ベルリンは、上に下にとパイプだらけである。何も地下水を汲み上げ、液状化現象を防ぐシステムだけではない。地下には郵便のチューブシステムが町中に張り巡らされていた。19世紀初頭にデンマーク人によって考え出された郵便配送のシステムである。ベルリンの郵便システムチューブ網は、パリに続いて最も大きかったと言う。1865年から1970年まで実際に使用された。
このポストを取り出す情景は映画などで御馴染で、市内90局に及ぶ郵便局が地下チューブで結ばれていただけではなく、公的な事務所なども結ばれて直接に配送されている様子が窺える。二十センチ足らずの皮の巻かれたシリンダーの筒に郵便を入れて、送り出し、受け取る。そのチューブの中に空気を送り込み、または吸い込めばよい。一旦空気の流れが出来たなら、僅かに加速減速してやれば少しのエネルギーで最高速時速58キロに至る転送が出来たと言う。
その速さゆえに、十分単位の消印が押されたことで、切手収集家には価値ある物として扱われているらしい。第三帝国下には、ミュンヘン・ベルリン、ベルリン・ヴィーンなどの経路も在ったと言うから驚きである。ニューヨークの一メートルもあるかと云う長さの筒も、その輸送力の大きさに驚かされる。
ジーメンス社のコンプレッサーで作られた空気の流れは、こうして戦時下でも利用されて、戦後も動き続けた。東西の壁が出来てからは、西側のブロックは切り離され徐々にテクノロジーの進歩に追いつけなくなったのとは反対に、東ブロックにおいてはパンコウなどの党幹部の居住地域を中心に最後まで利用されたと言う。部品の入らないジーメンスのコンプレッサーに変わり東独国営産業のモーターが使われるようになっている。
19世紀中ごろには、チューブの中を通した輸送手段としては列車などを通す開発がなされた。ロンドンの地下鉄チューブの歴史と並行している。ロンドンとクロイドン間の実験が有名で、加速は出来ても減速が出来なかったのも失敗の原因らしい。そしてこれは歴史上リニアモーターカーに引き繋がれている。少なくとも広義には、吊橋と並んで重要な、トンネルを使った輸送技術に含まれるのだろう。関門トンネルを掘削中にパイロット鉱から見学したと言う人の話を聞くと余計にこの感は強い。
現在の視点から見ると、最近もハイデルベルクの大学病院等では臨床検査室が近代的なこのシステムで結ばれるようになっており、更に商業・銀行関連でも現金の遣り取りがこのシステムで行われている。またリニアモーターカーで、光ファイバーで以って自然外光を入れながら走れる可能性を考えると、デジタル化したネットとは違う地下のロギスティックのシステムが今後とも発展する可能性が予想される。
ベルリンの地下のシステムと言うと、シャルターや軍事的な秘密トンネルばかりを考えがちだが、このような近代テクノロジーを見る事が出来て良かった。
参照:情報管制下の娯楽番組 [ 歴史・時事 ] / 2005-11-05
このポストを取り出す情景は映画などで御馴染で、市内90局に及ぶ郵便局が地下チューブで結ばれていただけではなく、公的な事務所なども結ばれて直接に配送されている様子が窺える。二十センチ足らずの皮の巻かれたシリンダーの筒に郵便を入れて、送り出し、受け取る。そのチューブの中に空気を送り込み、または吸い込めばよい。一旦空気の流れが出来たなら、僅かに加速減速してやれば少しのエネルギーで最高速時速58キロに至る転送が出来たと言う。
その速さゆえに、十分単位の消印が押されたことで、切手収集家には価値ある物として扱われているらしい。第三帝国下には、ミュンヘン・ベルリン、ベルリン・ヴィーンなどの経路も在ったと言うから驚きである。ニューヨークの一メートルもあるかと云う長さの筒も、その輸送力の大きさに驚かされる。
