和歌山で梅毒感染が急増 約15年で10倍に、6月3日に田辺保健所が無料検査
性感染症の梅毒の感染者数が全国で急増している。和歌山県内でも2022年の報告は37件で、約15年で10倍以上に増えている。特に20~40代で多い。早期の対応が重要で、田辺保健所(田辺市朝日ケ丘)は6月3日、無料で梅毒とエイズウイルス(HIV)の即日検査をする。
梅毒は主に性的な接触でうつる。原因は梅毒トレポネーマという病原菌。感染初期には、性器などにしこりができる。症状が自然に軽快しても病原体がなくなったわけでなく、他人にうつす可能性がある。
治療しないで3カ月以上経過すると、全身に発疹が出ることがある。数週間以内に消える場合があるが、再発を繰り返すこともある。抗菌薬で治療しない限り、体内に病原菌は残る。
感染の届け出数は14年まで10件未満だったのが、15年から20件前後で推移。18年と22年は30件を超えた。
HIVは感染しても特に自覚症状がないため、血液検査(抗体検査)での確認が重要になる。ただし、感染の可能性のある日から3カ月後でないと正しい結果が得られない。
感染が早く分かれば、服薬することでエイズの発症を予防したり、遅らせたりすることも可能になる。検査結果を知ることは、二次感染防止にもつながる。
22年のHIV感染とエイズ患者の報告数は2件。近年は減少傾向が続いているが、コロナ禍で検査数自体も減っている。県内で初めて報告のあった1986年からの累計は133件。
■検査は事前予約を
「HIV検査普及週間」(6月1~7日)を前に、田辺保健所はHIVの正しい知識の普及啓発を図り、検査・相談の利用を呼びかけている。
無料の即日検査・相談は3日午後0時半~3時。匿名で受けられる。検査結果は約1時間で分かる。
検査を受けるには事前の予約が必要。受け付けは平日の午前9時~午後5時45分。申し込み、問い合わせは田辺保健所(0739・26・7933)へ。
今回の検査以外にも、各保健所では定期的にHIVの検査をしている。実施日などは県健康増進課ホームページで確認できる
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