田川市炭坑記念公園内にある 「 炭坑節之碑 」
歌詞のモデルになった 「 大煙突 」
石炭記念公園の入り口付近に建つ 「 炭坑節発祥の地 」 碑
6日の日曜日に、田川市の石炭記念公園広場で行われた 「 炭坑節まつり 」。
約1万人が総踊りで炭坑節を踊ったという。
そのくらい筑豊地区では地域に根づいた労働歌である。
月が出た出た 月が出た
伊田の炭坑の上に出た
あんまり煙突が高いので
さぞやお月さん煙たかろ
サノヨイヨイ
このよく知られた歌詞で始まる 「 炭坑節 」 の起源は、
炭坑の作業歌 ( 炭坑唄 ) の一つだった 『 選炭節 』 である。
炭坑唄には、「 採炭節 」 、 「 石刀 ( せっとう ) 唄 」 、
「 小炭坑 ( こやま ) 唄 」 、「 南蛮 ( なんば ) 唄 」 に、
最初に紹介した 「 選炭節 」 などがあり、
激しい労働を少しでも和らげようと、各炭鉱でさまざまな唄が歌われていた。
選炭は、掘り出された原炭から燃えないボタを取り除き、
使える石炭を選別する作業である。
明治40年 ( 1907年 ) ごろ、
それまでほとんど手作業で 「 場打ち選炭 」 と呼ばれていたものから、
ベルトコンベアを使った 「 機械選炭 」 に替わって行った。
「 炭坑節 」 は、この機会選炭の速くなったテンポに合わせた
『 選炭節 』 が元歌だという。
戦後、「炭坑節」の発祥は筑豊か?大牟田か?の ” ふるさと論争 ” があった。
しかし、歌詞の原型から田川地方で歌われた 『 選炭節 』 が起源だと、
明らかになった。
昭和の初めには、ラジオを通じて全国的に広まり、
一般にも歌われるようになった。
それが劇的なブームとなったのは、戦後の石炭景気で沸いた時期で、
そのとき大牟田がブームの震源地となり、
全国で盆踊り大会などで愛唱されるようになった。