Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

あとから仄々思うもの

2022-03-18 | 歴史・時事
福島沖の地震の速報を見てから出かけた。短いコースを走ってきた。右足には違和感が残っていた。前回の走りは月曜日だったが、火曜日に普通の靴で少し動いた疲れが出たのだろうか。空はサハラ砂漠からの降砂で光が射さないので寒く感じる。もう少し続きそうである。それで気持ちも冴えないので頂上アタックを早々と断念する。その代わりに短めにその途中まで走っておいた。漸く左足でも蹴れるようになってきたがまだまだバランスが悪い。金曜日にどのような状態になっていることだろうか。帰宅の車中のラディオでは、東海、福島原発には異常がないことが伝えられた。地震の度のこの様な情報が流れれば、ドイツにおける原発の延長どころか、老朽化休止の延長なども到底考えられない。

パン屋でニンジンのケーキを購入した。枠に入っていて7ユーロ近くした。アーモンドも入っているようだが、何日ほど楽しめるだろうか。切るとボロボロする。復活祭のウサギの為の餌かどうかは知らない。

パン屋の本店前の道路が工事中で休店している。同じ町の新興住宅街にも支店があって、そこでも製造可能な様で、半日をこの期間時間延長してやっている。スーパーには近いので、寧ろ近いぐらいである。

ウクライナのクリミア半島の北西の右岸出身の女性に話を聞いた。母親がそこに住んでいるのだが、既にこちらに避難していている。爆撃は部分的だが不安でどうしようもないという。それでこちらから電話などで毎日知り合いに電話をとっているらしい。一先ず元気そうでよかったが、また事情が変わってくるのでこれからが大変だと思う。何が出来るか分からないがという話しをした。少なくとも思ったよりも元気そうでよかった。

2015年のノーベル文学賞受賞者スヴェトラーナ・アクセイヴィッチの二年前のシュトッツガルトでのインタヴューを聞くと、問題は民衆にもあることは分かる。70年間も収容所にいたような人々が自由になって街に繰り出してもなにも民主主義どころか右往左往するだけというのだ。同じような事象は、東ドイツでも同じような時にみられ今でも続いている。

少なくともロシアにおけるその信条は、2015年に指揮者のゲルギーエフが語った話しの中に全てが凝縮していた。エルツィン時代の混乱を救ってくれるプーティンが救世主であって、世界の中でのデフォルトの経済のロシアの地盤沈下と自信喪失から救ってくれたのだった。まさしくプーティンの語る地政学的な根っこである。

再びそこで自信を纏って将来への希望を見出すためには、スラヴの兄弟国を手下にしたソヴィエト版ロシア帝国再構築が重要なイメージとなった。そこには嘗ての栄光としてありもしなかったありもしなかった「青春自体はあとから仄々思うもの」があって、歴史修正本などが喜ばれて消費される由縁なのだ。指揮者ゲルギーエフのチャイコフスキー演奏実践はそのものであった。

大坂って、天下をとっていたのはいつの時代とか、そうした馬鹿々々しいネトウヨ談義が花咲くところに、致命的なカタストロフを呼び込む時間の間隙があって、必ずしもリセット可能とはならない物理が横たわる現実が存在する。



参照:
プーティン登場の音楽劇場 2022-03-17 | 音
芸術音楽が表現するもの 2022-03-07 | 文化一般
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公演曲目を確認する

2022-03-14 | 歴史・時事
復活祭が近づいてきた。バーデンバーデンでは、ペトレンコを中心に新制作「スペードの女王」の練習が行われている筈だ。本日もデンマーク四重奏団の演奏会もあるので出かけようかと思ったが少し億劫で止めた。

その代わりに準備をしておこう。どう総稽古から出かけないといけないので二週間以上は通う事になる。片道100KMを超えるのでそれなりに疲れる。

先ずは公演曲目を確認する。「スペードの女王」以外に、「イオランタ」全曲、更にストラヴィンスキーの三大バレー曲、「運命」と「ティルオイレンシュピーゲル」、「妖精の口づけ」、ヴァインベルクのトラムペット協奏曲、二曲未定、その他パユのグリンカのトリオ「悲愴」とリムスキーコルサコフの五重曲ロ長調に出かける。

これだけなら「スペードの女王」に時間を費やせるが、未知の変更になる二曲が手応えがあるものとなると結構大変だ。ネトレブコが欠場となって変更になる聖水曜日なのだが、後半に「火の鳥」で、前半に「死の鳥」と「ロメオ」か「リミニ」なんかで簡単に決まっていないのが不思議。「ヴォカリーゼ」も演奏の予定だったから、新しい曲を入れるつもりだろうか?ムソルグスキー作品辺りが入れば大喜びである。

ウクライナ政府外交官の態度があまりに不適当なので世界中で問題になっている。その東京在任ウクライナ全権大使は、ひょんなことで、ロシア軍の戦争犯罪に関して東欧の人が語る「赤軍が通ると草木一本無くなる」、「ナチは殺戮を繰り広げた」と書くと激しく反応していたようだが、訳が分からなかった。しかし赤軍はまさにウクライナ軍の事だったと自覚があったのかもしれない。

それどころかロシア文化に関する研究にまで口出しを始めたというから、まさしくネトウヨのプーティン大統領が語るウクライナのネオナチつまりネトウヨの修正主義者と分かった。

一方在ベルリンのウクライナ大使は、TV報道番組で語る前連邦共和国大統領ガウクが慎重姿勢を見せたので、それを罵った。勿論駐在する国の前国家元首を罵る全権大使などはどこにもいない。

要するにウクライナには外交官に適する人材すらいないのである。歴史修正主義の大使しかいないような国だから国の統制も出来ておらず駄目になるのだ。既にSNSでも炎上しており、「ドイツは国境を護り、ウクライナ大使らは国に戻り護ればよい」と正論が語られている。

連立与党FDPの議員もこのウクライナ大使を批判しており、先日もフォアプロムンの知事とも悶着を起こしていた。

私も「早く帰任しなさい、国があるうちに」と書き込んだ。程度の低い外交官の国とは交渉など不可能である。紛争のある国はEUには加盟できず、当然NATOも無理なので、傀儡政権樹立も時間の問題となっている。



