Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

目前の時を越えた空間

2012-02-13 | アウトドーア・環境
シェフコックのフランクの手に掛かる牛肉のマダカスカル風ステーキを食して、酔い覚ましに裏山へと出かけた。四季を通してなんどもなんども歩いたところであり殆ど原風景となっている景色がそこにあった。遠方にはシュヴァルツヴァルトの主稜線が見渡せて、近景には村のチャペルが静かに佇む。

寒さが緩んできたその日であったが、それでも日陰には厳しい冬が残っていた。森の中を彷徨うがこれほど乾いていたのを今まで知らない。ジーンズを全く汚せることなく予定通り小一時間歩いた。

一人、いつか来た道を歩いていくと、まるで時を越えた空間がそこに広がっているようでとても不思議であった。斜面の途中のリンゴの木、森の始まりにあるベンチ、森の分岐路、牧草地を通る長いカーブの道、農家の軒先、どれもこれもなにかしらかの記憶を呼び起こす。



参照:
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
明治の叶わなかった正夢 2012-02-07 | アウトドーア・環境
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今年最後の氷瀑日和

2012-02-12 | アウトドーア・環境
先週に続いて氷瀑に通った。今日も二組に先を越されていた。どうも近道があるようだ。ほかの情報は得たがそれは聞き忘れた。

朝六時前に出て、登りだしたのは九時であった。昼頃から陽射しと共に暖かさを感じるようになって、先週とは五度以上違うようだ。それでも氷点下五度程だが水飛沫が激しかった。

車中のラジオはホイットニーヒューストン死亡がトップであったが、スイスで有感地震があってチューリッヒ、バーゼルから南バーデン地方まで揺れたようだ。M4に近いようだが鈍感なドイツ人は気がつかなかっただろう。金曜日だったか、シュツッツガルトのバッハアカデミーのリリング教授が辞表を出したようだ。後任者の話題などが新聞に出たことで臍を曲げたらしい。昨年の秋に会があったのだがすっぽかしたのであのバッハを聞くことはもうなさそうである。



参照:
冷え込んだ体が火照る 2012-02-05 | アウトドーア・環境
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
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歴史的毛皮の争奪戦

2012-02-11 | 文化一般
ゲルハルト・リヒターの八十歳の誕生日の記事の裏にデューラーの「毛皮のポートレート」の興味深い記事が載っていた。五月から画家の故郷であるニュルンベルクで始まる大展覧会に、この話題の絵をミュンヘンのアルテピナコテークから貸し出ししようとしたところ、門外不出の作品リストに載っているとして断られたと言うのである。

それを巡って、フランケンとバイエルンの両地方で政治的な鬩ぎ合いとなっていて、両方の美術館を管理しているバイエルンの役所は同じでも混沌を極めた泥仕合となっているというのである。挙句の果ては1971年に特別に貸し出した際に色落ちや痛みなどが確認されてそれを断りの理由として挙げてきたと言うのである。

そこでこの「毛皮のポートレート」に纏わる興味深い歴史が紹介されている。そもそも態々1500と書かれている創作年度自体が誤りで、氏によって画家が市民貴族として認められてのは1509年以降のことであり、1500年当時はこの毛皮が意味するその地位についていなかったのである。その後、この作品は市に寄贈されたのか1577年にはオランダの美術理論家カレル・ファン・マンダーによって市役所で目撃されていて、18世紀にも市会議所の財産目録に存在している。

そしてナポレオン時にフランスに攻められた市は、1800年に複製を作らせていて、フランスはルーヴルへと移送を求めたが、それに対してその複製を引き渡している。そして、1806年にはバイエルン王国はその複製を依頼された銅細工師ヴォルフガンク・クフナーから僅かの金子でこれを入手している。それ以外にも30年戦争などの機会を通して「四人のアポステル」などをニュルンベルクからせしめていることから、今回の騒動は歴史的な背景がそこにあるといわれているのである。

先日最後の2010年産キーゼルベルクを開けた。昨年の春の印象よりは熟れた感じであったが基本的には生一本でありながら独特の砂のようなミネラル風味と鋭い酸は相変わらずで、2010年産の強い特徴を感じると共に流石の出来上がりを確かめた。好き好きはあっても、このバッサーマンヨルダン醸造所の辛口リースリングはプファルツをドイツの辛口を代表するものには間違いない。

