Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

香りの文化・味の文化

2008-06-07 | ワイン
シュロース・ザールシュタインのワインを12本受け取った。特別な試飲会であったので送料無料になるどころか、即支払えば少し廉くなる。嬉しい限りである。

ここのワインをこうして即決購入したのも、既に八百本もの様々なリースリングを飲み、更に同数の貯蔵のある緑家さんの高評価と奥さんのなかなか説得力のある販促を鵜呑みにしただけでなく、試飲した印象が大変良かったからに違いない。

さて早速、キャビネットを開けて試してみる。試飲の場で感じたのと同じような比較的簡易なリースリングであるが、その豊かなフルーティーさはお友達のゲオルク・モスバッハー醸造所のそれに変わらない。

この二つを比較すると、ザール・ヴァインとプファルツ・ヴァインの特徴がよく見えてくるだろう。

ザールのそれは、やはりスレートの味が旨く、独特の酸が強く出ている。地元の店先でも話していたのだが、酸の質がプファルツのそれとは異なるというのである。確かに、量感と言うか重さがある酸で、大目の糖と均衡させてある。

数値的には、それほど酸の量には差がないと思われるが、残糖に拮抗する酸とフルーティーな味に隠れる酸とは官能の仕方が異なる。

なによりもプファルツのそれに比べて、香りが少なく単純なのが確認できる。プファルツの半辛口程度の香りしかない。逆に、プファルツのそれは比較的高いアルコールで香りが発散して、大変動的な印象を与えるのが特徴だろうか。

シュロース・ザールシュタインよりも明らかに素晴らしい2007年産ザールヴァインが話題となっているが、現在までの限られた経験から言えるのは、モーゼル・ザール・ルーヴァーヴァインの特徴は、一にも二にもその味であって香りではないようだ。

それに引き換え、プファルツ・ヴァインの特徴として、沸き立つ香りと淡白な雑食砂岩にいろいろな土壌の要素の交じった味の複雑さにあるだろう。その点からすればラインガウにも動的な軽やかな芳香が香る。

モーゼルワインが日本で人気を集めている理由に、そのスレートの味の強さと静的な穏やかさが挙げられる。同時に低めのアルコール度数と十分な残糖は日本の食生活に合致しているようだ。

確かに日本の食生活に慣れている者は塩味の強さなどの味についてはよくコメントするが、香りについてはあまり言及しない。気候風土からこうした感覚が身についたのだろうか?しかし同じ湿気の高い地方でもコリアンダーを楽しみ、タイの薫り高い米などを食する文化も存在して、一様にはなんとも言えない。



参照:スパイシーな相互感応 [ ワイン ] / 2008-05-26
コメント (11)
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バイオ燃料による値上げ

2008-06-07 | 生活
ミルクを買おうとしたら、いつもの格安のJA商品はなかった。既に九日続いた酪農家の配給停止ストライキは終わったが、明日にでも並ぶ商品は値上げされている筈である。

仕方がないので、暑い折であり高価な生ミルクを諦め、保存の利くミルクをそれでもいつもより二十セントほど余計に出して購入した。

ミルクが中国人の乳製品消費で需要不足などといわれたが、今回は酪農の飼料が高騰した理由で、ミルクの買い取り価格の値上げを実力行使で訴えた。出荷停止した搾り立ての生ミルクが畑に肥料として捲かれている風景が報道されていた。

先日から切れかかっているひまわり油を買おうとしたがいつもの廉いJA商品がない。なにやらその植物油も値上がりしているようで、暫らく待っていたがまだ入荷しない。仕方なく、通常の植物油を購入した。

バイオ燃料の可能性は良しとして、米国やその同盟国が図った市場戦略は一体何だったのだろうか?急激な価格変動や経済的影響と問題は十分に予知されていた筈だが、敢えて食糧供給問題を引き起こした。

インフレ圧力が強まり欧州銀行の利上げが語られる。



参照:
特徴 (☆ ドイツに憧れて ~ in Japan ☆)
ミルク缶が冷やされる時 [ アウトドーア・環境 ] / 2008-05-29
保護観察下にある休耕地 [ マスメディア批評 ] / 2007-08-01
不毛の土地の三つの星 [ テクニック ] / 2005-02-13
ラインを望む牧草の鳥居 [ アウトドーア・環境 ] / 2008-06-04
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