ハイライトレンダリング 画像 Googleより転載
昨夜のテレビで「 眩(くらら)~北斎の娘~ 」 なるタイトルの番組が放映(再放送)されていた。 父親・葛飾北斎を越えたいと精進する娘である「お栄」が花街を訪れた際に呟いた言葉が頭の中に残っている。
そのセリフが正確にはどうだったか覚えていないのだが
「物の見え方は光と影で表せる」 みたいな言葉だった。
その事は僕が最初に入社した会社の新入社員であった時代(今から50年も昔)に社員教育での外部講習「電気技術者のための工業デザイン」そんなタイトルの講習会に参加させて貰った事があるのだが、 そこで習った技術「ハイライト・レンダリング」を想い起こさせた。
ハイライトレンダリングは黒いクラフト紙に白い色鉛筆を使い、 主として対象物が発散しているハイライト光を感じとり、 それを白鉛筆で描写して、物の形を立体的に見えるように描き出す手法なのだった。(今の世の中では主流の座は色鉛筆からコンピュータへ移っていますかね)
さて、こんな話題で書き始めたのは昨日のブログの掲載した針状結晶の雪のカラー写真が「針金を撮影した様な黒っぽい色で、すこしも雪の白さを感じないもの」だったからなのだ。 むしろ白黒画像の方が針状の氷と感じられました。
まあそれは当然とも言える、何しろ針状結晶は透明な棘状の物体なのだ。 浅い角度で試料ステージを照らす表面照射光源の光は多数の細かい氷の粒みたいな物体なら、 乱反射で白い物体の様に写し出して呉れる。 しかし針状結晶が被写体の場合、 光源からの光は一部しかカメラのレンズに向かって反射しないために白い物体として写らない。 また背面にある色の付いた背景画像からの光も細い透明な丸棒である針状結晶を通過する際に均一には透過して来ない。 背景画像が2色であったとして、 試料の背後の色がレンズに素直に入って来る訳でも無い。 離れた位置の画像の色が屈折によってレンズには到達する場合があるのだ。 それで「鬼の持つ金棒」の様な写真となったりしているのだ。
だから、針状結晶の雪を自分のイメージに近い色合いで描写するためには背景画像や表面照射光源の設定を色々試して見ないと想うような写真が撮れそうも無いと感じました。
そのためには、 複数の細い電線を束ねる時に使用する透明な直径1mmほどの太さで”ものひら”と呼ぶ透明なプラスチック紐があるのだが、 その”ものひら線”を加熱して引っ張って伸ばし、 針状結晶の雪と同じ程度の太さにして、 切断した物を針状結晶のダミー試料として使用し、 撮影に工夫を凝らせば、 美しく感じる写真が撮れるのではないか・・・ と思案中。