今回も挫けそうになった。それでもやりきる「ど根性」を発揮したとうぬぼれたい。
スピニングのOH。
個人的にもっとも苦手である。
なにしろ,まだ1回しかやっていない。
しかもその出来といったら,新品より当然よくない。
組み上げ方・グリス量・締め付けトルク・要点(プロが明かさない部分)が,当然素人だから,何もかもが手探りである。
それでも,僕は2台の16ストラディックCI4+を持っている。
一方は,プロにより「ソルト仕様」となったもの,そしてもう一方は前回僕が自己流でやったもの。
今回は,「ソルト仕様」を参考に自分のOHを向上させて,さらに「ソルト仕様」の巻感が少し重いのを改善することを目標とした。
ギアに硬いグリスを使わないようにすることが第一義。
前回の失敗は,ベイトリールで使用するグリスをギアに使用したこと。
これによりスピニングの小さいギアでは巻感が重くなり,はっきりいえば「使いたくない」レベルになってしまった。
でも,ここでプロに相談したら僕の負け。
情報皆無の状態だが,基本通り純正で仕上げることを第一とした。
これをネジ溝に使う。すると,ネジを舐めにくくなる。
自転車分解時代の記憶をそのまま生かしてみる。
自転車ではトルクが強烈にかかるクランクやB.BなどもOHしていたが,そのときによく使った方法が「ネジ溝にグリス」である。
こうすると,トルクの必要なネジはよりしっかりと,そうでないネジなら防水効果も得られるというものだ。
バラスのは怖くなくなった。15分で分解可能である。
最大の課題は,ローラーベアリングであろう。
前回はコマが落ちてきたし,今回も落ちてきた。
こちらがプロ仕様。どうやらグリスインされている。
つくづく比較すると(平行作業ではないが),自分の無知蒙昧さを知るばかりである。
それでも,今回は同じ機種で比較するから向上できるはずだ。
そこで,ローラークラッチは思い切って全部のネジを緩めた(マジで偶然うまくいっただけかと...)。
運良くバネはそのまま残ったので,コマをしっかり乗せてみる。
そして仮組みしてみると成功の予感。
当然このままでは防水性が期待できないので,ローラークラッチに純正グリスを軽く塗る。
ハケで一回り,とにかく塗りすぎないように心がけた。
メインギアなどもすべて純正スプレーグリスである。
はみ出したら綿棒で拭き取り,ベアリングには塗り込んでおく。
ここまでくればあとは完成が近い。
ローラークラッチを入れてコマが落ちたりしていないか,ローターを入れて回転させてみる。
これで成功なら,あとはひたすら組むだけ。
3時間で2台。ドラグやベールはいくらでもやったことがあるので今日はやらない。
出来上がった感想は,とにかく頑張ればできるというもの。
プロに頼めば間違いないのは知っているが,僕の釣り人生をもっと深くしたいのである。
なにしろ,しばしば水没させたりするので,これでいつでもどんとこいという感じである。
点数は,プロ仕様が100点だとすると80点。
「シマノらしい」と言われる絶品の巻感の再現はできなかったが,十分に巻感は軽くなった。
そして,構造を理解できたことが何より。
最後まで頑張れたのは,実はシマノの展開図のおかげ。
ダイワLTには展開図が入っていなかったが,いざとなればネットで探すこともできよう。
これで,ベイトのように「OH,任せてください」なんてことは言えないが,「一緒に頑張る」ことはできる。
以上,貴重な一歩を踏み出した,投票日の午後の記録であった。