Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

涼しい夏の岩場の一時

2013-06-28 | アウトドーア・環境
雨がちで、肌寒かった。そんな気象条件だから「夏の岩場」と呼ばれる奇岩で登った。陽射しが強く射して、岩の乾きが早い岩場なのだ。その狙いは当たって、秋までは訪れることがないと思っていた、そこで遊んだ。

それでも曇天のためか、出かけたときには誰も居なかったのだが、帰る頃になると一組がやってきた。今回は前回に家族連れが登っていた六級プラスのルートを試してみる心算であった。これは、トップロープの手筈で今回は適わなかったが、次に行くときの楽しみが残った。これほど小さな岩場でも石切り場よりも遥かに楽しめるのは自然の力である。

先ずは最も簡単であるが今まで登ったことのないルートを、当日の朝に届いたシルヴァー色の小さな可動式楔を使って、登った。雨のためか些か黒っぽい色をしていて不気味であったが、登りはじめるとルートのところは草も苔もついておらず全く問題がないことに気がついた。それでもあまり登られていないためか、楔を入れたり手掛かりとなる穴には蜘蛛の巣が張っていてあまり気持ちがよくない。

なによりもルート取りが右へ右へと斜めに登り、一つもハーケンがないので、中間支点の設置の前に先ずは足場と手掛かりが必要になるのだ。五級マイナスの割には技術的に手応えのある一歩もあって、確かな中間支点が取れたときに初めて安心した。

その後はカンテラインへと近づき上の出っ張りを左から回りこむようにして直上した。岩の質も悪くはなく、どちらへとルートが延びているのかさっぱり分らない場所で、出来る限りのフレンズを差し込んで登る気持ちも格別であった。先週の土曜日のチムニー登りの複雑さには適わないが、十分に知的プレーが楽しめた。

その後は、我々の石切り場仲間三人が各々1989年から95年に掛けて開拓したルートをトップロープで登ってみた。最初に登ったの下部はとても気持ちよく中間支点さえ十分に取れればリードしても良いと思った。豪快なのは身近な割れ目登攀で、がっちりと手が入るので、レイバック姿勢で技術的にも素晴らしい。上部はロープの流れの関係から振られずに登れるこれまた割れ目へと繋いだ。本来の繋ぎ方よりも技術的にも岩質も統一されていてとても素晴らしい。但し、トップロープで無ければ上の手掛かりに届かなかったので、七級マイナスでも今シーズンのリードは難しいと感じた。何が足りないかを見つけるのが今後の課題である。

三本目は、その横のルートとなる以前にリードしたことのあるカンテ横からカンテへと直接抜けるルートで、残念ながらロープで振られるので下部の核心部と上部のそれは上手く行かなかった。特に上部のそれはハーケンに手が届いてもカラビナを掛けるのに苦労して、力尽きてチェーンに足を掛けて登った。

相棒は、二本目も最後のオーヴァーハングを乗り越えるだけの技術もないのでいい加減な場所を登っていたが、これでは三本目も全く可能性がないと思い、ロープを立ち木にかけかえた。それでも折角のロープの助けでも綺麗に登ることはなく、いつものように右に回避して好き勝手に登っていた。それでは何の練習にもならなく、自らの技量は上がらないのだが仕方ない。枝を上から投げ落とし、止めろといっているのにロープに激突させるなどどうしようもないあんぽんたんである。本人はこれまた下らない女と付き合ってそれがもめているのだから全く尋常ではない。

何はともあれ、中間支点の取り方も粘り腰しと見当の付け方が大分よくなって来て、それが経験としてものになってきている実感がある。何箇所かは完璧な楔であり、ハーケンと全く同じだけの効力があるのは想像できる。そのような中間支点が設置されれば、今度は身体を堅くすることなく自由に登れるので実力が上がる。但し現時点では、その上の技術的な壁が迫っているので、目標どおり暫くは限度を超えない範囲で同じような困難度のところを色々と登って反復練習するしかないと考える。



参照:
雨勝ちな聖霊降臨祭の週末 2013-05-21 | 暦
知的スポーツへの触り 2013-06-26 | アウトドーア・環境
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