今回はツアースキーに慣れることが目的だった。前回は二千メートル以下の標高に留まったのに対して、今回はその高度の山小屋を中心に動いたので、標高二千数百メートルあたりで滑った。雪は残念ながらそれほどよくはなかったのだが、それはスキー場でも二千メートルに近づくと感心するものではないのと同じである。但しピステの入っていない自然の山肌の深雪の量感やら処女性はやはり格別である。
金曜日から四日間小屋に入った。風邪が治っていなかったので、鼻水垂れ流し状態から徐々に回復していった。ここ暫くは走ることも出来なかったので、全プログラムを熟せただけでも喜ばしい。特に今回は二週間前の入門コースに続いて、山スキーに慣れるための予定していなかった急遽の参加だったので、スキーの手配などで直前までバタバタした。なによりも病上がりで荷物を背負っての小屋まで上がるのが最大の課題であった。
技術的には、歩いて上がるそれは可成り練習出来て、今後は何とかなるばかりか、いつもの走りのトレーニングや軽量の道具を揃えればまだまだスピードアップが可能なことも分かった。ザイルやアイスクライミング道具を持ってのスキーにもある程度見通しもついた。
それにしても、陽の下での雪山は素晴らしいに尽きる。土曜日は結構風が強く、日曜日は降雪もあったが前日よりは穏やかだった。土曜日は小屋から西斜面を登り、十二月に下から見上げた尾根筋へと登った。そこから尾根の東側の斜面を覗きに行き、鞍部に戻って来て今回のファーストランだった。雪質はとても良く、緩い傾斜のところだったので思い通りの滑りとなる。最近は傾斜の強いところの方が上手く滑れるので、最大傾斜角を選ぶ傾向があるが、なんといってもパウダースノーの滑り良さである。斜面下部は、オーストリア軍専用の練習場所となっているのでピステが入っていた。十年ぶりに滑るので色々と滑りをチェックする。午後は、昼食を小屋で摂った後、反対側の斜面へと向かう。午前中の風に東向き斜面の雪の悪さがあって、これまた久しぶりに悪雪に苦労する。午前中の疲れもあったが、板を外す滑り転びだ。新雪ばかり滑ってきたので、本当に重い雪を思い出させてくれた。翌日は締め具の強度を一目盛り上げて9とした。
日曜日は、前日午後と同じ東斜面を上部まで登るが、その前に短いショートランを入れる。これも傾斜よりも雪質や露岩などが気になって、尻餅をついた。この辺りの経験が今後の板の選択の基礎になるのだ。その後、またもや尻餅をつきながら滑走したが、リーダーのビッショッフホーフェン出身のオーストリア人に滑りを褒められる。尻餅の重心の壊し方がとても不満なのだが、最大傾斜を利用してのアグレッシーヴで、板を走らせる滑りが評価されたのだろうか。VIDEOがあれば確かめたい。
小屋へ上がる金曜日にシールが剥がれてしまって苦労したのだが、リーダーが接着剤を持っていたので、土曜日の朝に作業をしようとすると、六時間ほど乾燥させよということで、丁寧にシールを張り付けて一日誤魔化しながら使ってみる。そのように貼り付けると、どのように雪が付着して、駄目になるかもよく理解できた。スキーでも道具を使うスポーツは同じだが、道具を知り尽くすほどでないと上手にならない。私なども、昔の大日本帝国陸軍のように「道具に頼るな風のスポーツ精神」がどこかで沁みこんでいたのだが、スキーを修練して靴を調整させるほどになると、大分とその駄目さ加減が分かるようになった。
普通のスキーヤーには馴染みのないこのシールを知ることは、登るときの技術にも繋がる。今回のツアーで大分、その運動が分かるようになった。腰には張りがあるが、あまり腕の力を使うことなく足を進める方法が分かるようになってきて、難しい登りも大分熟せるようになってきたのだ。深雪の滑りよりも、むしろこれを練習できただけでも価値がある。滑りの方は、自分の板を見つけられば上達からだ。
