Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

下向き▼の意味合い

2023-05-23 | 文学・思想
承前)三位一体の件、当該放送をもう一度ネットで聞いてみる。やはり興味深かった。特に関連でウサギの三位一体像が各地の教会にあること。これは異教的な起源で、隋のそれが有名だ。西洋ではウサギは復活祭の催しに使われていて子孫繁栄を表す。ここの三位一体で三匹が縺れ合っているのはやはり興味深い。

そして三位一体を表徴する三角形のピラミッドが上向きになれば天を指し、下向きになれば女性を表す。それはギリシャ文化でのデルタが表す恥丘でもある。またここでギリシャ神話、仏教、中華思想そしてシルクロードを戻っての西洋化などとても大きな文化の伝播のお話しとなる。

そこで序に先頃亡くなった前ローマ教皇のラッチンガー教授の書物を解いてみる。興味深く眼に入ったのは、イエスお得意の喩話に関するものだ。ヨハネスの黙示禄で有名な12∸24の麦が落ちて実が死ななければ繫栄しないという話しを扱っている。勿論復活してということになるのだが、教授はこうした現実に見えないものだから現実性の感じられないものを説く口述としている。

抑々口述自体が歴史的に現実に起こったこととして証明され得るものだとしていて、フランシスコ会の神父はそれを理解するのは困難としながら急に話しを男女の喩にしている。そしてキリストの天召によって人と神との合一が導かれると語る。つまり先週の木曜日に成された。

つまり創造主の神と人との繋がりはその様になされるのと同様に、人との繋がりとなってと、そこから男と女の繋がりはその相違を超えてと飛躍する。そこに近世になっての民間信仰的なマリア信仰を出せて来れないのは、抑々初期教会においてアウグスティヌスの論理からツェチリ公会議にて異教的な要素を排除して上向きのピラミッドつまり教会権力ノヒラルヒーを強化する必要があったからだろう。

その後の東方教会とのシスマを含む異教的な動きへの排除と弾圧の歴史の根がその当初の段階でのホモウジアス、ホメウジアス、ヘトロウジアスの中での力関係で以って為されてきた協会の伝統と歴史がここに再認識される。そうした概念的な知識はあってもその裏にあるのは合一と男女の営みによってはじめてなされる繁殖、もしくは処女受胎によって為された世界感となる。

因みに同じ一神教においてもイスラム教においてはこうした精霊を会してという形にはならないので数字の三の魔術も無いという。また同じ三ではなくても、ユダヤ教においては△が上下▼に組み合わされてユダヤの五芒星となる。要するに一対で成就している。

余談ながら、こうした完成した世界観を持ったユダヤ系若しくはユダヤ系の創作者の作品をユダヤ系演出家、指揮者によってこそあれだけ完結した「影の無い女」を上演可能としたかの文化的な背景がある。



参照:
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