Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

オリエンティールングルート

2013-06-13 | アウトドーア・環境
疲れたが良い練習は出来た。未知の奇岩に行って、先ずはオリエンティーリングすることにした。今週は、少し雷雨がぱらつくことがあって、強い陽射しが射すので徐々に気温が上がってきている。丁度日本の梅雨の合間を思い起こさせるような気候である。だから少し蒸し蒸ししてきている。とは言ってもやはり涼しい。

岩場には、駐車場を探す以外は、比較的問題なく到達できた。車道から数分である。三つも並ぶ奇岩を端から端まで三百メートルほどあるだろうか、思っていたよりも大きく、南側の良さそうなところを垣間見てから、先ずは頂上に登って様子を見ることにした。

北側の湿った地面は気持ちが悪いが、明らかに初登攀ルートを示す場所はあったので、濡れた岩棚から登り始めると、根っこの手掛かりが連続するギャラリーに出た。そこから長い尾根が三峰を結んでいる。先ずは三級の難易度で主峰である豆峰を目指す。その東南壁の下に屋根付の岩棚があってそこを確保地点とする。

そこからはいかにも魅力的なルートが伸びているのだが、先ずは頂上岩壁の裾の棚を目指す。ダミーの中間支点を取って貰い ― それを最後まで外していなかったようでとんでもない摩擦で閉口した ―、横向きに走る割れ目に次の支点を取る。その時点でもはや真っ直ぐに次の棚しか目指していないので、容易に本来の困難度を越えた場所を登ってしまう。アンダーグリップを使って立ち上がるのも十分に難しかった。丁度昨年のバーデンバーデンで登った後の事故の時の状況に似ている。要するに先日の週末までのコンディションが大変よかったので大抵のところは登れるような気がするのである。

しかし、結果は技術的に可也限界域に近づくものだっだ、そして頂上岩壁でのそれは超えられなかった。問題なのは容易なルートを登り始めて、結局難しいところに行ってしまうことで、途中から本来の目標を忘れて突入してしまうことなのである。本来の目的が頭に入っているならば、その難易度を外れればおかしいと思うのだが、そうした冷静な判断を失わせてしまうのが、どうもこうして気温が上がってきてコンディションがよくなるときの悪い癖らしい。中間支点だけは十分に取っている心算なのでそれほど酷いことは起こらないだろうが、昨年の惨事を思い出すのである。

結局迂回をして本来のルートへと戻ったのだが、それはそれで学ぶことは多かった。やはり自己の限界域を高みで登ってみることは良い練習になる。特に感じたのは、十代の頃から足場の感覚は十二分に練習を積んで磨いてきているのだが、手の感覚がもう一つ鈍いのに感づいた。これは冬の室内での練習では身につかないもので、リス登攀にも結びつく最大の力学的な効果を生み出す小さな突起の利用や方向や反発力の構成などで、とても細かい技術である。これを意識して磨いていかないと冬の間に練習したサイドやアンダーの手掛かり自由自在の使い方や体重移動を実践でフルに発揮できない。新調の靴のサイドの使い放題の能力と兼ねて、その手の使い方が肝心となる。

なるほど今年は手に怪我することが多く、下腕を含めて怪我をしないで帰ってくることが無い日々が続いている。上半身をフリーズさせる能力は大分身についてきたようであるが、上半身の使い方は先ず手先の感覚から学んでいくしかなさそうである。意識するだけで大分違ってくるだろうが、さてどうだろう。



参照:
ある晴れた日の成果 2013-06-09 | アウトドーア・環境
腕の傷が増える事情 2013-05-06 | アウトドーア・環境
コメント
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