鼠ヶ関発の一番列車がこじゃれたフォルムの新しい車両に変わっていた。
重厚な音を立てながら入ってきたあの渋い機関車はついに肩たたきの憂き目かあ・・・
行き違いの上り列車が「カモシカと衝突した」ため、二十分遅れで女鹿駅についた。
このため秋田到着が遅れる旨を多分まだ家にいるヤスにメールで知らせた。
秋田駅西口、ヤスが少し遅れて現れた。「妙に混んでたんだよなあ。」
いやいや、今回もお世話になりまーーす。
小休止で立ち寄った道の駅協和は、緑の静寂さが際立つ心落ち着くロケーション。
周囲の山から発散する静かなる山の気を感じる。本当だぜ。
小雨混じりの仙岩峠。
集まって飲むだけじゃあ・・と思い、今回は温泉に行こうと仙台組にもメールした。
何処にするかは集まった時に相談しよう。網張、繋、鶯宿・・・かな。
待ち合わせ時間に少し余裕があったので、ヤスと小岩井農場で時間をつぶす。
閑散とした入場口で、女性の係員が入場者の検温をしている。
ボク等は駐車場内の車眺めながら、ぶらぶら・・・
国道46号のコンビニで仙台組と合流。
ガン先輩が、「網張にいい露天風呂があるんだって?」
「天女の湯ですね。じゃあそこにしましょう」
もう天女はいないんじゃないかなあ・・・という一抹の不安が当たった。
あの自然環境じゃあ維持するのは難しいもんね。すぐ下にある日帰り温泉館でマッタリ。
宿探し担当のボクが今回選んだのは、盛岡駅西口のユニゾイン・エクスプレス盛岡。
駅東側は目を閉じても歩けるんだけど、西口界隈となるとボク等はマジの浦嶋太郎。
行けそうで行けないホテルにやっとたどり着いた。
西口から「いかり」までの路選びにも大失敗! 倍以上の距離を歩いた感じ。
ガン先輩がちょっと前まで絶食療養中だったと聞いて心配したけど、うん、安心した。
キクちゃん、今回はガン先輩のナース役、よろしくです。
全員納まったところでシャッターを切ったら、オサムのジョッキがぬーっと出てきた。
これ以上後ろに引いたら土間に落ちる。撮り直しはしない。
酔いが回らないうちは、ここの幹事はオサム。
「オサムさん! だからちゃんと数を確認してから頼んでって言ったでしょう!!」
「いかり」でのショウコちゃんとのからみは、もうオサムのネタのひとつだ。笑える。
少しばかり遅れてウチが合流。おーすっ!
久し振りに笑顔のウチに会えた。うれしいよ。
ウチがガン先輩に何を話しかけているのか分かんないけど・・・、なんか、いいなあ。
現役時代は、超~密な関係だったもんな。
何、笑ってんだか。そう言えば二人とも高笑いはしなかった。いつもこんな感じで笑っていた。
あとはガン先輩の左隣にシュンロウさんがいたら、ボクはとっても幸せな気分になれる。
ガン・コン先輩が四年生の時、ボクが三年、ウチ、ヤス、カマが二年、オサムとカツが一年生。
大学入学までのラグビーキャリアは様々。ボクは全くのド素人だった。
ウチには、とっても大きな恩を感じている。
あの時、有無を言わさず腕を引っ張ってもらったから、ボクは今ここに居られるんだ。
初めてそのことを感謝したのに、「覚えてねえなあ・・」だってよ!
母校ラグビー部OB会長の肩書のほかに、カツには今いくつの肩書があるんだい?
OB会との関係がだんだん希薄になってきたよね、ボク等。妙案あるかい。
あれ、アネじゃないか。酔ってからのオサムの電話魔が始まった。
今回のきっかけも、オサムがここからキクちゃんに電話をかけたことだった。
ウチがかけているのは・・・オヤジの奥様。いいのかあ・・・大丈夫?
確か、マネのショーコちゃんにもかけてたよなあ。ボクもなんか話したような。
いつになく、みんな楽しそうだった。
ウチとカマに去年の姫神山の話をしたら、思いの外、食いついてきた。
「今年は一関をベースに栗駒山にしよう。」と提案したら即決となった。
ガン先輩も現役の頃の気力で筋肉つけたら行けますって。行きましょうよ。
記憶はぼんやりだけど、撮影時間は9時。4時間たっぷり飲んだ。
菊の司を身体が覚えていて、いくらでも受け入れるんだ。
カツオのたたき、鰯とアサツキのヌタ、ホントに美味かった。ジュンちゃん、ありがとう。
ヤスとボクは駅前のどこかで冷麺を食べて、11時過ぎに帰還。
「コン先輩がボクのこと、偏屈で面倒くせえ奴だったって、キクちゃんに話したんだって。」
ヤスにそう言ったら、「ガン先輩も同じこと言ってたよ」って返ってきた!
そうかあ・・そうだったのかあ。おかしな若僧だったんだなあ。えっ、今もそうかなあ???