参照:
ドイツ系移民モーツァルト 2022-03-11 | 文化一般
芸術音楽が表現するもの 2022-03-07 | 文化一般
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独裁者を裏切るとなると

2022-03-02 | 歴史・時事
ミュンヘンでのプーティンのご友人指揮者ヴァレリー・ゲルギーエフへの処置が決まった。我々最初から反対していた者には今更感がある。それは最早プーティン大統領がキエフに戦略核を投下してという事態に再度繰り返しておきたい。抗議するときは徹底的にやっておくべきだったということであり、芽の内に摘んでおかないと取り返しがつかないということだ。森の中を小一時間歩きながら考えていた。

キエフで核弾頭が破裂すればNATOはモスクワに報復するしかない。要するに今日明日にでも世界の大都市が核の雲の中に納まる。それを避けるには権力者に交戦力を持たさないことに限る。それ以外には方法がない。

ありとあらゆるポピュリストは権力を掌握すると同じような独裁者になる。ポピュリズムにはより一層注意しなければいけないのはそれゆえである。

文化政治的に今回のゲルギーエフ排除の流れを扱っているのはフランクフルターアルゲマイネ紙である。最初にSNSが騒ぎ出したとして、先ずはカーネギーホールのキャンセルで成果が出た。私も少なくとも少しは力になれたかと思う。なぜならばそもそもの問題点を認識していたからである。

罪状が挙げられていて、ゲルギーエフの故郷の分離独立運土において、そしてクリム半島軍事侵攻への賛意署名、そしてシリアでの凱旋演奏会、ホモ禁止法案への賛意など、そしてロシア国内で政治的な自由の代わりに得た権力と富。しかし元々はクレムリンの文化審議者に招聘されたことで、もしそれを断っていたならば大変厳しい状況に追い込まれていただろうとしている。その後はペテルスブルクの劇場のヴラディオストックでの子劇場の建設や各地の音楽祭、後進の為の教育機関など公私共々に大きな権力と儲けとなったとある。

比較例として1949年3月にニューヨークでショスタコーヴィッチがノヴォコフにスターリンによるストラヴィンスキーの演奏禁止の責任を問われた時、スターリンを支持する以外にはその場で亡命するしかなかっただろうと書かれる。つまり、その後の信憑性に議論のあるヴォロコフによる「証言」が出て、多くの違う主張などが聴かれたが、同時に事実と虚像は異なるとして、また「マクベス夫人」におけるウクライナの餓死による虐殺をも擁護したにも拘らずの上演禁止などのその作曲家の楽天性へも疑問が投げかけられる。

それらの意味からは、同様にプーティンのお友達のソプラノ歌手アナ・ネトレブコは、50歳の誕生日をクレムリンで祝ったなど派手な宣伝としては使われているが、殆ど無料で奉仕しているだけで殆ど権力と無縁としている。

そこでバーデンバーデンの祝祭劇場も、ゲルギーエフとの26年間の協調関係を停止しても、復活祭出演のネトレブコには改めて返答の機会を与えた。そしてロシアの有名人がとても危険な状況にあることを考慮して、様々な可能性をオプションとして残しておくとした。当然のことながらゲルギーエフがプーティンに殺されても全くおかしくないという事でもある。

同時に一様に誰にも容疑をかけることはなく、東西欧州文化への紹介への全ての出演者には劇場が責任を持つとしている。要するに要らぬ発言をしないように誓約書をとるという事だろう。



参照:
Der Lärm unserer Zeit, Jan Brachmann, FAZ vom 26.2.2022
ソヴィエトからの流れ 2022-02-28 | 音
心拍52でノンレム睡眠落ち 2021-03-16 | 生活
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陰性証明書の出番なし

2021-09-03 | 歴史・時事
この日曜日から日本からはドイツ入国に制限が付けられる。ロベルトコッホ研究所が日本をハイリスク地域にリストアップしたからである。

ここではスイスがリスト入りしないかとこの二週間程準備万端整えて来たのでお分かりかと思う。しかし違いは幾つかあって、EU内ハイリスク地域からの帰宅は接種証明書が無くても五日間の自己隔離とその明けの検査で観光旅行も出来たのだ。勿論殆ど嫌がらせのような買い物も行けない隔離である。しかしEU外からの帰宅は接種証明が無くても可能だが、危険地域からのドイツへの観光旅行は不可となっている。接種証明保持者だけが観光旅行を許される。この場合接種証明と同じように快復証明は半年間は有効になる。

今後日本が何時リストから外されるかは分からない。二週間毎に検討されるようだが、今回の漸くの指定では新感染者指数に注目されたとは思われない。勿論オリムピック忖度という話もあるのだが、今迄のコッホ研究所の分析からすれば、日本の医療崩壊が効いていると思う。新感染者数ではドイツが後を追って上昇しており、場合によっては日本を抜くこともあり得るからだ。ドイツ同様の水準のところはリストアップ化しないということでスイスは免除され続けている。実際にはスイスは日本と同じほど危ない。しかし医療崩壊はしていない。

そこからすると極短期では外されることはないと思う。四週間としても10月初めまでである。なるほど日本へ飛ぶには証明書の如何に係らずその前にPCR検査をしないといけないというので通常の滞在で感染の危険があるとすれば観光で飛べる勇気のある人は少ないだろう。状況は七月と八月の末では大分の差がある。接種していても感染の可能性が高まって来ている。二月程先にはどうなる事やら。

ルツェルン行の記録をメモしておく。貴重だと思う。先ず往路は結局フランス経由とした。理由はカールツルーヘの渋滞で時間を掛けるならば渋滞情報の無いアルザス入りは同じ時間を掛けても意味があると思ったからだ。取れ取れの陰性証明書が有れば少なくとも接種証明と同じ力を持つ。そしてプファルツとの国境は全く平常通りで検問なしだった。ドイツ番号の車量も平常に近い。バーデンヴュルテムベルクへのライン越え入り口も全く検問なしだった。フランスの一部は日本と同じハイリスク地域になっている。だからいつでも検問をする理由はある。

時間があったので10時の二十分ほど前に早めに検査を受けて、途上スイスのヴィニェッテを購入、宿に着いたのは14時半頃だった。身繕いをして、早めにスイスへと向かう。いつものラインフェルデンの国境も一切検問なしで珍しかった。どうもコロナでその他の人が少ないということらしくあきあきになっていた。