ジーメンス社のコンプレッサーで作られた空気の流れは、こうして戦時下でも利用されて、戦後も動き続けた。東西の壁が出来てからは、西側のブロックは切り離され徐々にテクノロジーの進歩に追いつけなくなったのとは反対に、東ブロックにおいてはパンコウなどの党幹部の居住地域を中心に最後まで利用されたと言う。部品の入らないジーメンスのコンプレッサーに変わり東独国営産業のモーターが使われるようになっている。
19世紀中ごろには、チューブの中を通した輸送手段としては列車などを通す開発がなされた。ロンドンの地下鉄チューブの歴史と並行している。ロンドンとクロイドン間の実験が有名で、加速は出来ても減速が出来なかったのも失敗の原因らしい。そしてこれは歴史上リニアモーターカーに引き繋がれている。少なくとも広義には、吊橋と並んで重要な、トンネルを使った輸送技術に含まれるのだろう。関門トンネルを掘削中にパイロット鉱から見学したと言う人の話を聞くと余計にこの感は強い。
現在の視点から見ると、最近もハイデルベルクの大学病院等では臨床検査室が近代的なこのシステムで結ばれるようになっており、更に商業・銀行関連でも現金の遣り取りがこのシステムで行われている。またリニアモーターカーで、光ファイバーで以って自然外光を入れながら走れる可能性を考えると、デジタル化したネットとは違う地下のロギスティックのシステムが今後とも発展する可能性が予想される。
ベルリンの地下のシステムと言うと、シャルターや軍事的な秘密トンネルばかりを考えがちだが、このような近代テクノロジーを見る事が出来て良かった。
参照:情報管制下の娯楽番組 [ 歴史・時事 ] / 2005-11-05
そう言えばイギリスの地下鉄は狭い?人を輸送するには圧迫感がある様な・・・
でも一回も行った事無いんです・・・
日本でもそれを応用してホテルの清算時にエアを利用してましたが故障が多く苦情の嵐!連れ込み宿のアイデアでした・・・。
地下50メートル以上下には個人の所有権が存在しないので(日本だけ?)今後利用価値は十分あります・・・しかし地震対策は急務です!!
郵便のシステムは深低を使わなくて保守に重きを置いたようです。その分、途中の抜き取り犯罪もあったと聞きました。管の詰りは乾燥させる事で殆んど無かったと言う事です。
イギリスの貨車ですが、WIKIなどを見ると局間でまだ残っている可能性がありますね。なんせ、平気で古いものをそのまま新しいものと混ぜて使うお国柄ですから。
ロンドンチューブは狭いですね。人間トランスポートシステムですから背の高い人は頭を曲げて真ん中まで行って立つと。それでも木のエスカレーター火事や爆弾テロさえ起きなければ便利で快適です。
居酒屋などで注文伝票を階上と階下とでパイプか出すとシュートみたいな中で遣り取りするようなもの?
ある意味、今の電子メールもその発展系(?)なのかな。ちと、発想に無理があるか。
ゴミなどの廃棄物を廃棄チューブにしたらカラスの被害に遭わなくていいかも、なんて。泥棒される心配もないし。
ロンドンチューブにびっくり。小生、チューブの中を人間を通すのかと想像してしまった。旅客機で非常の際に脱出シュートで脱出するような。
地下鉄のことだったのですね:
http://www.ne.jp/asahi/tabitabi/train/tube.htm
小生としては地下鉄よりも二階建てバスに乗りたい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Beachsub2.jpg
当時の郵便システムは以下の頁の写真が良く分かるかもしれません。
http://www.berliner-unterwelten.de/002/b/dat_rohrpost/content.htm
現物が輸送出来るから、ゴミも良いでしょうが可なり太くないと駄目ですね。カプセルにきちっと入れることも要求されます。回りが汚れていてはいけません。難しいですね。150年前のシステムとは違う新技術で改良出来そうですけど。