2011年年産のルッパーツベルクのオルツヴァインを試した。同じブリュクリン・ヴォルフ醸造所のオルツヴァインであるヴァッヘンハイムのそれよりも瓶詰めまでの時間があったためかはじめからバランスが良かったが、酸が弱いと言われているルッパーツブルクと2011年で驚くほどの酸であった。その質は若干2010年に近い面もあって激しい酸である。その分、重めの土壌のルッパーツブルクのワインとしては成功しているが、薄っぺらい感のあるヴァッヘンハイムの方が果実風味も豊かでありながらミネラルの複雑感があって優れている。

最初に飲んだ頃から比較すると驚くべき成長を遂げている2011年産ヴァッヘンハイマーリースリングである。今年は何の怪訝も無くこの辛口リースリングを旅行に持ち込んで皆に楽しんで貰える。



参照:
Dürers Pelz - ein Stück Beutekunst?, Andreas Kilb, FAZ vom 9.2.2012
アトリエのアルブレヒト・デューラー/Albrecht Duerer in Gehaeus 2005-01-10 | 文化一般
著作権の換金と集金 2005-08-07 | 文化一般
馭者のようにほくそ笑む 2007-10-22 | 文化一般
肉体に意識を与えるとは 2007-12-16 | マスメディア批評
モデュール構成の二百年 2008-01-19 | 文化一般
知的批判無くては何も無し 2010-07-02 | マスメディア批評
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犯罪行為のオール電化

2012-02-10 | 生活
フランスの電気事情の記事が面白い。この寒さで夜6時から8時までは節電を呼びかけているというのである。58機の原発が稼動していて昨年は55TWHの輸出超過の電力の輸出大国でもピーク時には電力が足りずに近隣のドイツなどから輸入するのである。

それどころか年間を通してそうした輸入も必要になるのは、1970年代からフランスで勧められたオール電化のヒーターのシステムゆえだという。既に全家庭の三分の一が電化ヒーターで、新築の三分の二は電化されているという。

更にヒートポムプの普及で余計に電化が進んでいる。ヒートポムプ自体は今後の再生可能エネルギーとの組み合わせで最重要の課題であるが、ドイツなどでは電気以上にガスのコムプレッサーシステムが注目されている。

それはともかくフランスの安価な住宅事情がこれに輪を掛けて機密性の悪い安普請のフランスの住居を電化にすることで更に安く一軒家を建築することが出来ることから、その後の生活を電気代が苦しめることになる。

そのことは最近フランス国内でも「オール電化は犯罪行為」と叫ばれるようになってきており、次期の政府の指針にも大きな影響を与えるものと思われる。

兎に角、人口で一千七百万人少ないフランスのピーク時の電力消費量が99GWとドイツの84GWに比較して甚だ多い。節約、節電こそ健全な国民経済の基礎である。



参照:
Franzosen stehen vor Rekord-Stromverbrauch, FAZ vom 3.2.2012
仏ストレステスト後の指針 2011-11-19 | マスメディア批評
スイス合理主義の判断 2012-01-11 | アウトドーア・環境
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利き腕の氷瀑モンスター

2012-02-09 | 雑感
注文したアイスバイル「X-Monster」が届いた。箱から取り出してみて重いと思った。その印象が正しくカタログよりも40Gほど重く、使っているピッケル兼用のサレワのサンダーバードより重いが、長さは47CMで同じである。

そもそもハムマーの代わりに左手で使おうと思っていたのだが事情が違う。同時に注文した手綱も試してみて、そして更なる情報を総合して、これはこれでよいと結論が出た。なによりも価格が嬉しい。

何よりも問題の重さであるがこれはシャフトにカーボンファイバやアルミなどを使っていないと重くなるようで、ダイキャスト製の頭「モンスター」が一緒ならシャフトの種類を選ぶことになる。写真でも分らなかったのは今回入手した商品は只の板のようなぺっちゃんこのシャフトなのだ。それでも重いのだが、何よりも細いクラックにねじ込めたり、刺せたりする点で、岩肌が出ているような場所で明らかに利点がある。我々が昔日本でやっていたような冬の壁では重宝するだろう。