国境を越えたところでヴィニェッテを貼り忘れていたのに気がついて、道路脇に停めて急いで交換する。チューリッヒ方面に向かうが、ナヴィの調整が間違っていて、どうしてもフェリーに乗せようとするので煩わしかったが、敢えてアーラウ経由で走り、殆ど渋滞もなくパーキングで休みながら17時過ぎに駅ガレージのP2に入車。音楽会場KKL用に予約も必要なのだが早めで誘導されて問題なく入れた。ギリギリの入車をするなら予約が必要だろう。それ以前にあの誘導路に入るのはUターン禁止をものともせずに入らないといけないのが不愉快である。バスラインがあるとしてのなぜああいう風にしてあるのかは未だに不明。そもそも駅前に誘導する経路も態と遠回りにしてある。要するに余所者を捌いて過密させたくないという主旨なのだろう。流石に通うと分かるようになった。

復路も21時過ぎに出車して、11フランケン、ミュンヘンの半額以下である。帰りは最短距離のオルテン経由バーゼル方面で走る。注目の国境も無人だった。平常ではない開放である。アパートに着いたのが、22時半前だった。結局初日は陰性証明の価値無し。(続く



参照:
悪化するスイスの状況 2021-08-24 | 歴史・時事
接種予約を取ってみる 2021-08-12 | 歴史・時事
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悪化するスイスの状況

2021-08-24 | 歴史・時事
相変わらずスイス状況を観ている。比較的悪くはないカントーンルツェルンに限っても先週よりも四割間の感染拡大が起こっている。既に指数は265で東京の234を超えた。少しだけ期待が出来るのは実行再生産数が下降期にあって1.37。

コッホ研究所が新たなリストアップするとすればこの数字が重要になるだろう。スイス全土が危ないのは、ICUが四分の三塞がって仕舞っていることで、これは旅行時に感染して事故が起きても救急にさえ問題が出てくるということだ。フランスも危ないところに来ていて、どこも昨晩夏よりも速い展開となっている。

個人的な関心は、結果が出た時にどのように対応するかにまだ釈然としないところがあるからだ。最悪の条件は8月29日を以ってスイスがハイリスク地域指定されることだが、フランス全域が先ずなる筈で、その場合はパリが含まれる。要するにベルリナーフィルハーモニカーのパリ公演に影響が出る。同時にスイスがルツェルンを含んで全域指定された時が最悪だろう。

8月20日の最新の情報では、22日からクレタ島が有効になっている。いつものように9月5日(日)を以ってならば、国境での申告が必要ない筈だ。若しくはルツェルンが入らなければ他所の地区はトランジットとなって問題はない。

再度ドイツ連邦共和国のオフィシャルの現行規定に目を通した。所謂ヴァケーション旅行者を牽制した9月中までの時限立法である。基本は全ての人は帰国時には陰性証明書を出さないといけないというものだ。そこからどんどんと例外が挙げられていく。

陰性証明を持っていなくても接種証明等で事足りるというのが正しくて、それでも駄目なのは変異株多発地域からの帰国時となっている。とても重要で見落としていたのは、抗原検査も48時間有効という項目で、これは二日間しか国境を越えない者にとっては、つまり国境線の住人が日帰りで出入りするのと同じような条件になる。即ち現在は宿泊にも陰性証明が必要な状況となっているので。それで用が足りる。

問題はハイリスク指定になった時に、国境出国時に登録が必要となって、帰宅後の接種証明など若しくは五日目以降の陰性検査で十日間の自己隔離から早めに解放されるというものだ。カレンダーでは9月8日以降の陰性証明で隔離から解放されるというもので、10日に二回目接種予定に成っているので、万が一陽性となると面倒である。快復証明を貰う方が早くなるのかどうか。先の計画が立て難くなる。

日曜日にワイン地所を通った時に所謂ドライウォールが崩れていた。崩されていたようにも見えたが散らかりようがよく分からなかった。階段を作る可能性もあるが、急に何をという印象で、それ以前に崩れかかって来ていたような記憶もない。

少なくとも再び壁を組むために地所の方も削ってあるので、若干不安定な状況だ。それもこれから摘み取りをしようという時だから余計に不可解である。まあ、大したワイン農家の地所ではない。



参照:
フランスに入国そして帰国 2021-08-22 | 歴史・時事
国境沿いの宿を新たに取る 2021-08-15 | 生活 

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フランスに入国そして帰国

2021-08-22 | 歴史・時事
バーデンバーデンからの帰りはフランスを通った。手元に陰性証明書もあることに気がついた。止められても証明書もアリバイもある。ラインのダムの橋を渡る前に青ラムプ回転車両が中央に停車していたので何かと思ったが、理由は分からなかった。出国の検問はする必要が無いが注意書き等も気が付かなかった。

いつも通り走って、お買い物をしていたスーパーの光をやり過ごして、戻ってくると国境にシカネーンが丁寧に作ってあって、時速20㎞ほどに落とさなければ通れないようになっていた。更にその後にも停止させるスペースが作ってあった。

矢張り本気で検問しているのが確認できた。確かに我々が南フランスの危険地帯から戻って来たり、ミュールハウゼンの欧州空港へと危ない地域から戻って来て通るところだ。それらを一網打尽にしない事には水際作戦が無効になる。当然かもしれない。

個人的にはスイスから戻ってくるときに昼間にはそこを通るべきではないことが分かった。停止を命じられるだけで時間がより掛かる。但し帰りはカールツルーヘで工事渋滞の可能性があるのでそれも考慮しておかないと駄目だ。同時にスイス国境でも同じような検問をしているであろうことと、フランスよりは若干緩いことも想像できた。

ルツェルン行きの戦略としては、初日には宿に泊まるための有効な陰性証明を持っているので、その時の帰国時の国境の様子で、翌日も陰性証明を持っている方が有利なるのかどうかを試してみればいいと思う。24時間以内スイス入国は免除されるにしても、証明書一枚で済むならばそちらの方が無駄な時間が発生しないかも知れない。

