Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

もはや期待薄の2011年物

2013-02-19 | ワイン
2011年物を改めて試した。昨年の初冬には面白かったボーェリックなども酸が弱り甘くなってしまっている。むしろランゲンモルゲンなどの方がよくなってきているだろう。

一年を通して高いアヴェレージを保ちそうなのは、シェーンレーバー醸造所やフォルクセン醸造所のナーヘやザールのリースリングで、前者のグーツリースリングは八ユーロ以下で最高であるのは全く変わりなく、後者のザールリースリングも未だに素晴らしい。

前者の「ミネラル」も2011年産リースリングとしては印象に残った筆頭の一つで、後者のシャルツホーフベルクなどもこれからの成長が楽しみなワインである。

そのランクを過ぎると、ロベルト・ヴァイル醸造所の20ユーロクラスか、最低もう一年は寝かさなければいけないレープホルツ醸造所の雑食砂岩Sとか、グランクリュクラスになってしまう。

2011年産は、2012年産と同じように酸が弱かったとしなので、今後の熟成にはあまり期待できない。それでも質の良いグランクリュクラスのワインは分解された酸が十分に効くように造ってあるからである。

2008年から2011年へとワインの購入量が増える一方であったが、2012年になって2011年産の購入を絞ったので初めて量が落ちた。2012年産は2011年産よりもよくはないので、更に消費購入とも減少する予定である。暫くは2010年産をちょびちょび開けては楽しみとの按配のワイン生活となりそうである。2011年産はこの調子でいくと2009年産より平均で上回る保証も全くない。これほど酸の腰が弱いとつまらないばかりだ。

それにしても先日最後から二本目を開けたビュルクリン・ヴォルフ醸造所のヴァッヘンハイマーアルテンブルクの成長には驚かされた。いつものペトロールな土壌感が、酢酸的な酸のくせと相まっていて決して素直な味筋ではなかったのだが、二年目を迎えるにはまだ早いこの時期に完全に綺麗なバランスとして素晴らしい飲み物になっていた、六本購入して初めて最後の一滴まで満足して飲み干せるリースリングとなっていた。

2010年は生産量が限られていたので、市場の流通量も限られていたが、一般的には減酸などの野蛮な方法で高品質なリースリングは指を数えるほどしかなかったのである。その中でもこの醸造所は、石灰を沈めることなく潜らせるさせることで最小限度の減酸処置をして成功していた。それでも多くのラーゲンリースリングには酢酸的な酸の特徴が残った。それがこのように成果として如実に表れてきた。

2010年度産のグローセスゲヴェックスは少々無理をして軒並み手を出したのだが、もはやこれで何の心配もなく、先二十年以上は楽しめることが証明された。オークション価値を付ければ、優に三倍の価値になっている。これほど投機的な価値のあったワインは、ボルドーの最高級シャトーにもないと思われる。門外不出の2010年物だ。



参照:
重くなく軽やかにいきたい 2012-07-04 | 試飲百景
香りだけではないのだが 2012-10-07 | 女
大量生産ビオ商品市場で 2012-08-26 | 試飲百景
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