Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

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とても小さい万単位の需要

2012-04-30 | 
日本からのバイヤーがフランクフルトの博覧会「テンデンス」で再生資材の商品を見つけた話が紹介されている。フクシマ以降、日本では再生可能の持続性のある広義のエコ商品が求められていることから、メードインジャーマニーのエコ製品であるケルシュティン・ランク作で展示していた救命胴衣を廃物利用し縫い込んだ手提げバックに注文が入った。

それは、広告デザイナーであったバイロイトに住む女史が、近隣に住む経験豊かな縫い子ボッヒング夫人の才能を借りて完成した手提げ袋である。その手縫いの技にその商品の成功があって、またブリティッシュエアーウェーズと材料となる廃棄処分の胴衣の入手契約を結ぶことも大変だったようだ。航空会社にとっては廃棄料金が必要な備品を売ることが出来るのは大変喜ばしいことなのだが、そうしたものが故意にアフリカの航空会社などに流されて再生利用されることを恐れるから慎重なのである。こうした廃棄処理されたものがどこかに流れることが数限りなく存在する。

IKEAの製品の材料がロシアの切り株から作られているのが明らかになろうとも顧客が逃げないのと同じように、エコのアイデアを表に出すことで新たな市場が開かれた好例であろう。

さて、日本人との契約であるが、最大のネックとなったのは昨年は2000個の商品を仕上げて販売したのだが今年は更に需要が上回るところで、日本人は万単位の個数の供給を最低条件としてきた。こうした事象はありとあらゆる欧州製ブランドの日本への供給時には起こることで、これをクリアーすることで大きな商売となる。それは製作者にとってもそうであり、扱う販売者にとっても同様であり、市場という意味では当然の成り行きである。

その一方、大きなグローバルな市場を目指して必ずしも大量消費品でないものを大量に供給するとなると、当然のことながら欧州での高級品は大量商品としてその内実をどこかで摩り替えてしまわなければいけない。それは自動車などでももはや大衆消費品はドイツでは生産されていないのと同じことである。

今回の場合は、ルーマニアの安いお針子を使ってなんとか供給体制を整えたようで、更にその輸送のエネルギー消費とガスの放出を抑えるために、往復しているトラックに便乗して製品を載せることにしたようである。そうやって、持続性のある社会のための製品のコンセプトを変えることなく日本へも供給できるようになったということである。

日本市場へのこうした動きはここ40年ほど全く変わらなかったのだが、その規模とは比較できない中国市場が出来たことから、もはやそうした応急処置的な供給体制では多くの欧州ブランドは対応できなくなってきており、出来る限りどうせ品質などの分らない俗物の中国人の消費のためには中国国内での生産をそれに充てて、日本へもそれをお裾分けのように配給するのがここ十年ほどに通常化した配給事情であろう。



参照:
Ehrensache, Melanie Mühl, FAZ vom 21.4.2012
相変わらずの分かりにくさ~フランク・パスカル サジェス NV (ワイン大好き~ラブワインな日々~
ほどほどのボディーのKernerです。 (saarweineのワインなどに関してあれこれ)
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