バーデンバーデンでの抗原検査は前回とは異なって綿棒で鼻腔内を強く擦られた。それでもそれ程心配は要らなかったのは矢張り塩水通しなどのノウハウが出来上っているからだろうか。そもそも感染する機会は接種センターでの感染ぐらいで、陽性だったらとことん文句を言わなければと思う。

なによりも嬉しいのはバーデンバーデンの駐車料金が4ユーロと安くなったことで、プログラムも作っておらず、一枚のカラーコピーだけだったので、金要らず。コーヒーとエスプレッソにお菓子までついてで、ミュンヘンなどと比較すると格安。予定していたような休憩無しのぶっ続けでは無くて、20時から22時過ぎまでの公演だった。

マスクを手っ取り早く取れるのがお茶を飲んだりする時となるといそいそとバルコンに出て飲みたいのだ。室内にも場所はあったが誰もいなかった。やはり新鮮な空気が一番。酸素を十分に取っておかないと眠くなる。

そう言えば、場内アナウンスの二つ目が綺麗な使い慣れているフランス語になっていて、そのあと英語が続いていた。徐々に態勢が変わって来ているのを感じる。因みに並びにはフランスからの夫婦がいて、慣れないドイツ語で話しかけられた。

そしてこれからという時に席替えで動いて呉れとあったが、廊下に出ると、技術的問題は無くなったと、恐らく空調が動かなくなったのではないか。その後また空気の流れがそれ以前よりも強く感じられた。

もう一つ気が付いたのは駐車場の出口のところの大きな催し物案内に今年の春の復活祭の大きな宣伝写真が入っていた。キリル・ペトレンコの写真だった。幻の写真で、そのプログラムも出ていない。写そうかなと思ったが、11月に曲りなりにも再演にならない限り心苦しい思いが先に立つ。

抗原検査を受けるのも地元であと一回と、精々宿泊先でもう一回あるかどうか。もうそれで終わりだ。こんなアリバイ作りのようなものはもううんざりである。



参照:
イザ「フーガの技法」 2021-08-21 | 音
金を取れるということは 2021-07-06 | 女
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接種予約を取ってみる

2021-08-12 | 歴史・時事
試しに最寄りの接種センターで予約を取ってみた。すると電話が掛かって来て、今日でもいいからという。それはということで13日の金曜日に入れた。現在はビオンテチしか扱っていないというので二本ともそうなるということだった。地元の企業でありドイツ向きの配給も直接マインツからコントロールしているのでそれはそれで悪くはないだろう。

一本目はアストラゼネカでもよいかと思ったが、在庫は既に海外に流しているのかもしれない。更に今頃は年寄りはあまり打たないので問題の無い二本で揃えている方が効率がいい。モデルナの効きは良さそうだがやはり副反応が強そうなので、特別他所まで出かけて打つ必要はない。州内では既にジョンソン社のも打っているようなので、期日が迫っていて待てない場合はとも考えた。

なによりも打っても良いかと思わせたのは、二本目の期日が四週間後で、丁度時間が空きそうな週で、証明書が有効となるその二週間後を計算すると9月25日からテスト無要となる。その一週間後でもよかったかもしれないが、ぎりぎりになりそうなので、二回目を遅らせずにそれでいいとも思った。四週間の間隔が空いていればそれ程無理にならずにまあじっくり効果が出ると思う。

そうなると来週のトリフォノフリサイタル前のテストが最終になるだろうか。既に近所で予約してあったのだが、祝祭劇場前のそれも開いているようで、最終18時55分前に予約を入れておいた。やはりそこでやると一時間以上前に駐車場に入れられて、其の侭劇場に入れるので便利である。

やはりテストの面倒がその料金以上に悩ましい。10月11日までは今の体制は続くとしても、その後は明らかに不便になる。そもそも抗原検査自体に感染予防の意味は殆ど無い。社会心理的なものだろう。その意味からは行動量の多い人が接種証明を持って動き回るのは悪影響でしかない。テストをPCR検査にするというのなら価値がある。

今回の政府方針で最も興味を持ったのは、現行の新陽性者指数で35までの地域ならば、これらの所謂3G規制が運用されないのと並んで、病院のベットの切迫度でこれに当たらないとしているところだった。勿論秋にかけては更なる上昇が予想されていて、下降傾向になってからのことである。

そこで気が付いたのは、月末ドイツ側に宿泊するとしても陰性テストが必要になることだ。現在はその地域は指数21なので、月末までは35以下であるかもしれないが、適当な時刻にその街で予約を入れておこうと思う。それで日帰りで帰って来ても先ずは証明書もある。二泊三日だからそれで済む筈だ。要するにドイツ内に宿泊していても検査をしているから日帰りしてもそれで通るとしても網は張ってあることになる。

用心にもう一度調べてみた。スイス側の説明でしか見つからなかったのだが、ドイツ政府の説明が見つかった。殆ど隠してあった。つまり、国境線に住む人の往来に付け足しで日帰り旅行について書いてある。つまり国境両方向から出入りできるというものだ。昨年もネットでも話題となっていたのだが国境領域は住んでいないとその運用がよく分からないことがあって、今春でも往復した人の報告で初めてわかることがあった。

本来はスイス国境はオーストリア国境などと比較すれば複雑なのだが、ドイツ側が検査するということで二重に複雑になっている。昨夏バイエルン政府がザルツブルクに行く者はスポーティーでなければ危ないと語ったが、今年は遥かにトリッキーで、とても細かな規定がある。

結論として、宿に泊まる時にテストが必要かどうかは現時点では分からないが、そこから三日間ルツェルンへと遠足に出かける。それには証明書は要らない。しかし近道であるフランスを通ろうとすると、トランジットであることを証明しなければいけない。少なくとも往路には危なくて使えない。


写真:オーストリアへのフッセンの国境トンネル前



参照:
ビアーガルテンの規則 2021-08-09 | 料理
月末から月初めへの目算 2021-08-04 | 生活
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ユダヤの旋律「コルニドル」

