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認知症、思い出せないだけ マウスの記憶は存在

2016年03月18日 01時47分20秒 | 医療情報
認知症、思い出せないだけ マウスの記憶は存在
臨床 2016年3月17日 (木)配信共同通信社

 認知症の一種であるアルツハイマー病の初期に失われた記憶を、脳の神経細胞を働かせて取り戻すことにマウスで成功したと、理化学研究所の利根川進(とねがわ・すすむ)・脳科学総合研究センター長らのチームが16日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 アルツハイマー病の初期症状の「物忘れ」が生じる仕組みの解明につながる成果。利根川氏は「患者は記憶を正しく形成できないのではなく、思い出せないだけかもしれない」と話している。

 チームは、人の若年性アルツハイマー病の家系で見つかった遺伝子の変異をマウスに組み込み、物忘れの症状があるマウスをつくった。箱に入れ、電気刺激を与えて恐怖を体験させ、そのとき働いた脳の神経細胞に目印を付けた。

 マウスは1日後には恐怖を忘れていた。さらに1日後、別の箱に入れ、脳に光を当てて目印の神経細胞を働かせたところ、電気刺激はないのにすくんで動かなくなった。チームは、恐怖の記憶は失われずに保存されており、神経細胞の働きでよみがえったと判断した。

 一度忘れた後でも、繰り返し光を当ててこの神経細胞を働かせ続けると、2日たっても箱に入れると体をすくませた。神経細胞の働きによって、神経回路のつながりが強まり、記憶を思い出しやすくなったとみられる。


暖かい日差し心地いい日です。
思い出したい記憶、ある日の喫茶店

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