グリヴェル社はシャモニの反対側のイタリアのアオスタ渓谷の最奥にあるクールマユールにあるように所謂シャモニアルプスのモンブランの岩と雪のルートを考えているようで、これもそのような場所でも使いやすいだろう。

さて、水氷登りの左手に重いとすれば右手に持って、左手にサレワを持つことになるが、結局左手の制御力に自信がないのだと分った。先ずは試してみるしかない。左右とも同じようにきっちりと氷に打ち込めれば全く問題がない筈である。

水氷を登るバイル類は結構高価だと分った。雪氷やミックスの壁向きやその他様々な用途が考えられるので、いずれにしてもその時はまた買い足さないといけないことも分った。そうした前提の中で、今回入手の製品が少々重くとも使い勝手が可也あることも認識できたので使いこなしたい。少なくともシュヴァルツバルトの氷瀑に通うのに用具はこれで十分だ。



参照:
Grivel dry tooling,
Grivel - Ice Axe X Monster (YouTube)
滝場への冬の長い旅 2012-02-08 | アウトドーア・環境
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
冷え込んだ体が火照る 2012-02-05 | アウトドーア・環境
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滝場への冬の長い旅

2012-02-08 | アウトドーア・環境
今回のアイスクライミング行は結局一人で向かった。こちらも土地勘はあっても本当に練習できて楽しめるものかは不明だったので無理に誘えなかったのである。そして何よりも現地の友人の家庭で祖母さんが亡くなってからまだ一度も訪れていなかったので、滝から20KMも離れていないようなそこへと向かうことを決めたのであった。

ご無沙汰していて、電話で具合が悪いことを聞きながらもお見舞いにも行けず、後で考えると花すら病床に贈れなかったことでばつの悪い気持ちが強かった。なにか良い機会を与えて貰ったと思って朝起きして出かけたのであった。

グランクリュのリースリングをお土産に向かったのであった。朝5時に起きて6時過ぎに出発したにも拘らず、近くまで行きながら途中で滝場への道を尋ねたりして、駐車場に車を停めたのは9時を過ぎていた。駐車場から雪が三センチほど乗る登山道をものの15分ほど歩いて行ったのは良いが、滝場の下でシュタイクアイゼンを履くことなく小川を渡ったのが間違いで、それから30分以上は獣道を歩き回った。

予想に反して滝場が混むことがなかったので、後から来た者に先行されながらもまあまあの場所を登れたので良かったのだが、一度ザイルを掛け直して登って駐車場まで降りてくると、15時を過ぎていた。昼飯も取らずに4時間ほど登っていたのだろうか。

雪の上から車が出ないことなどを恐れて、駐車場で急いで着替えることもなく、本道へと出て谷を降りて合流点から本流を上流へと向かうと、いつものように映画「黄色いハンカチ」のように胸が躍ってくるのである。この不思議な気持ちはそこを訪ねる時にはいつも体験することなので我乍ら驚くのだが、まさに故郷へと帰るような気持ちであり、なんとも形容しがたい心理状況なのである。

途中で丁度二週間後のファスナハトへの前祝の祭りが開かれていて、渋滞で20分ほど余計に時間が掛かった。ゴーアンドストップの間に靴下を履き替えて、運転しながら濡れた上着を下着から着替えた。帰りには谷へは戻らないので、帰宅に必要なだけの燃料を入れた。スタンドの娘など村の者は大抵こちらのことを知っているのである。それこそ子供のときに遊んでやったかもしれないのである。

そして友人の家の奥の駐車スペースに車を停めてズボンを履き替えていると、親仁が挨拶してくる、バンダナをしていたので最初は何処の誰だろうと思ったようだ。こちらも肉付きよくなっている顔が分らなかったぐらいである。僅か三年ほどぶりであるのだが、電話以外では長く話していなかったのである。