2021-07-20 | 歴史・時事
(承前)金曜日の予定が殆ど定まりつつある。劇場でテストを受けれるようにその時刻前にホテルにチェクインするだけだ。切符を買う人とは劇場前で会うことにした。そこで先ずは当夜のプログラムをもう一度振り返る。気になっていた「コシファンテュッテ」のフィオルデリージが歌う「岩の様に」をお勉強する。演奏されるのは分厚い管弦楽のヘルマン・レヴィ編曲版であるが、2日に聴いた印象では、響き以上にその歌手の特徴と共にドラマティックな面が強調されていたので、編曲の意図を知りたいと思った。日本で「魔笛」第一の侍女を歌っている人だがとても強くドラマティックに歌っていたのである。

成程ベーム指揮のシュヴァルツコップなどもとても強く歌っていて、若い時のヤノヴィッツも言葉の明瞭性などで結構奮闘している。前者などはそこまでしなくてものダイナミックスやアクセントがあるがベーム指揮がとても拘りの演奏だから従っているのだろう。カラヤン指揮はやはりその点本当にソフトであって自然な音楽的な間合いを取っている。歌手からすればカラヤンの方がやはりいい指揮者だったと思う。昨年のザルツブルクでのヴィデオでのトライシークの歌も聴き直したが精一杯の歌声を出していることが分かり、又付けているマルヴィッツの指揮もスタイルが違って、改めて悪くはないことを確認した。

苦手な楽曲というのは殆ど無いのだが、その指折りの中に入っていたのが、ブルッフ作曲の「コルニドライ」である。ロマンティックでありユダヤの旋律というだけで重苦しい。2日に初めて実演で聴いたが、ソロストの力量もあってか、やはり掴みどころが少なかった。比較にマイスキーのソロでイェルヴィ指揮HR交響楽団の演奏で聴くと流石に上手い。
Bruch: Kol Nidrei ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Mischa Maisky ∙ Paavo Järvi


その旋律も馴染んだので、この作曲を批判的に扱ったシェーンベルクの小さなオラトリオを聴いてみた。成程こちらの方が面白い。バーンスタインなどは特別にユダヤ的なアクセントをつけて指揮していてあまり参考にならない。

その贖罪自体が契約不履行を促すとして、アンティセミティズムの攻撃対象になっているということだ。何故ここにこの曲が演奏されるかは明白で、ペトレンコにとっては来年のベルリンでのユダヤ人プログラムを先行する形になっている。

メンデルスゾーンのルイブラス序曲も余り演奏されない曲で録音も少ない。ネットではアバド指揮のロンドンでの録音が出て来たが、大分いい加減な演奏で、使い物にならないことが分かった。もう少し調べてみるとメータ指揮ミュンヒナーフィルハーモニカーのものがあった。流石に立派な音楽を奏でている。

あとはアカデミーの楽団で演奏される「ジークフリート牧歌」である。この曲も昔一度お勉強したことがある。初演地のルツェルンでの演奏会の為だったろうか。先日演奏を聴いていてもう一つ分からないところがあったので確かめてみなければいけない。そのアカデミー楽団が金曜日の演奏会でヘルマン・レヴィ楽団と名前を変更する様だ。(続く)



参照:
さしかかる転換点 2021-07-13 | 文化一般
ロストジェネレーション 2021-06-15 | 文化一般
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「社会を動かし乍」の嘘

2021-06-06 | 歴史・時事
月曜日には幾つかの入場券の発売がある。時間を作って挑む。日曜日の予定だったバイロイト音楽祭の一般発売が延期になったので、こちらに集中すると共に、組み合わせの順番が変わった。元々、入券の可否に関係なくミュンヘン郊外に部屋を取ってあるので、そこからバイロイトとザルツブルクへと動く計画を立てていた。

先ずミュンヘンのフェストの入券が容易でないことは分かっていたが、こちらは明るい兆しが見えて来て期待が少しづつ広がっている。それに対して発売日延期だけでなく最も不透明なのがバイロイトで、その空調の無い場所柄、検査と入券の二重苦で、期待薄になってきた。少なくともミュンヘンの宿から出かけて組み合わせるのは難しくなった。

しかし本来ならば最も先にサクサクと決まって乗り遅れた筈のザルツブルク音楽祭が予定通り満席入場許可が出たことから、ざっと残り半数の席が一挙にオンラインで購入可能となった。私の知る限り初めてのことで、特に新制作オペラなどは中々売れ残らないのが普通だ。「ドンジョヴァンニ」初日も買えるだろうが、歌手陣を逐一調べてもブレークアウトするような逸材はおらずこちらから出かける程の価値もなく、ミュンヘンからも少し都合が悪い。

昨年と今年で二分されてしまったからだろうか、百周年にしては可成りプログラムの程度が落ちている。ノーノの「イントレランツ」にしても指揮者がメッツマッハーではあまり期待できない。昨年の方が価値があった。

EU各国は来週から海外の観光客を受け入れる。愈々観光シーズンであるが、バイエルン州などではまだ宿泊前テストの必要性などの制限が活きているようである。これも政治家が何かをやっているかのように規制を左右する権力を見せつける典型的なポピュリズムの政治の表れでしかない。

そもそも検査が感染を防ぐ効果は特定の学校や職場等での限られた場合でそれ以外の全員調査が効果を上げた試しがない。ここに来て英国が今迄は大変な高額を請求していた検査を無料にするとあったが、まさしく最早ジョンソン政権がお手上げで無策を隠すための方策でしかないだろう。社会を動かしながら感染拡大を抑える方法は存在しない。

逸早く安くと積極的にアストラゼネカワクチンの接種を進めた英国が土曜日現在再び新感染増加を明らかにして、新陽性者指数も43とゆっくりと上昇線を描いている。一時は一桁で、ドイツなどは100に近かった。そして今日ドイツの指数は26と大逆転した。そして今後クラスタ―などは局地的に出ても金輪際ロックアウトとなることは無いとされている。その差はビオンテクのワクチンとアストラゼネカの変異株への効果の程の差と考えられる。因みにイスラエルはビオンテクで現在の新陽性者指数は1である。



参照:
ザルツブルクの勘違い 2020-08-10 | 文化一般
相似となっている風景 2021-04-12 | 雑感
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弱者保護への自己犠牲

2021-06-01 | 歴史・時事
CDが届いた。先日マーラー作曲七番交響曲が16,99ユーロだったので、送料無料20ユーロにする為に選んだCDだ。生憎2,99ユーロの三枚組だったが、2セント欠けても無料になった。

