六千八百歩、六キロを一時間かけて歩いた。途中の三十分間に渡る登りもテンポを落とさずに登りきると結構良い運動になる。そこへ至るまでの下りも重めの靴でバランスを取りながら谷へ降りて行くので良い運動になった。どうしても早めに勝負をつけたいと思って平地コースを走ろうと言う気持ちが湧くが、そこはじっと我慢してジックリ歩く方が運動になる。
今日は昼から飲んでやろうと、ジャガイモを茹でポテトサラダの準備をしている。グリーンアスパラガスの入っているミニザウマーゲンに、先日購入した南ワイン街道のレープホルツ醸造所の新商品「ナッウーアシュプルング」を開けようと思う。
五月の講話会に参加出来なかったので、六月の終わりになってやっと出かけた。グランクリュの予約もあり、また先日の雹の被害が気になってその被害状況を訊ねた。親仁さんは、斜面の下の部分を中心に2.2ヘクタールやられたと語った。リースリング以外のブルグンダー種などが植えられている場所である。不幸中の幸いでカスターニアンブッシュやゾンネンシャインなどの一級地所は殆ど被害を受けなかったようで、先ずはリースリングの壊滅は避けられた。エゴで言わせて貰えば、ガンスホルンさえ問題なければあとはどうでも良いのだが、そのような顔はしないが経営状況を考えるとやはり被害は大きいであろう。
2009年産の話を伺ったが、氏に言わせると2009年はとてもミネラル風味豊かなリースリングが出来て良年だと言う。2008年の初めから開いていたものに比べて、将来が楽しみで、2007年産は2009年と2008年の中間ぐらいだとの評価である。
「昨年購入した2008年産のガンスホルンはまだまだ寝かしておきたいが、貝殻石灰のゾンネンシャインは飲み頃ですか?いつ飲みました?」
「此間も飲んだけど、良いよ。何だね、三年目までに飲むか、あとは五年以降に飲むかだよ」、
「谷ですね。四年目の」、
「穴だよ」。
なにせ此方の居所を知っているものだから、以下の話で警戒していたのだが、一寸はこれでそれが融けただろう。
「2009年産は香りが拡がらないようで、酸が弱いからか、あとに苦味もありますよね」、
「そんなことはないけど、家のはさ。ほら葡萄を浸けておくからさ」と、上体を少しそりかえって「我が醸造法」を語るのだ。
「それは分かてってますけど、この新しいのはド辛口で、以前の雑食砂岩カビネットとは違いますね。既に開いている感じがしますが、どうなるのでしょう?」、
「この二つはさ、片方が従来どおり果実風味で、もう一つはご指摘の様に塩味の辛口だから、それは今後も変わらないよ」、
「なるほど、味筋としては、ガンスホルンですよね」、
「ほぉ、そうだな」と眼鏡の奥がゴールのネットの様に波打った。
素人さんが勉強し過ぎると、加減を知らないものだから、玄人さんが困る。その反面、ここの醸造所を訪れる殆どが評価本頼り、ここにやってきて御茶を濁してブルグンダー種のワインなどを購入していることに、レープホルツ氏は内心ヘキヘキしているに違いない。金儲けであっても、職人としてはやはりそれではつまらない。2008年産のガンスホルンがまだ売れ残り、比較的日本などへと輸出されるのをみても、レープホルツのリースリングなどは本国ですらほとんど理解されていないのが証明されている。
ガンスホルンとピノノワールを一本づつ注文して、秋に取りに来る事にする。今年は二十年際のお祭りである。跡継ぎの息子がスケートボードで玄関でうろうろしているかと思ったら、試飲室に入ってくるので声をかけておいた。車のプレートを見たのだな、なかなかこいつ、親仁よりも勘が良いぞ。しかし、ドイツ語のブログならここまで直裁には書くまい。
「2009年産で、特にお奨めあります?」、その野暮な問いには流石に具体的に言及しなかった。言わずもがなである。それでも2007年産のムスカテラーに日本で舌鼓を打つ話を聞いて満足そうであった。こうしたオフの地域のエコ農業に転換した小さな醸造所にとってはこうしたお商売も大切である。
2009年の酸の質について触れたが、秋も十分に分解させることが出来、量感は変らないからと、あまりそれには配慮していない様子であった。
参照:
社会史は天災を忘れない 2010-06-12 | ワイン
