いまでこそ「車中泊」は市民権を得ている。
軽バンを改造すればおよそ大人2名が快適に眠れるなんて,やはり21世紀である
僕が免許を取ったのは1988年。友人でマイカーを持っているのは,高卒ですぐに働いているとか,単に裕福だけとか,まあ限られていた。
車中泊を何度もしていたのは20代前半まで。その理由は「河口湖は夜しか釣れない」からだった(と思っていただけ)。
当時の河口湖は,漁業権が設定されていたが魚自体はスレッカラシ。ライトリグばかり投げている世界である。もっとも,ナイロン6LBでも「超ライトリグ」と言われたが。
その代わり,一晩で30匹釣ることも造作なかった。ただし,全部20cmサイズだ。
問題なのは,暗くなって人間の気配が消えてからでないとアタリがでないことだった。
だから,夕方から,もしくは真夜中に釣りに行った。24H営業のコンビニが少ない時代で,基本は買いだめしないと苦労したもの。
だいたい21時頃から釣り始まって,0時まではまあ釣れる。ところが,やはり眠くなってきて2時にはダウンする。
そこで,この写真の友人のTE70カローラSEで寝るのである。友人のクルマで中古だったが,僕にとってはそれでも羨ましかった。
そして,寝ようとすると「眠れねえよ」「平らじゃねえよ」「ペダルが邪魔だよ」と,いかに助手席をとるか,いつもジャンケンで決めていたっけ
でも,助手席でもFRの時代なので,フロアトンネルが大きくてこれがまた邪魔だった。
そのうち自分の家のクルマが使えるようになり,これは初代FFコロナである。しかも念願のATだ。
ペダルが少ない,足元広いで眠りやすかったが,ある日事件が起きた。
「体がえらくかゆいんだけど」。
調べると,ふたりともダニに刺されていた。とはいっても,前日に内装に掃除機をかけていたので,どうやら釣り場で拾ってしまったようである。
こんな思い出ばかりの車中泊だ。
車中泊が一気に終わったのは,いうまでもなく霞水系のおかげ。なにしろ,暗いうちは釣れない。ならばと朝マズメからの釣行。それでも真夏ならお昼まで8時間は釣りができる。
帰宅時は,2名いれば運転はかわりばんこできるので,これも辛くなかった。
僕は,北柏のミシマ釣具に行くのがいつも楽しみで,北柏から家までのルートを好んで運転していた(ちょうど経路として半分だったのだ)。なにしろ,何が安売りしているかわからないし,何を投げても釣れたので,スピナーベイトでもクランクベイトでもほぼ「BOX」買いしていたほどだ。
そんなわけで終わった車中泊。もうクルマを持っていないし,そもそもそこまでして釣りに行く気分にならない。
いまは,釣りが終わって帰路に立つ前,ビールで祝杯するのが楽しみかな。
さて,リハビリ続けよう。