安売りの中でのヒットチャート上位になっていて、高評価を得ている。そもそもコルネットの曲を集めた珍しいバロック集で、演奏団体のサイトを観てもそれ程上手そうではなくても結構真面目そうな面々の写真が活動を如実に表していた。

お試しを聴いてもまともで、それどころか録音モニターにも使えるとあって二度お得と、まるで私に向けた様な書くガメツイ奴がいる。私などは余白で購入するので更にガメツイ。故長岡鉄男の喜びそうな音源でそれ程複雑な録音もポストプロダクションも無縁そうである。ハイデルベルクのノート1が英国の演奏者からライセンスを買って製作している。嘗てBASFレーベルに居た人がやっている配給会社である。

月曜日は幾つかの会場などの前売りがなされた。関心があったのはミュンヘンのオペラ、ベルリンのフィルハーモニー、チュッリッヒのトーンハレである。真ん中のは出かける可能性は無かったのだが半数の千人を入れることでどの程度出るかも興味があった。結論からすると、一部では強く抵抗感があるのが分かった。勿論価値のあるようなものは売れているが、ただお愉しみでというエンタメ需要は落ちていると感じる。

ミュンヘンなどはテスト義務も無くなったが、そうしたものは抑制効果として働いている。スピード違反の罰金のようなものなのである。そもそもコロナはただの風邪で健常者にとってはインフルエンザよりも症状が軽い。つまり、マスクをして感染を防ぐとかテストの義務とかは弱者への意識も弱い者に対しての義務でしかない。

しかし、こうした需要の落ち込みは、まだまだ意識の高い者にとっては、人流を減らす為にも控えたいという気持ちが働くのであろう。言って仕舞えば、接種などは健康な人々にはただの害悪でしかない。ただただ弱者を保護する為に自らを犠牲にして集団免疫の壁になる行為でしかないのである。約半数の市民が、働くための犠牲になる行為なのである。

ミュンヘンの宮廷歌手でスペイン出身のアニャ・ハルテロスが意を得たことを語っている。自分自身は「人に感染させない為にはマスクなどをしない、寧ろ自分を守るためにマスクをする人間だ」と。勿論感染拡大を防止しなければ自身も感染することぐらいは自明だが、あらゆる法規制は弱者に対する配慮の無い市民に向けられたものなのである。

これらから、あらゆるコロナ感染予防への規制は基本的な人権に抵触して、出来る限り短期にそして必要最小限に行わなければいけない。接種や陰性証明書などの意味を極力抑制することが肝要である。無駄な自己犠牲を強いてはいけない。



参照:
国境いの向こう側へ 2021-05-19 | アウトドーア・環境
昨夏と比較してみる 2021-05-31 | 暦 2021-04-24 | テクニック
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合意形成の行政機構の確認

2021-03-26 | 歴史・時事
ドイツは指数関数的感染拡大を目前としている。火曜日未明にメルケル首相が求めた五日間連続のシャットダウンは、準備不足で否定された。よって各州が何かをしなければいけなくなった。そもそも五日間ぐらいでは足りなくて二週間程期間を取らなければ最後のロックダウンとはならない。オーストリアは結局六日間で中途半端なことを相変わらず繰り返す。

ラインラントプファルツ州のトライヤー知事は、夜中までやっての決断は自分の仕事の仕方ではないと月曜日の会議を批判した。

一方で、木曜日、金曜日を少なくとも街中は休みとするとヘッセン州知事は言及して、月曜日から緩和のものを撤回するとした。また州全土での夜間外出禁止は出さないとして地域だけとした。

ベルリンは、引き続き緩和を進めるとしたが、指数が125.3になって浮足立ってきている。月曜日からの引き締めが取りざたされるようになった。

また、CDUと緑の党では地方自治から連邦制を超えてEUまでの決定における合意形成の在り方をお互いに確認した。これが今回の「事件」の本当の主題で、行政が共同体からの意見をどのようにボトムアップして最終決断がトップダウンで下るかの民主的な行政システムが試されているという事だ。

昨年のメルケル首相の談話も日本などでは表向きの市民への訴えかけのみが大きく取り扱われたようだが、本当に重要な発言は「(非常事態でも)時間が掛かるかもしれないが、連邦制の中での決定機構の民主主義的なありかたを示した」であった。メディアがそのように扱っていないところは所謂大衆ジャーナリズムでしかないという事だ。日本にはまともなジャ-ナリズムが存在しないのだろう。

先日来の中継の中で、音楽的に気になっているものは、ヤルヴィが指揮したプロコフィエフ交響曲六番がある。見事な演奏だったが、詳しくは聴いていない。ベルリンのフィルハーモニカーの演奏では小澤指揮の全集を持っているが、その辺りとも比較してみないといけないと思う。

日本からのネット配信を観ていると、尾身会長が会見中に咳をしていて口元に掌を当てていた。そのような像が至る所で観られる。マスクをするのは日常茶飯になっていた日本では咳の仕方の指導が無かったのだろうと思う。ドイツでも連休明けに学校でコロナ規則の指導とかの話しがあるが、咳の仕方に関して一年以上に亘ってキャムペーンがなされた。なるほど間接的な感染の証明はあまりされていないというが、握手をしないでも流石に唾をそこいらに付けてというのは矢張り留意すべき規則ではなかろうか。



参照:
大戦以来のドイツの危機 2020-03-19 | 歴史・時事
メルケルの啓蒙的演説 2020-12-13 | マスメディア批評


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殆ど移民の為に酸素吸入

2021-03-08 | 歴史・時事
コロナ禍は終息に向かいつつある。そのような時に出てきたロベルト・コッホ研究所ヴィ―ラー所長の発言は注目される。

「方々の病院医師が、人工呼吸器をつけている九割は移民の患者で、多くはコミュニケーションに困っている、そしてそれはタブー化している。」というもので大衆紙ビルドに掲載されたものだ。そのように語ったことは間違いないようで、根も葉もない事ではないのだろう。

その見出しを見た者は、誰でももうそれなら規制などに協力する気持ちが失せると思うに違いない。なにも移民の人の命を軽く扱うという事では無くて、更にイスラム信仰とモスクでの礼拝などが係っているとすれば、それ以外の人々が幾ら努力しても死者を減らすことは難しいと考える。

