線路が二方向から合流している。大変な量の水が右側の地下水道へと注ぎ込んでいて、次のトロッコに乗らなければ、その濁流に水道へと流されてしまうであろう。
人が溢れているので、トロッコが合流するどちらからかのトロッコに直ぐ乗らなければ乗り残される。プラットホームを向こう側に廻ったりこちらへと戻ってきたりと、乗り遅れないように右往左往する。
暫らくしてカーヴして入ってくる方からトロッコがやってきた。狭いプラットホームとトロッコの隙に挟まれないように急いで我々は車両に乗り込む。五人ほどの仲間なのだが、トロッコ最後部の車両のチューブ式車体に仰向けとなりまるでボブスレーのように身体を重ねる。
直ぐに水の中を滑るように、地下水道のチューブの暗闇の中へと吸い込まれて行き、速度を一気に加速させていく。様々な不安が過ぎるが他になすすべがない。
仲間の一人が長いスカーフを巻いていて気になっていたのだが、そのスカーフが二百キロも出ていようかとするトロッコの車内から外へと吸い込まれて行き、それがどこかに引っかかったかと思う一瞬もなく、彼の首は外へと引っ張られて無残にも吹っ飛んで逝ってしまった。
そうなると我々の不安はいよいよ募り、チューブの最後部の血生臭い首無し遺体を知り目に、なにやら喉を潤すものがいる。その男の使っている紙コップがこれまた都合の悪い事に速度が出ている車内の吸引力から前車両のチューブの中へと液体ごと吸い込まれてしまったので、喧々囂々と前車両の見ず知らずの乗客たちと一発触発の険悪な雰囲気となる。
今度は、我々の仲間の誰かがタバコに火をつけようとして、本人が突然酸素が強制供給されて充満している中部の中では爆発の可能性しかない事を悟り、そっと微笑みながらタバコを折る情景が、今度はこれだけの乗客の中に必ず同じような事をする馬鹿者がいるに違いないとまたまた心配になってしまうのだ。そしてびくびくと体を堅くする。
そうこうしている内にスロープの角度が弱ったのが減速へと至り、徐々に水量も減って乾いた地下構内へと辿り着いた。そしてそこで、仲間とは皆別々にされて、濡れた冷たい服を脱いで所持品と一緒にズタ袋に入れて審査官の前で名前や生年月日を申請させられる。
すると各々知らないものが年齢層が重ならないように、手く選別配合されて五六人のグループが形成される。そして、そのチームでなにかをさせられるのだが、もぞもぞと低く口元を震わせながら小高い声で書類に目を伏せながら各人を確認して行くのは前プーティン大統領である。そして、それがセレクションであったと気がつくのに時間は掛からなかった。
その決して目を合わせない虚勢を張った男は、敢えて不明瞭に発音する確認作業に、生来の賤しさを示していた。我々は各々の年代に別けられてきっと生体移植のために臓器を剥ぎ取られるのだと直感した。後ろづさりに後ろ手で境の戸口を開き出て行こうとするプーティンの声は聞き耳を立てても徐々に理解できなくなって、声が薄れていく。
あまりの恐怖心に暫らくは、目を覚まさずにその情景を思い浮かべていた。
人が溢れているので、トロッコが合流するどちらからかのトロッコに直ぐ乗らなければ乗り残される。プラットホームを向こう側に廻ったりこちらへと戻ってきたりと、乗り遅れないように右往左往する。
暫らくしてカーヴして入ってくる方からトロッコがやってきた。狭いプラットホームとトロッコの隙に挟まれないように急いで我々は車両に乗り込む。五人ほどの仲間なのだが、トロッコ最後部の車両のチューブ式車体に仰向けとなりまるでボブスレーのように身体を重ねる。
直ぐに水の中を滑るように、地下水道のチューブの暗闇の中へと吸い込まれて行き、速度を一気に加速させていく。様々な不安が過ぎるが他になすすべがない。
仲間の一人が長いスカーフを巻いていて気になっていたのだが、そのスカーフが二百キロも出ていようかとするトロッコの車内から外へと吸い込まれて行き、それがどこかに引っかかったかと思う一瞬もなく、彼の首は外へと引っ張られて無残にも吹っ飛んで逝ってしまった。
そうなると我々の不安はいよいよ募り、チューブの最後部の血生臭い首無し遺体を知り目に、なにやら喉を潤すものがいる。その男の使っている紙コップがこれまた都合の悪い事に速度が出ている車内の吸引力から前車両のチューブの中へと液体ごと吸い込まれてしまったので、喧々囂々と前車両の見ず知らずの乗客たちと一発触発の険悪な雰囲気となる。
今度は、我々の仲間の誰かがタバコに火をつけようとして、本人が突然酸素が強制供給されて充満している中部の中では爆発の可能性しかない事を悟り、そっと微笑みながらタバコを折る情景が、今度はこれだけの乗客の中に必ず同じような事をする馬鹿者がいるに違いないとまたまた心配になってしまうのだ。そしてびくびくと体を堅くする。
そうこうしている内にスロープの角度が弱ったのが減速へと至り、徐々に水量も減って乾いた地下構内へと辿り着いた。そしてそこで、仲間とは皆別々にされて、濡れた冷たい服を脱いで所持品と一緒にズタ袋に入れて審査官の前で名前や生年月日を申請させられる。
すると各々知らないものが年齢層が重ならないように、手く選別配合されて五六人のグループが形成される。そして、そのチームでなにかをさせられるのだが、もぞもぞと低く口元を震わせながら小高い声で書類に目を伏せながら各人を確認して行くのは前プーティン大統領である。そして、それがセレクションであったと気がつくのに時間は掛からなかった。
その決して目を合わせない虚勢を張った男は、敢えて不明瞭に発音する確認作業に、生来の賤しさを示していた。我々は各々の年代に別けられてきっと生体移植のために臓器を剥ぎ取られるのだと直感した。後ろづさりに後ろ手で境の戸口を開き出て行こうとするプーティンの声は聞き耳を立てても徐々に理解できなくなって、声が薄れていく。
あまりの恐怖心に暫らくは、目を覚まさずにその情景を思い浮かべていた。
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