親の体罰禁止来年4月から 改正虐待防止法が成立 しつけの在り方見直し 児相強化、職員確保課題
2019年6月19日 (水)配信共同通信社
親の子どもへの体罰を禁止するとともに、児童相談所の体制強化を盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が19日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。一部を除き来年4月から施行される。昨年3月に東京都目黒区で船戸結愛(ふなと・ゆあ)ちゃん=当時(5)=が死亡するなど悲惨な事件が続いたことを受けた法改正。罰則はないものの、しつけの在り方を見直すきっかけとなりそうだ。児相で虐待対応に当たる専門職「児童福祉司」の確保と質向上も課題となる。
今年1月には千葉県野田市で栗原心愛(くりはら・みあ)さん=同(10)、今月5日にも札幌市中央区で池田(いけだ)詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死する事件が発生。児相などの不手際が相次いで明らかになり、抜本的な対策強化を求める声が高まっていた。
改正法では、虐待に関与した疑いで逮捕された親族が「しつけのためだった」と供述するケースが後を絶たないことから、親権者や里親、児童福祉施設長が子どもをしつける際の体罰禁止を明文化。親権者に必要な範囲で子どもを戒めることを認めている民法の懲戒権は、改正法施行後2年をめどにその在り方を検討するとしており、山下貴司法相は20日の法制審議会の臨時総会で見直しを諮問する見通し。
子どもの安全確保に関しては、児相で一時保護など「介入」を担当する職員と、保護者の相談など「支援」を担当する職員を分け、介入機能を強化。転居後も切れ目のない支援を続けるため、児相や関係機関の間で速やかに情報を共有する。ドメスティックバイオレンス(DV)の対応機関との連携も進める。児童福祉司は人口や対応件数を考慮して児相に配置、体制を強化する。
野田市の事件で、市教育委員会が、虐待被害を訴える心愛さんのアンケートの写しを父親に渡していたことが問題化したことを受け、学校や教委、児童福祉施設の職員に守秘義務を課す。
今国会での成立を目指し、与党は野党との修正協議に応じ、医学的・心理学的な知見に基づく再発防止プログラムの実施を努力義務にするなど、野党が求めていた項目が盛り込まれた。
2019年6月19日 (水)配信共同通信社
親の子どもへの体罰を禁止するとともに、児童相談所の体制強化を盛り込んだ改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が19日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。一部を除き来年4月から施行される。昨年3月に東京都目黒区で船戸結愛(ふなと・ゆあ)ちゃん=当時(5)=が死亡するなど悲惨な事件が続いたことを受けた法改正。罰則はないものの、しつけの在り方を見直すきっかけとなりそうだ。児相で虐待対応に当たる専門職「児童福祉司」の確保と質向上も課題となる。
今年1月には千葉県野田市で栗原心愛(くりはら・みあ)さん=同(10)、今月5日にも札幌市中央区で池田(いけだ)詩梨(ことり)ちゃん(2)が衰弱死する事件が発生。児相などの不手際が相次いで明らかになり、抜本的な対策強化を求める声が高まっていた。
改正法では、虐待に関与した疑いで逮捕された親族が「しつけのためだった」と供述するケースが後を絶たないことから、親権者や里親、児童福祉施設長が子どもをしつける際の体罰禁止を明文化。親権者に必要な範囲で子どもを戒めることを認めている民法の懲戒権は、改正法施行後2年をめどにその在り方を検討するとしており、山下貴司法相は20日の法制審議会の臨時総会で見直しを諮問する見通し。
子どもの安全確保に関しては、児相で一時保護など「介入」を担当する職員と、保護者の相談など「支援」を担当する職員を分け、介入機能を強化。転居後も切れ目のない支援を続けるため、児相や関係機関の間で速やかに情報を共有する。ドメスティックバイオレンス(DV)の対応機関との連携も進める。児童福祉司は人口や対応件数を考慮して児相に配置、体制を強化する。
野田市の事件で、市教育委員会が、虐待被害を訴える心愛さんのアンケートの写しを父親に渡していたことが問題化したことを受け、学校や教委、児童福祉施設の職員に守秘義務を課す。
今国会での成立を目指し、与党は野党との修正協議に応じ、医学的・心理学的な知見に基づく再発防止プログラムの実施を努力義務にするなど、野党が求めていた項目が盛り込まれた。
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