コッホ研究所の見解としては、然したる数字のある事での発言では無くて、幾つかの大都市の病院では過半数がそのような人で溢れているという事は事実としている。

そしてそれは先日流れていたようにネアンデルタール人のDNAの受け継いでいるかどうかで南アジアの人種には危険なコロナとかあったが、その地域の死亡率は決して高くない。ターゲットとされるトルコなどはドイツの三分の一である。

要するに人種的な問題ではなさそうで、社会層の問題だというのは、合衆国における死亡率などでも表れているように、ホームオフィースも儘ならない人には感染の危険が高いのは当然である。しかし人工呼吸器をつけて死亡する様な年齢で働き続けている人は流石にそれほど多くはない筈で、その見解も辻褄が合わない。あり得るとすればやはりモスクに集う人たちなのだが、それに対してはモスク協会長が強く反発していて、モスクに集う人々は世界的に模範的に衛生が保たれているとしている。

ヴィ―ラー所長は、問題を解決する為に政治家に働きかけたが、微妙な問題として誰も動かないという事が言いたかったようだ。同時にそうした発言がどのような社会的な渦を巻き起こすかも知っている筈だ。

するとなぜこの時期に敢えて発言したかが様々に憶測を呼ぶことになっている。やはり社会的な緩和施策と相応しているとしか考えられない。毎日死亡者が300人も出るような時点で、それを無視するような施策は取れないが、欧州の他国の様に国民がそれを受け入れられるかどうかによる。同時に社会的なコロナ耐性の格差があることを認知させることはとても重要だったも思われる。それは死亡者数が減少することで解消されるものでは無いだろう。

(承前)土曜日のミュンヘンからの中継の第二部が断然良かった。出演は、次期監督に決まってから最初の登場のサイモン・ラトル指揮BR交響楽団にその合唱団が加わり、場所をガスタイクからもう一つのホームグラウンドヘラクレスザールに移して行われた。最初にコロナ条件によってプログラム変更のパーセルの合唱曲を持ってきて、それもメアリ女王の為の葬送曲と後半にハースの成功作「無駄に」を組み合わせるとても気の利いたプログラムだった。

先ずはなによりも活躍の無い合唱団をしっかりと使う事だけでも素晴らしく、又その歌を活かしつつ自分自身の得意の領域で指揮するというものだ。ハースは今最も多くの曲で成功している作曲家で、そのアイデアだけでなく音楽作品としての支持も強い。今回の曲は演奏途中に暗闇で続けられるというもので、前半の曲と合わせて今日の時点でのプログラミングとしてもお見事だった。こうしたところはサイモン・ラトルの右に出る者はいないであろう。曲と演奏に関しては何度か堪能してから改めて触れたいと思うが、BRも一晩に場所を移動して生中継するという予算を掛けただけのことはある。こうした企画を実施できるのは正しくBRのような大きな組織のある放送交響楽団で、サイモン・ラトルがやりたくてもベルリナーフィルハーモニカ―などの保守的な私立楽団では到底できなかったことなのだ。(続く



参照:
録画録音した中継もの 2017-08-31 | 音
暗黒に射す一条の光が 2020-12-23 | 暦
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指数50から100の狭間

2021-03-04 | 歴史・時事
スポーツ時計を買う事にした。健康維持などを考えると決して高いものでは無いと思うようになった。殆ど壊れた時計は2015年5月に13000円で購入した。今度は210ユーロほどで倍の価格になりそうだ。前回はGPSのついた時計は初めてであって、どれほど使いこなせるか分からなかった。しかし今回は事情は分かっている。丸五年しか完動しなかったが、年2600円、月300円、月12回以上使っているので、一回当たり25円つまり20セントほどでパン一個もしない。許容できる価格だ。実際には電池を中共から取り寄せたりで10ユーロほど嵩んでいる。

恐らく今回の商品はそれよりは長く使えるのではないかと思う。一回当たりの額もほぼ分かり、更に機能が益しているので、本格的に山などでも使える。気温計と気圧計もついていて、高性能GPSと組み合わせると本格的な使用方法が可能となる。印象からすると五年前にはそこまで機能拡大すると額が全く異なっていたと思う。

壊れた時計は胸バンドで心拍計になっていたのだが、今回は腕のアンチョコの計測しかできない。しかし、毎回同じコースを使う限りたまに使うよりもトレーニングの為にはならないか。安全上の計測も最終的にはその程度では無理なので、いつも目安で使える方がよくはないか。

レヴューなどを見ると、専門家の研究として腕で測る方法では、条件にもよるが一分幾つかの誤差は当然で、低く出るのが普通のようだ。MTBなどではまた半分にしか出ないものもあって、理由は腕の所で動くと誤差が大きくなり、腕の振りの横Gが強ければ強い程、つまり早くは知れば走るほど誤差が出るようだ。最も高性能とされているアップルウォッチでも変わらないらしい。

重さも今使っている64Gのごついものに比べて、50Gで若干薄そうなので使い易いだろう。ソーラー電池のものもよさそうだが、先ずは断念した。余分な機能が付いていて、それも少し違うと思った。

メルケル首相は指数35を断念した様だ。残る50以下で緩和、100以上でロックダウンとなるのだろう。テストを恐らく四月から抗原検査を週二回全国民に提供することで、追跡調査がその範疇で出来るという事になったようである。

接種による指数がまだ入っていないのが不満であるが、来週明けから幾つかの小売りや美術館などが開くことになる。ロックダウン自体は28日まで続き、50以下が二週間とか続けば文句なしに四月から催し物やスポーツなどが再開されるだろう。

但し、美術館や小売りの入場制限が最初の80平米では一人当たり10平米、つまり八人まで、更なる空間には一人20平米まで必要になるので1000平米でも54人しか入れない。それどころか現在のように指数50を超えているので、一人当たり40平米が必要になる。美術館なども実質的に貸し切りである。

指数35は家庭間の集まりの制限解除にのみに例外的に残された。来週から一人一週間一回までは抗原検査が可能となる。催し物などは二週間待たなければいけないが、会場が飛行場などと同じく検査を準備することも可能となる。

