Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

親権者が行使する選挙権

2012-04-12 | 歴史・時事
「ハイデルベルクの教授」として最もドイツで高名なキルヒホッフ教授がまた面白いことを文化欄に投稿している。それによると、高齢化社会は避けがたく、子供の出生率を上げる政策などは、個人の自由や心情に干渉することだけであり、更に根本に戻って考える。

要するに社会保障や年金は、高齢化と同時に高度成長が望めないこうした工業先進国などでは、従来の若いものの働きを当てにした経済秩序では成り立たないとする前提を説いている。当然のことながら男女の社会での機会の均等を考えると、高学歴化して三十歳で社会生活を始めるような状況を変えるべきだとしている。つまり、社会の指導的な立場に立つ四十五十代には男女共に子離れが出来るような正常化へと教育体制などを変えていくべきだとする。

そしてネット社会の発達の恩恵に与って、通勤の必要なく、子供から目を離すことなく、育児に専念できるというのである。まさにその通り、家庭持ちこそネット社会を生かせるのだ。

つまり、十代の終わりには職業的な訓練が出来るようにすべきだとする。そうすることで晩婚傾向が是正されて、家族を軸とした社会が出来上がる。そしてそうした社会では何よりも重要なのは、税制の直間比率を変えて、出来る限り消費に伴うもしくは金の動きに伴う税制を基本体制として、直接税の還元から子沢山の共稼ぎの家庭の必要な消費が賄えるということなのである。

社会保障は既に支払った掛け金で財政が賄えないので、そもそも財政の赤字を後継者に押し付けるとする基本から、財政規模自体が縮小していく現実を直視すると、こうした直間比率の変動は当然の帰結なのだろう。

更に教授はこうした未来の後継の世代が政策に関与していくべきとして、扶養される子供に至極当然の結論として選挙権を与えて、両親が半票づつ選挙権を行使出来るようにすべきだとしている。

至近の世論調査では、海賊党が緑の党を抜いて第三番目の支持を集めた。13%であるから緑の党が昨年集めた20%には遠く及ばないが、両国民政党の影が薄くなる中で、最低収入制度などを主張して、複雑化して硬直した近代社会からの脱皮を訴える点において共通する過激といわれるキルヒホッフ教授の税制の簡素化から所謂行政官僚制の打破を目指すことに連邦市民への関心が集まる ― 本物の新自由主義を政策化できない自由党は5%の攻防をしていて国政への参画も儘ならない。



参照:
Deutschland wächst mit seinen Kindern, Paul Kirchhof, FAZ vom 11.4.2012
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コメント (2)
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