






下地島の通り池は2つの池が自然の橋で結ばれた鍾乳洞で、
底の方は海と通じているので海水である。
池の直径は、小さい方は55mで、大きい方が77mと20mほど大きくなっている。
そんな通り池には色んな伝説が残っている。
◯ 「 正夢伝説 」
昔、下地島に住む男が漁に出てヨナタマという人魚を釣った。
物を言う珍しい魚だったので、 「 明日は隣近所を集めて鑑賞しよう 」 と、
炭火に干しておいた。
その夜、隣家の幼児が夜泣きして 「 いま伊良部島へ行こう 」 と叫んだ。
海の方から 「 ヨナタマ、どうして帰りが遅いのか? 」 という声がし、
ヨナタマが 「 炭火にであぶられている。
早くザン ( ジュゴン ) を寄こしてくれ 」 と答えると、
母子は恐ろしくなり伊良部島へ向かった。
翌日戻ってみると、すべてが津波に流され、
母子の家屋跡は陥没して池になっていた。
「 宮古島記事仕次 」 が書かれた1748年には村の形跡があるが、
そご後、村つくりは無かったという。
その後も1771年の明和大津波に襲われた。
◯ 「 継子 ( ままこ ) 伝説 」
昔、下地島に妻に先立たれ息子と暮らす漁師がいた。
やがて再婚し、三人は仲良く暮らし始めたが、
後妻に子どもが生まれると、継母 ( ままはは ) は前の妻の子を疎ましく思い、
ある日、継母は兄弟を通り池に連れて行き、
前妻の子である兄をツルツルした岩場に寝かせ、
自分の子の弟をゴツゴツした岩場に寝せた。
そしてその夜、継母はツルツルした岩場に寝ていた子を池に突き落とし、
残った子を背負って一目散に家へと向かうと、
途中で背負っていた子が 「 弟はどうしたの? 」 って尋ねた。
継母は驚いて背中の子を見ると、前妻の子をであった。
ゴツゴツしていた岩に寝ていた弟が寝れないというので、
優しい兄は、弟が眠れないのなら自分が寝ていたツルツルした場所と交代した。
そのことに気づかず間違って我が子を池に落とし込んだ継母は、
背中の兄を放り出すと、そのまま自分も池に飛び込んで命を絶ってしまった。