昨晩は祝杯を挙げて戻ってくると九時を過ぎていた。昨年から課題となっていたルートを登り終えたからである。更に技術難易度からしても片づけなければいけないものだった。ボルトなどは十分すぎるほどあるのだが、トラヴァースしているまっすぐなルートでないこと、更に一つ目のハーケンが大分高い位置にあることがネックとなっていて、仮に登ってみることも試してみることも出来なかったのである。
そこで考えたのは最初のハーケンから上に登るルートをザイルで懸垂下降して、移動楔を挟める可能性のある位置など確認して、更にザイルを非常の場合に横に垂らしておいた。これで一本目のハーケンまでに力尽きて地面に落下する可能性は少なくなった。
なるほど目指すハーケンまではそれほど難しくないまでも最後が小さな庇状になっていて、十分に立ち上がる技術が必要であった。下から横に走る割れ目に楔を差し込んでも可視せずに判断できたのは下調べしていたお蔭である。そしてハーケンまでの一歩はそれなりの動きが必要であった。
そのあとは一本一本と次のボルトハーケンを目指して進むのだが、核心部は三本目過ぎの左上昇にあって、四本目から五本目は完全に六級上の動きであった。冬の間にこつこつと練習した動きの引き出しから取り出してベストの動きを取ることで初めて克服できたのである。四回ぐらい試みたのだった。この難易度でのリードは今年になって幾つか経験してきたが、技術的な核心を掴めた瞬間であり、嘗てソウルのインスボンなどで経験したあの動きとは明らかに異質のものであった。5.10の難易度そのものであった。
そしてある程度の昂揚感の中でトップロープで試したのは、一本目のハーケンから上に伸びる懸垂下降したゼクシッシェマニエールと称するルートである。ザクセンのやり方と言うのはそのもの極限の登攀であろうが、なるほど一カ所は中指しか入らない大きさの穴を使う個所があり、七級上そのものであった。室内では試したことがある難易度であるが、外で登るのは初めてであった。所謂5.11の世界である。
その核心部分はこなせなかった。先ず指を使うのが骨折などを恐れて怖かったのだが、それ以上に下からも上からも180度回転させながらそれを使う技術なども試したこともなく、それに対応する体の動きなども分からなかった。ギャラントなルートとなっていてとても難しい。冬の課題がこれで一つ具体化された。
流石に体ががたがたになったが、上半身だけでなく下半身にも大きな負担を与えていた、そして腰のひねりなどの負荷もあったのか、腰の裏側も違和感がある。
気温は摂氏20度前後で風もあって、午前中の秋の霧の湿り気も綺麗に飛んでいた。条件も素晴らしかったが、それ以上に他の組は南壁側に居たので西壁全面が自由に使えたのが何よりも良かった。柔らかい陽射しも赤い西壁を登るには何よりもの条件であった。
参照:
いよいよラストスパート 2013-09-01 | アウトドーア・環境
筋力よりも脳を鍛えろ 2013-09-06 | アウトドーア・環境
そこで考えたのは最初のハーケンから上に登るルートをザイルで懸垂下降して、移動楔を挟める可能性のある位置など確認して、更にザイルを非常の場合に横に垂らしておいた。これで一本目のハーケンまでに力尽きて地面に落下する可能性は少なくなった。
なるほど目指すハーケンまではそれほど難しくないまでも最後が小さな庇状になっていて、十分に立ち上がる技術が必要であった。下から横に走る割れ目に楔を差し込んでも可視せずに判断できたのは下調べしていたお蔭である。そしてハーケンまでの一歩はそれなりの動きが必要であった。
そのあとは一本一本と次のボルトハーケンを目指して進むのだが、核心部は三本目過ぎの左上昇にあって、四本目から五本目は完全に六級上の動きであった。冬の間にこつこつと練習した動きの引き出しから取り出してベストの動きを取ることで初めて克服できたのである。四回ぐらい試みたのだった。この難易度でのリードは今年になって幾つか経験してきたが、技術的な核心を掴めた瞬間であり、嘗てソウルのインスボンなどで経験したあの動きとは明らかに異質のものであった。5.10の難易度そのものであった。
そしてある程度の昂揚感の中でトップロープで試したのは、一本目のハーケンから上に伸びる懸垂下降したゼクシッシェマニエールと称するルートである。ザクセンのやり方と言うのはそのもの極限の登攀であろうが、なるほど一カ所は中指しか入らない大きさの穴を使う個所があり、七級上そのものであった。室内では試したことがある難易度であるが、外で登るのは初めてであった。所謂5.11の世界である。
その核心部分はこなせなかった。先ず指を使うのが骨折などを恐れて怖かったのだが、それ以上に下からも上からも180度回転させながらそれを使う技術なども試したこともなく、それに対応する体の動きなども分からなかった。ギャラントなルートとなっていてとても難しい。冬の課題がこれで一つ具体化された。
流石に体ががたがたになったが、上半身だけでなく下半身にも大きな負担を与えていた、そして腰のひねりなどの負荷もあったのか、腰の裏側も違和感がある。
気温は摂氏20度前後で風もあって、午前中の秋の霧の湿り気も綺麗に飛んでいた。条件も素晴らしかったが、それ以上に他の組は南壁側に居たので西壁全面が自由に使えたのが何よりも良かった。柔らかい陽射しも赤い西壁を登るには何よりもの条件であった。
参照:
いよいよラストスパート 2013-09-01 | アウトドーア・環境
筋力よりも脳を鍛えろ 2013-09-06 | アウトドーア・環境