるタンパク質を攻撃する性質があり、子どもが重症化しにくいことが裏付けられるという。抗体の研究をさらに進めることで、治療薬や診断薬の開発につながることが期待される。

 香港大との共同研究で、県立大の森正之准教授(遺伝子機能学)が参加した。森准教授らのグループは、コロナの特徴的なタンパク質「ORF8」を大量合成する技術を提供。2020年に確立した方法で、重症化の程度に関与すると考えられるORF8を県立大で作り、香港に送った。

 共同研究ではORF8を攻撃する抗体の量を調べた。香港の感染者約200人を対象に「17歳以下の子ども」「18歳以上の大人」の2グループに分けて血液を比較したところ、抗体量は子どもの方が平均して3倍多いことが分かった。大人でも無症状の人は抗体量が子どもと同水準である傾向があったという。

 今回の共同研究はORF8の合成に成功した森准教授の論文を読んだ香港大医学部の研究者が打診した。香港大側からは「県立大のORF8がなければ成り立たなかった」と共同研究の継続を求められている。

 森准教授は「大人と子どもでORF8に対する免疫反応が異なることが分かった。重症化を抑える治療薬開発に向けた大きな一歩になるのではないか」と話した。研究成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。

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