「黄色いハンカチ」と違うところは不意に訪ねるところである。フーテンの寅さんと同じで、帰巣するのに連絡などいらない。今やシェフコックとなったフランクのお勧めで、取り敢えずの地元のガンタービーアに続いて解体プレートを摂った。レバー、血糊ソーセージなど隣の農家で解体された材料を手作りしたものである。年に四回しか出さないのだが、コールドフードでなく温かいプレートなので体が温まった。特に血糊ソーセージの香辛料の味付けはとても薄味で絶品であった。

コーヒーとこれまた手作りのケーキをご馳走になって、酔いを醒ませてお暇したのであった。氷のシーズンは今後は通える口実が出来たのだ。そこに住んでフライブルクへと通った寒い冬を思い出しながら、当時は発見できなかった氷の滝に巡り会えた幸せを感じながら帰宅の途へとついたのであった。


写真:日曜を最後に現役引退したアイスハムマー



参照:
凍りも滴るいいおとこ 2012-02-06 | アウトドーア・環境
冷え込んだ体が火照る 2012-02-05 | アウトドーア・環境
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明治の叶わなかった正夢

2012-02-07 | アウトドーア・環境
承前)月末に出かけた明治期の日本の写真展で興味深かったことはまだある。若干ローカルな話題となるが、各地の当時の風景はやはり面白い。それも良く知っている場所の今昔は特に興味を引いた。

先ずはなんといっても神戸の写真で、当時は丁度外国人の居留地区が開かれて有名な神戸事件が起こるまでの時代が良く映されていた。しかし先ずはそんなことよりも感動したのは、丁度夢に見た神戸のありもしない風景が実は明治年間に存在したことである。

もちろん神戸の写真は大正・昭和期のものは比較的馴染みもあり昔話も聞いたことがあったのだが、まさかと思うほどの正夢であった。夢の記録を読み返してみるとフランス風の風景が広がっていると書いているが、写真の風景は正しくオーストリアアルプスのアルム地方のそれであった。要するに国鉄の三宮駅周辺から臨む山沿いに現在建っている建造物を全部取り除きそこを牧草地帯にすると、丁度アルプスの高原のような丘陵地帯が広がっているのである。その美しさに固唾を呑んだ。具体的には、そこに雪があればそのままスキー場になるような美しいスロープが町の背後に広がっているのである。六甲山の麓には思っていた以上に幾つもの丘陵地帯が広がっていたのである。

なるほど背後の六甲山は禿山であったと聞いたことがあるが、どうもその引き継がれ方はどこかで伝言ゲームのように意味が違っていったようである。アルプスの牧草地帯はなるほど木が生えていない。それは森林限界がそこにある訳では必ずしも無く、エネルギー獲得のために森が伐採されていったのである。そして植林をする代わりに牧草地帯として有効利用されているに過ぎない。

そこから考えるとどうも写真で見る限り神戸の場合も伐採が進んだことから禿げ山と呼ばれたのだろう。もしかするとそれは可也以前からそうした傾向にあったのかもしれないと感じさせた。その一つの理由は、同じときに写されていた「兵庫の大仏」と呼ばれるものの存在で、平清盛の福原京遷都に由来する能福寺に建っていると言うような歴史の事実である。これも写真を見てびっくりしたのだが、兵庫といってもまさか神戸市内とは思ってもみなかった。ネットで調べてみると、神戸に外国人居住区が出来て、キリスト教など一神教に感化されてはいけないというので1891年に豪商によって寄贈されたというのである。そしてそれは戦時中の金属調達で供出されるまで日本三大大仏となっていたというのである。あまり聞いたことがなかったと思えば、1991年に再建されていたのである。これにはまた驚いて、地震の際も倒れずに現在も座しているようである。

神戸があのままコーベビーフの酪農の町になった可能性などがないのが日本の文明開化であり、折角の外国人の知恵もその方には活かされず、精々ゴルフ場建設や遊びの無駄な領域へと開発されていったのであろう。

富士山の写真や大阪・京都・奈良・横浜・東京・日光などの写真も素晴らしかったが、なんと言っても放火される前の金閣寺の美しさや都内から眺める湘南への眺望などは見事であった。

明治のその頃の日本は美しく歴史に満ち溢れていたということであろう。



参照:
郷に入るユンカーの領地にて 2011-02-11 | 雑感
創造する首が無ければ 2012-01-31 | 文化一般
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凍りも滴るいいおとこ

