Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

牛フィレの赤い香ばしさ

2012-02-20 | 料理
木曜日にフィレステーキを食した。偶々肉屋に最後の一切れが残っていたので購入したのだ。平素は価格も高めで量を食べられないことからフィレを買うことは少ないのだが、その晩は少なく良質のものを食したかったのである。

ワインはピノノワールを考えていた。選んだのは2007年産クリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSCである。これはカペーレンベルクなどのギメルデリンゲンのマンデルガルテン上部の土地のものでデリケートな味筋のものである。

2007年産を選んだのは、並ぶ2003年産や2005年産よりも前に開けてしまいたい年度であり、上位のオェールベルクの前に試したかったものである。要するに薄造りのピノノワールなのでそろそろと思ったのである。

2007年産は良年のうちには入るが、どちらかと言えば獣臭や毛皮臭が特徴で森の獣肉以外には合わせにくい。しかし、このSCはやさしいのでフィレに開けたのである。

結果は予想以上にハーブ香などに変わっていて完全に飲み頃となっていた。それを示すかのようにグラスの縁の色はかなり落ちてしまっていて、正しく空け時だったのである。

牛肉の方は、両面をさっとバターで焦がして、昨年に南フランスから持ち帰ったロズマリンの枝に乗せてオーヴンでホイル焼きにしたのである。これまた大変香ばしく、繊細なピノノワールにベストマッチであった。

最近は飲み代が無いので飲む量を減らしているが、食事とそのワインの質では可也のレヴェルアップが感じられる。それだけ厳選したワインを適時に購入して寝かしていると言うことになる。正しく最大の贅沢は、金銭の額ではなく、ゆとり感であるのだ。因みにフィレは、100グラムほどで6ユーロほどであった。



参照:
肉屋では歯が良いと嘯く 2009-07-12 | 女
液の滴る贅沢な晩餐 2008-09-08 | 料理
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