Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

リセットさせる岩質や摂理

2013-06-17 | アウトドーア・環境
バーデン・バーデンで攀じる。来週からは摂氏30度を超えるというので最後のチャンスと思ったからである。シーズン初めから室内のそのままを外で試したかったので望んでいたのだが、一人では限りがあるので、今まで機会が無かったのである。

兎に角、雑食砂岩での其ればかりやっていると感覚が麻痺してくるようで、違う岩質で技量を試す必要を感じたのだ。昨年の転落事故はバーデン・バーデンの六級プラス翌日に起きたことであり、また昨年秋に七級マイナスをトップロープで登って組み易しと感じていたので、実力を上げた今年は七級を登ってみた。予想以上に苦労した。その苦労のし方が雑食砂岩でのそれとは大分違うのだ。特に熱を持ち出したマグマの塊のような黒っぽいここの礫岩では手に汗をかくと肝心の小さな手掛かりから簡単に手を離れてしまうのである。

そうした岩質の違いを経験することは、そのもの自己の技術体系の中での位置づけを明白することによって、疲労や慣れの中でリセットすることにある。具体的には昨年から感じていたような高度な技術の使い方は意外にこの岩質と摂理ではあまり役に立たなくて、精々割れ目の中の突起を掴むぐらいであり、手掛かりの使い方も寧ろ限られる。新しい靴で色々とやろうと思ったが予想外に使い切れなかった。

寧ろ雑食砂岩の其れの方がその摩擦とともに自由自在に使えるということが納得できた。要するに昨年は特に事故を挟んで全く異なる見解に至っていたということになる。なぜ全身傷だらけになるかというと、そうした技術が有効だからということなのである。それに比較すると石灰岩のように角張った手掛かりは無いのだが、また花崗岩のように細かな摂理も無く、小さな突起で手を滑らせないようにということに集約されそうなのがバーデン・バーデンのバッテルトの岩質なのである。涼しいときにまた出かけてもう少し限界域で登ってみよう。



参照:
雲海上のピクニックを愉しむ 2012-10-23 | アウトドーア・環境
バーデン・バーデンを登る 2012-06-17 | アウトドーア・環境
コメント (2)
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