2012-02-06 | アウトドーア・環境
寒さは続いているが、暖かく感じる。昨晩眠れつけなかったほど昨日は体が冷えていたので、体が慣れたようでもはや少々の寒さでは堪えない。氷河スキーから降りてきたかのように、急に血の巡りが良くなったからであろう。思い切って入浴したのも良かった。

なるほど雪の中を歩いているうちに足の爪先が冷たくなっていって、感覚が無くならないように注意していて、更に滝でいくらか濡れたから体が冷え切っていたのである。昨晩は殆ど凍傷から蘇るようにベットの中で喘いだのだった。

水氷のアイスクライミングの喜びには理由がある。それは、日本では絶対経験出来ない雪氷の壁をアルプスで経験して、更に技術レヴェルを上げて練習しようとしたときに、やはり水氷に戻ってくるからである。

周知の如くドイツには滝が殆ど無い。北・東海から徐々にアルプスへと隆起する国土なので、大きな谷も限られて、その地質上の特徴から豪快に落ちる滝が川筋にはないのである。ドナウの源流などを見ても、小さな落差を重ねてゆっくりと大きな流れになっていく。

なるほどアルプスに掛かる地方では濡れた岩壁が氷化するとこもあるだろうが、手軽に練習するところは殆どないのである。そうした状況を考えると、昨日も滝ノ下で話していたのだが、日本は滝に恵まれて特に神戸などは歩いていける範囲に幾らでも滝が見つかるのである。氷化する滝の話題をBLOG「NEXT DREAM 記憶と記録」で読んでいて羨ましくなるのは仕方ないのである。それに比べるここプファルツでは、たとえ600M級の山があっても、3メートルの滝が一つぐらいで、あとは1メートル以下の落差しかないのである。

その点、シュヴァルツヴァルト黒い森は、対岸のアルザス同様に落差がある。しかし、日本のように滝が連なる渓谷などは存在しないのである。今回の滝も以前から探索していた地域であって、実際に皆が登るようになったのもここ数年のことらしい。上流にダムが作られて水が堰き止められていることも関係しているのかもしれない。ドイツ最大の滝も存在するのであるが観光名所として管理されており、その他ではバイオトープとして自然保護の観点から禁止されている場所も少なくないのである。これはアルザスでも同じような現象があり、なかなか手軽に通えるところも少ないのである。それに期間が二週間ぐらいで週末が三回あるとは思えないことである。

さて今回は、自宅から二時間少しで通えることが分り、更に友人の家に寄れるので一石二鳥なのである。要するに今後はシーズンは通いつめることになりそうである。滝の大きさは15M級を囲むようにして落ちているだけなので、ザイルも精々30M少し伸ばすだけである。しかし、アルザスのそれの多くが崖登りなのに対して完全な滝登りなのでオーバーハングに垂れ下がる氷柱まで入れるとWI5の困難度まで練習できる。少なくとも道具を試すには事欠かない。

今回は寒気の上に乾燥していて雪が殆ど乗っておらず、車道も滝ノ下への道も比較的楽であった。これならば文句は全くないのである。しかし滝の本流の流れは多くて氷化しておらず、その周りも一部は氷が水っぽかったり空洞化していた。だからなによりも性能の高いアイス道具が必要で、比較的新しいアイスバイルにぶら下がるだけで、残念ながら大分古いカシンのアイスハンマーは役立たずであった。それが分っただけでも大収穫である。もう一本使えそうなものが欲しい。



参照:
『六甲山・七曲滝』 凍る滝 新聞紙面に記事が出る予定です
サンケイ新聞(全国版)明日、2月2日の朝刊に写真・記事が出る予定です。
クライマ-でなくとも、氷瀑観賞が目的でも、ここは使える。  (NEXT DREAM 記憶と記録)
冷え込んだ体が火照る 2012-02-05 | アウトドーア・環境
奇岩地方を一日中歩いてみて 2011-01-30 | アウトドーア・環境
新雪雪崩を起こすのは貝毒だ 2011-01-02 | 生活
映画監督アーノルド・ファンク 2004-11-23 | 文化一般
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冷え込んだ体が火照る

