Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

創造者を持たない日本人

2011-05-25 | 文化一般
昨日の朝のラジオニュースのトップ二つ目は福島のメルトダウンの確認であった。新事象や新事実が少なくなったとはいいながらそれでも世界が福島に固唾を呑んでいる。

そして晩は、1999年から2004年までドイツ第一放送のただ一人の東京特派員であった現在ワシントンの特派員クラウス・シェーラーの講演会を行った。特に我々にはカムチャッカ半島から北方領土を通って函館までの取材旅行の番組で有名である。その内容はここでも一度触れたが、改めて一部分を見てもなかなか感動的な内容で、函館のドイツのパン屋さんなどの取材裏話をしていた。あとは長良川の鵜飼いの裏話などで、講演としては若干散漫な印象が強かったが次の点だけは特筆しておこう。

つまりこの南プファルツのピルマセンス出身のジャーナリストがなかなか本質をついた解析をした。それはここで私が「なぜあれほどまでに日本人はロボットが好きか」との疑問に丁度反対側から答えている。次のように読み替える。

なぜ特にドイツ人は緑の運動に熱心なのか?それは宗教的な背景があって、新旧教の間でも大分異なるという見解である。要するに創造者の創造物に対しての畏敬の念が特に強いという見解である。これに対しては様々な異論があるだろうが、流石に海外滞在が多い人独自の鋭い観察眼から生まれたものだろう。

つまりこれを裏返すと、日本人はそうした創造者をもつこともなく一般的に思われているような自然への畏怖つまり環境への覚醒がないからこそ、なんでも適当に拵えてその環境の中で暮らしてしまうというのであろう。放射能もみんなで浴びれば怖くない。しかし、シェーラー氏の意見では福島で日本人も少しづつ変ってくるだろうというのだが、さてどうだろう?

韓国と台湾と日本を比較して、そこでの街頭インタヴューにおける反応の違いを語っていたが、今でも都内でマイクを向けられても素直な気持ちを率直に述べられる人はどれぐらいいるだろう。多くが東電の社員の気持ちで、もしくは官僚の配慮でしか発言できないような、その教育が問題なのだと氏は示唆していた。



参照:
観れば、その違いが判る 2007-04-08 | マスメディア批評
辺境のとても小さな人々 2007-04-11 | マスメディア批評
ライク・ノー・アザー 2006-04-05 | マスメディア批評
ミニスカートを下から覗く 2007-09-17 | 文化一般
痴漢といふ愛国行為 2007-11-26 | 雑感
大衆文化に混ざるもの 2008-12-18 | 文化一般
ハイエナ経済のバベルの塔 2011-03-18 | 歴史・時事
前近代に生きる日本の自己欺瞞 2011-04-03 | 文化一般
コメント (3)
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