Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

世界の机の前に齧り付く

2008-06-15 | テクニック
楽しみにしていたスピーカーの音出しが出来た。スピーカーは三十年以上前に手に入れたミキサー台に載せるモニタースピーカーである。今でもラジオスタジオなどでは音像定位のモニターにオシロスコープと一緒に使われている「オーラトーン5Cモニター」と呼ばれるスピーカーである。

入手した当時はTVの副音声など幾らかマルチメディア機能やホームシアターの概念が一般的になってきた頃で、このスピーカーもそのような目的で増産されて販促されていたように思われる。実際、既に始まっていた外国語放送の副音声のためにTV受信機につけた副音声分派機に、音声増幅器を通して、これを取り付けたように覚えている。

そのような理由から、このスピーカーのまともな音は当時は殆ど聞いたことがなくて、その定位感すらあまり馴染みなく、若干押し付けがましい音の周波数の中域の張った印象が強い。

元々がFM放送などの声を含む放送の至近距離でのチェックにも充分に使えるゆえに、この度の目的であるネットラジオの聞き易い環境の設定に貢献するべく、PCで使えるように音響増幅器を注文した。

抵抗値8オームのスピーカーながら音量は十分である。音質もサウンドボードと電源部からのヘッドフォンでも確認出来る所謂僅かなブーミングは避けようがないが、それをいうならば通常のPCで至らずスタジオ用のマッキントッシュなどを購入しなけれないけない。

そうした前提条件においては、このモニタースピーカーを十二分に気持ちよく鳴らすことが出来る。ネットラジオの音質のレヴェルを確認できる。車のラジオでもなかなか優れているフランスの放送局などでの管弦楽団のプレゼンスとホールの空間の再現などなかなか素晴らしい。

ポップスにおける人為的な音場も苦にならないのが、本格的なオーディオ装置に比べて勝っている。同様に、ナレーションが胴声にならずに子音も聞きやすく、映画DVDの効果音や台詞も明白に響く。これはスピーカーの個性にもよるのだろうが、過不足なくバランスよく鳴らす増幅器には感心する。その音響に劣らず迫真に満ちた巨大モニターかプロジェクターが欲しくなるぐらいである。

また不思議なことに、スピーカーを壁に近づけて机の上において設置していても篭ったような低音の感じがなく、自然なバランスで響く。これならばスタジオの調整卓の上で響く音響とそれほど変わらない。

ジャズのベースなども心地良い。こうなると世界中のラジオでいろいろな言葉や音楽が聞きたくなる。何やら昔少しやっていたBCLの世界のようで、益々机の前にかじりついてしまうようで運動不足が心配である。



参照:
音響増幅ボードへの期待 [ テクニック ] / 2008-06-02
脳冷却利かず思わず暴発 [ 生活 ] / 2008-06-11
コメント
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