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マイナンバー、間に合うか 行政の個人情報管理、17年本格稼働

2015年02月18日 22時23分30秒 | 

マイナンバー、間に合うか 行政の個人情報管理、17年本格稼働

行政・政治 2015年2月17日(火)配信朝日新聞


 政府は16日、国民に番号を割り振って社会保障や税などの情報をつなぐ「共通番号(マイナンバー)」制度で、ネット上で自分の情報を見られ、国税庁や日本年金機構のサイトにもつながる「個人ページ」のイメージを示した。ただ、2年後の本格稼働に向け、システム開発の遅れなど新たな課題も出てきている。

 マイナンバーは、日本に住民票がある全員に12桁の番号を割り振り、社会保障や税など行政にかかわる個人情報を一つの番号でつなぐ制度だ。来年から、ハローワークや税務署などそれぞれの機関がマイナンバーによる情報管理を順次始め、本格稼働の2017年から、情報を互いに照会できるようにするというスケジュールだ。

 そのためのシステム開発が遅れている。地方自治体のシステムをつなぐ「中間サーバー」が、今年1月の予定を過ぎても完成していないのが理由だ。

 17年7月の本格稼働を控え、国は自治体に、今年末までにシステム改修を終えるよう求めている。来年7月から全国的な運用テストに入る必要があるからだ。

 ところが、総務省がNECと開発中の「中間サーバー」の設計が遅れている。各自治体が持つデータを集中的に管理するサーバーだが、入力する年金関連の情報などが想定より多く、追加改修が必要になった。このため中間サーバーの「仕様書」づくりが遅れ、自治体のシステム改修も遅れる状況になっている。

 総務省は、17年7月の本格稼働の日程には「影響しない」としているが、別の総務省関係者は「現場の業務内容を整理せずに設計を手がけ、あとから問題が次々と浮かんで混乱している」と明かす。自治体側からも「やれと言われたら無理にでも間に合わせるが、期間を縮めるとシステムの品質に影響する」(政令指定都市のシステム担当者)との心配が出ている。

 自治体向けコンサルタント会社「ITbook」(東京)の伊藤元規社長は「IT業者の不足もあり、(期限の)年内に改修できる自治体は半数に満たないのでは」と指摘する。

 (藤田知也)

 ■予防接種など医療分野も 法改正案、今国会に提出へ

 政府は16日のIT総合戦略本部の分科会で、マイナンバー法改正案の概要を明らかにした。予防接種など医療分野でもマイナンバーを活用する方針が盛り込まれている。過去に受けた予防接種や特定健康診査(メタボ健診)履歴を、転職や転居しても次の健康保険組合や自治体に引き継げるようにする。

 改正案は今国会に提出される。マイナンバーを銀行口座の情報とも結びつけることなども盛り込まれる予定だ。

 マイナンバー制度は今年10月から、番号を知らせる簡易書留が自宅に届き始め、動き出す。本格稼働すれば、国民にとっては年金や手当をもらう際などに必要な添付書類が減り、手続きの手間が減らせるようになる。行政は事務が減るほか、所得状況をチェックして、税逃れや生活保護の不正受給などが見つけやすくなるとの狙いもある。

 ICチップ入りカードとパスワードで接続するネット上の「個人ページ」で、自分の情報を一覧することもできる。国税庁の電子納税サイト「e―Tax」や日本年金機構のサイトにも自動ログインできるようにする。民間企業と連携して、引っ越し時に各社の住所変更を一度にできたり、クレジットカードで電子納税できたりする仕組みも検討する。

 (吉川啓一郎)

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