今回の決定が価値あるものとなるには、少なくとも全土に亘って指数50以下が続いている状態であろう。同時に接種も三月中に80歳以上が終えていることから、ダイナミックに進むことにもなる。

アストラゼネカを中心にワクチンが二百万以上残ることになるので急いで接種をすることが求められている。



参照:
裏蓋を開けて凝視する 2018-03-09 | テクニック
日曜日の朝寝がよい 2016-12-12 | アウトドーア・環境
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変異株の影響は如何に

2021-02-19 | 歴史・時事
変異株が鍵を握っている。一部指数の下がり方が怪しくなっている。バーデンヴュルテムベルクとラインラントプファルツしか50以下に至っていない。三月初めまでに目標に到達できるかどうかヘッセンなどはやきもきしだした。

デンマーク国境のフレンツベルクなどでは変異株の影響で急上昇した。全国に回るとは思われないが、こうなると二つに一つしかない。変異株の影響でロックダウンを伸ばすか、変異株の影響は英国同様に抑えれるとして、予定通り徐々に緩和して行くかしかない。

車中のラディオは、文化的施設は各々の基準を厳しくしてあって開いていくことが文化的に大切だとしていた。ラインラントプファルツでは、戸外で500人、室内で250人の数字が出ている。感染の指数からすれば35が妥当のようだ。3月4日までの二週間に優秀な州がそこまで至るかどうか。至れば変異株の影響は限定的となるだろう。更に二三週間様子を見て開ければいい。

ミュンヘン自体は問題ないにしてもバイエルン州がそこまで至るかは分からない。矢張り新演出「ばらの騎士」初日は無観客になるだろうか。今回は珍しく知事のゾーダーが緩和にそわそわしている。政局を見据えてこの辺りでコロナ対応評価を確定させたいと思っているのだろう。どう考えても彼の思うように綺麗に段階的な緩和が可能とは思われない。矢張りポピュリズム政治家でしかない。あのマスク信仰であるからこそマスクを外すレストランの再開は難しいと話している。早く尾身流を習ってきなさい。ヴァイスヴルストと芥子を片手に、片手でマスクを外せと言いかねない男だ。

バーデンバーデンからのハウスシュピールの初日は、前夜祭に続いてヴァイオリンのテツラフが出て、フランクのソナタとアンコールにベートーヴェンを弾いた。フランクは昨年同じ祝祭劇場でキャプサンのチェロでユジャワンがピアノを付けていたので、勿論編曲とは異なるもののピアノに不満があり過ぎて聴いていられなかった。しかしベートーヴェンはなかなか良かった。

既に言及した様なガラガラな音は名器でなくて新しいヴァイオリンから出てきていることが分かった。しかし弓は古いものを使っているらしい。彼の大ピアニストリヒテルがヤマハを使っていたのと同じ様な意味で新楽器を使っているようだが、それが前夜祭のシャコンヌやベートーヴェンでの様に活きることもあるので面白い。音程がだら下がりになったりしてもあまり気にならないのはそうした音楽性にある。

ニュースはフランス側が国境閉鎖への動きに敏感に成っていて、指数280などの変異株の影響が疑われる所で大掛かりなテストを始めていると報じていた。国境では双方とも通勤が多く、昨年の春の閉鎖でもそれは可能な限り交通していた。しかし今回はチェコ、ティロルなど本格的に閉鎖することで少しでも変異株の感染拡大を妨げようとする意志が強く働いている。金曜日のロベルト・コッホ研究所の見解はどうなのか、我々の生活を大きく左右することになりそうだ。強いては中欧における一つの基準ともなって行くかもしれない。



参照:
コッホ研究所会見に注目 2021-02-18 | 文化一般
待て、勝負ありの感 2021-02-17 | 音 
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ワクチン接種後の工程

2021-02-05 | 歴史・時事
東京オリムピック界隈が騒がしい。そろそろ中止を決めないといけないのに水曜日に東京オリムピック実行委員会が手引書を出したことから、一挙に爆発したようにも思える。ドイツェヴェレの報道を読むと、そこには「選手も全ての関係者は自己責任で日本に来るように」となっているようで一挙に東京オリムピック潰しが始まったようだ。

暖かくなった。パン屋では初めてマスクについて指摘があった。その前の爺さんがこちらを見ていたようで、それも切っ掛けだったろう。引っ掛かった。下のマスクを見せてやった。勿論FFP2では無くサージカルでしかないが、規則ではそれで構わない。「プロテストだよ」と言ってやった。

車中のラディオはワクチン接種後の工程についての話しが出ていた。倫理委員会の見解としても接種後の人々が何かの自由を得るのではなく、接種の段階によって一律に施策上の制限が解かれるというものになるようだ。

ワクチンの有効率は最大95%なので残りの5%には絶えず危険に曝されることになる。つまり接種済みの無感染者が勝手気ままに動くことである一定の人々がより多く危険に曝されることになる。それを避けるためにも制限は一斉に緩和されていくというものだ。最初から数%の人を強制収容所に入れる政策にならなかったことと同じ意味である。

その意味からは、自分自身は抗体が出来ていると思っている人物も少なくとも最低の規制には準拠して行かなければならないことは確かで、「手前の勝手だろう」とは言えないのである。

ヴィーナーフィルハーモニカーがザルツブルク音楽祭ロゴの入った布口当て姿の写真を曝していた。馬鹿丸出しだが、職務で着席するまではマスクをするようになっているのでその為に使っているのだろう。オーストリアやバイエルン州ではFFP2基準なので私の様に二重マスクにも使えない。そもそも飛沫で感染するのは会話中とか前にいる人ぐらいで、あとは咳をクシャミを腕で抑えていれば用が足りる。空気感染を考えた場合にサージカルも布当ても殆ど用をなさない。PCR検査で頻繁に管理していても確率の問題だ。

注文した車のテールライトを交換した。警報が消えなくなっていたので、それに騙されて長く放っておいた。最後に長距離を走ってから暫く経っているので、覚えていないが、晩秋から切れていたのは確かだろう。追突されるようなことが無くて良かった。後ろから警報を鳴らされたので調べてみて良かった。



参照:
ストッキングを被る男 2021-01-22 | 雑感
厳しい二月を前にして 2021-01-28 | 暦

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