参照:
陽だまりの冬山の鞍部 2015-02-17 | アウトドーア・環境
合わせものの楽しみ 2015-01-27 | 生活
金曜日から四日間小屋に入った。風邪が治っていなかったので、鼻水垂れ流し状態から徐々に回復していった。ここ暫くは走ることも出来なかったので、全プログラムを熟せただけでも喜ばしい。特に今回は二週間前の入門コースに続いて、山スキーに慣れるための予定していなかった急遽の参加だったので、スキーの手配などで直前までバタバタした。なによりも病上がりで荷物を背負っての小屋まで上がるのが最大の課題であった。
技術的には、歩いて上がるそれは可成り練習出来て、今後は何とかなるばかりか、いつもの走りのトレーニングや軽量の道具を揃えればまだまだスピードアップが可能なことも分かった。ザイルやアイスクライミング道具を持ってのスキーにもある程度見通しもついた。
それにしても、陽の下での雪山は素晴らしいに尽きる。土曜日は結構風が強く、日曜日は降雪もあったが前日よりは穏やかだった。土曜日は小屋から西斜面を登り、十二月に下から見上げた尾根筋へと登った。そこから尾根の東側の斜面を覗きに行き、鞍部に戻って来て今回のファーストランだった。雪質はとても良く、緩い傾斜のところだったので思い通りの滑りとなる。最近は傾斜の強いところの方が上手く滑れるので、最大傾斜角を選ぶ傾向があるが、なんといってもパウダースノーの滑り良さである。斜面下部は、オーストリア軍専用の練習場所となっているのでピステが入っていた。十年ぶりに滑るので色々と滑りをチェックする。午後は、昼食を小屋で摂った後、反対側の斜面へと向かう。午前中の風に東向き斜面の雪の悪さがあって、これまた久しぶりに悪雪に苦労する。午前中の疲れもあったが、板を外す滑り転びだ。新雪ばかり滑ってきたので、本当に重い雪を思い出させてくれた。翌日は締め具の強度を一目盛り上げて9とした。
日曜日は、前日午後と同じ東斜面を上部まで登るが、その前に短いショートランを入れる。これも傾斜よりも雪質や露岩などが気になって、尻餅をついた。この辺りの経験が今後の板の選択の基礎になるのだ。その後、またもや尻餅をつきながら滑走したが、リーダーのビッショッフホーフェン出身のオーストリア人に滑りを褒められる。尻餅の重心の壊し方がとても不満なのだが、最大傾斜を利用してのアグレッシーヴで、板を走らせる滑りが評価されたのだろうか。VIDEOがあれば確かめたい。
小屋へ上がる金曜日にシールが剥がれてしまって苦労したのだが、リーダーが接着剤を持っていたので、土曜日の朝に作業をしようとすると、六時間ほど乾燥させよということで、丁寧にシールを張り付けて一日誤魔化しながら使ってみる。そのように貼り付けると、どのように雪が付着して、駄目になるかもよく理解できた。スキーでも道具を使うスポーツは同じだが、道具を知り尽くすほどでないと上手にならない。私なども、昔の大日本帝国陸軍のように「道具に頼るな風のスポーツ精神」がどこかで沁みこんでいたのだが、スキーを修練して靴を調整させるほどになると、大分とその駄目さ加減が分かるようになった。
普通のスキーヤーには馴染みのないこのシールを知ることは、登るときの技術にも繋がる。今回のツアーで大分、その運動が分かるようになった。腰には張りがあるが、あまり腕の力を使うことなく足を進める方法が分かるようになってきて、難しい登りも大分熟せるようになってきたのだ。深雪の滑りよりも、むしろこれを練習できただけでも価値がある。滑りの方は、自分の板を見つけられば上達からだ。
参照:
陽だまりの冬山の鞍部 2015-02-17 | アウトドーア・環境
合わせものの楽しみ 2015-01-27 | 生活