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午前8時、スタートです。
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午前10時過ぎ 藤沢橋付近
山梨学院大が一位通過でした。
今年もこの日がやってきました。
いつからかTVで見ているだけでは物足りなくなり
初めて戸塚中継所近くに見に行ったのが数年前
自転車に乗るようになってからは毎年、初乗りを兼ねて
ここ、藤沢橋まで応援、見物に行くようになりました。
実際のところ、TVのように選手をずっと追いかけているわけではないので
そのスピードのために目の前をあっと言う間に通り過ぎてしまいますが
臨場感というか、待って待ってようやく先導車が見えたときの
わくわく感がたまらないのです
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過酷なレースゆえに毎年のように悲劇やハプニングがおきます
現に、今日も順大の5区、山登りのランナーが、ゴールまで
あと、数百mのところで痙攣とほとんど意識のない状態で
リタイアするという悲劇がおきました
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この日の為にどんな苦しい練習にも耐え、エントリーを勝ち取ったと言うのに
本人はもとより、監督、チームメイト、そしてご家族の気持ちを思うと
涙があふれました
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順大といえば、昨年まで”山の神”と言われた今井選手を擁して
最強の時代でした。
まったく勝利の女神は気ままで、一昨年は箱根駅伝が続く限り
一生忘れられない出来事に遭遇しました。
その日も藤沢橋でした。
今井君の活躍で往路優勝をした順大は、ダントツの余裕で山を下り
小田原--平塚とトップを快走
平塚でたすきを受けたのは1年から毎年エントリーされている
キャプテン”難波祐樹”(4年)
いつものように応援旗をもらって応援しようと沿道に向かったのですが
すごい人の数、なかなか前に出れずにいると、
すぐ横にいた上品なおばあちゃまが隙間を空けてくださり、
うまいこと一番前に出ることができたのです。
「うちの孫が出てます。一年のときからずっとここに来て応援しているんです。」
と、関西なまりでお話されました。
その方は間もなく走ってくる難波君のおばあちゃまで、なんと周りには
ご両親、親戚の方々、揃って京都からはるばる応援にこられたと言うことでした
間もなく、難波君はわれわれの目の前を颯爽と駆け抜けていきました
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「よかったですね。もう優勝はまちがいないですよ
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孫、息子の晴れ姿を見送り、これから大手町のゴール付近に
先回りして優勝を見届けるからという皆さんにご挨拶をして
帰ろうとしたそのとき、
一緒に行っていて、携帯ラジオを聴いていた夫が
「たいへんだ
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それを聞いた難波君のおばあちゃまの顔が一瞬に真っ白に
私はもうその場に居たたまれなくて、挨拶もそこそこに
帰ってきてしまったのですが、結果、何とかたすきはつなげたものの
優勝することはできませんでした。
そして一年たった去年の1月3日、大手町のゴール付近
現役選手に混じって、後輩の優勝を見届けた難波君がいました。
その顔は涙でぐしゃぐしゃ、人目もはばからず泣いている彼を見て
この一年の彼の苦しみがどれだけ大きなものだったかが伝わってきました。
それと同時にあの時偶然にも隣に居合わせたとはいえ、他人事とは
思えず、ご家族の顔が浮かび、ようやく安堵の日々が来たのでは
と、思ったとき、心から祝福の拍手を送りました
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今回のランナーもおそらくこの一年自分を責め、苦しみの日々を
送ることでしょう
長い人生のほんの一瞬のできごと、どうか一日も早く立ち直ってほしいと
願わずにはいられません
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難波先輩、助けてあげてくださいね。
彼の気持ちを一番わかってあげられるのはあなただけですから
明日の復路は、何事もなく終了することを願って
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「なんと言う偶然に出会ったのでしょう!」
「本当に素晴らしい出会いでしたね!!」
「そして、純粋に真剣勝負の世界。」
「精魂を掛けて(駈けて)の学生達、真に感動します。」
「ランナーとそれをサポートする多くの人達、
幾多の試練を乗り越えて、
これからの人生の糧にしてくれる事を願って止みません。」
「素晴らしい写真と感動をありがとう御座います。」
今回は往路でしたので、手前に車が止まってしまうという
私にとってはありえないことがあって
なかなかいい写真が撮れませんでした
いい写真をなんとか撮ろうとデジカメ画面ばかり見ていたので
選手を応援するどころではなく申し訳なかったと
思っている次第です
これからもできるだけ毎年、応援に行きたいと思います。
次はどんなことに出会うか楽しみですから