気象温暖化の具体的な影響 2009-11-15 | アウトドーア・環境
6月27日は大事な日 (ドイツ日記 Les plaisirs et les jours)
今日は昼から飲んでやろうと、ジャガイモを茹でポテトサラダの準備をしている。グリーンアスパラガスの入っているミニザウマーゲンに、先日購入した南ワイン街道のレープホルツ醸造所の新商品「ナッウーアシュプルング」を開けようと思う。
五月の講話会に参加出来なかったので、六月の終わりになってやっと出かけた。グランクリュの予約もあり、また先日の雹の被害が気になってその被害状況を訊ねた。親仁さんは、斜面の下の部分を中心に2.2ヘクタールやられたと語った。リースリング以外のブルグンダー種などが植えられている場所である。不幸中の幸いでカスターニアンブッシュやゾンネンシャインなどの一級地所は殆ど被害を受けなかったようで、先ずはリースリングの壊滅は避けられた。エゴで言わせて貰えば、ガンスホルンさえ問題なければあとはどうでも良いのだが、そのような顔はしないが経営状況を考えるとやはり被害は大きいであろう。
2009年産の話を伺ったが、氏に言わせると2009年はとてもミネラル風味豊かなリースリングが出来て良年だと言う。2008年の初めから開いていたものに比べて、将来が楽しみで、2007年産は2009年と2008年の中間ぐらいだとの評価である。
「昨年購入した2008年産のガンスホルンはまだまだ寝かしておきたいが、貝殻石灰のゾンネンシャインは飲み頃ですか?いつ飲みました?」
「此間も飲んだけど、良いよ。何だね、三年目までに飲むか、あとは五年以降に飲むかだよ」、
「谷ですね。四年目の」、
「穴だよ」。
なにせ此方の居所を知っているものだから、以下の話で警戒していたのだが、一寸はこれでそれが融けただろう。
「2009年産は香りが拡がらないようで、酸が弱いからか、あとに苦味もありますよね」、
「そんなことはないけど、家のはさ。ほら葡萄を浸けておくからさ」と、上体を少しそりかえって「我が醸造法」を語るのだ。
「それは分かてってますけど、この新しいのはド辛口で、以前の雑食砂岩カビネットとは違いますね。既に開いている感じがしますが、どうなるのでしょう?」、
「この二つはさ、片方が従来どおり果実風味で、もう一つはご指摘の様に塩味の辛口だから、それは今後も変わらないよ」、
「なるほど、味筋としては、ガンスホルンですよね」、
「ほぉ、そうだな」と眼鏡の奥がゴールのネットの様に波打った。
素人さんが勉強し過ぎると、加減を知らないものだから、玄人さんが困る。その反面、ここの醸造所を訪れる殆どが評価本頼り、ここにやってきて御茶を濁してブルグンダー種のワインなどを購入していることに、レープホルツ氏は内心ヘキヘキしているに違いない。金儲けであっても、職人としてはやはりそれではつまらない。2008年産のガンスホルンがまだ売れ残り、比較的日本などへと輸出されるのをみても、レープホルツのリースリングなどは本国ですらほとんど理解されていないのが証明されている。
ガンスホルンとピノノワールを一本づつ注文して、秋に取りに来る事にする。今年は二十年際のお祭りである。跡継ぎの息子がスケートボードで玄関でうろうろしているかと思ったら、試飲室に入ってくるので声をかけておいた。車のプレートを見たのだな、なかなかこいつ、親仁よりも勘が良いぞ。しかし、ドイツ語のブログならここまで直裁には書くまい。
「2009年産で、特にお奨めあります?」、その野暮な問いには流石に具体的に言及しなかった。言わずもがなである。それでも2007年産のムスカテラーに日本で舌鼓を打つ話を聞いて満足そうであった。こうしたオフの地域のエコ農業に転換した小さな醸造所にとってはこうしたお商売も大切である。
2009年の酸の質について触れたが、秋も十分に分解させることが出来、量感は変らないからと、あまりそれには配慮していない様子であった。
参照:
社会史は天災を忘れない 2010-06-12 | ワイン
気象温暖化の具体的な影響 2009-11-15 | アウトドーア・環境
6月27日は大事な日 (ドイツ日記 Les plaisirs et les jours)