2012-02-05 | アウトドーア・環境
ドイツ国内で漸く水氷を登ることが出来た。先ずはそれだけで大満足である。体は冷え込んだが、明日体のどこかに堪えてなければ言うことはない。じっくりと喜びをかみしめよう。自宅から駐車場までたった200KM丁度であった。
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排出零の節約ライフスタイル

2012-02-04 | アウトドーア・環境
電気代の勘定書きを受け取った。昨年一年間の消費量2589kWhが2011年分である。一昨年つまり2010年には2930kWh消費していたので、一昨年に続きまた約300kWh倹約したことになる。

原因を分析中であるが冷蔵庫のサーモスタットを直したのが2010年2月末なので、もっぱら節約効果は他にあるようにも思える。しかし冷蔵庫関連は外せない。

先ず2011年夏が比較的涼しかったことと、サーモスタットの温度調整を的確にしたからではないかと考える。勿論まだ修理完了していなかった2010年冬の二ヶ月間の効果は大きいだろう。それにこれほど冷えてしまうと冷蔵庫がコムプレッサーを動かす時間など殆ど無くなる。

それに、冷蔵庫のドアや中の電球などの調整をしたことが、機密性と効率を上げたに違いない。古い冷蔵庫であるが手を入れれば可也の節電冷蔵庫並みの効率を発揮できる。

その他では2010年冬後半から初めて冬篭り生活を2011年冬を通して行ったことが大きいかもしれない。つまり、明かりを消して、夜は出来る限りスポットライトとデスクライトだけで寛ぐようになったからであろう。要するにドイツ風の生活態度が身についたことである。

その反面、運動による洗濯物の量は増えており、洗濯機だけでなくアイロンも電気消費量を押し上げている筈である。ノートブックの点けっ放しも消費を上げている。あとはTV受信機のスタンバイ機能を切ったことも大きいかもしれない。

今後の節約の可能性としては、湯沸かし器を購入して湯だけを沸かすために電気コンロをつけないようにすることである。湯沸かし器の価格はしれているので直ぐに元が取れるかもしれない。それに天井裏の篭る部屋で溜めおきした湯を沸かせると便利であり、ますます篭れる。

以上が私の節電対策であるが、その結果今年は月々64ユーロと払い込み額が若干減らされており、同時に72ユーロの返金がある。

さてこの金額をネットで見た日本の標準家庭月々300kWh消費約7000円、つまり年3600kWhのそれと比べると、なるほど19%の付加価値税を除いても東電のそれよりもまだ高い。つまり合衆国などを除けば日本の電気料金は結構安いようである。やはりドイツの電気料金は高い。

ユーロ安で資源の無いうえに原子力発電を絞っているドイツの燃料コストは軒並み上がっており、正しく物価上昇とインフレとの戦いが国民経済への運営であることは間違いないのである。

そうした環境の中で兎に角資源を無駄に使わない、有効に利用するのが、持続性あるエネルギー政策の基本であり、そこに初めて再生可能エネルギーの排出零カーボンニュートラル政策の意味がある。



参照:
節約の結果としての公共料金 2011-02-13 | 生活
薄暮に冷蔵庫から射す冷たい光? 2010-02-28 | テクニック
一日17時間稼動の労働コスト 2010-02-24 | 生活
タイマー仕掛けの冷蔵庫 2009-12-11 | 生活
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上を向いて歩こうよ

2012-02-03 | 生活
記録的な寒さとはいかないが、外を少し歩くだけで寒い。耳あてかバンダナが欲しくなる。室内にいると陽射しの下で気持ちよいのだが、夜になって部屋着に着替えるとガウンを羽織ってもベットの入らずにはいられない。

夕食に350グラム以上のロースステーキを平らげて、1998年のポイヤックのメドックを飲んだがまだ足りない。酸の強い樽を使わない瓶熟成のメドックの新鮮さが冷たく感じるほどである。手が悴む。体力は十二分にある筈なのだが、生まれてはじめて寒さが堪えている。まるで厳寒のスキー場の駐車場にいるような感覚である。

日本の景気も上向いてきているようで、復興経済が需要が本格的に軌道に乗ってくると完全に成長過程に進んでくるのだろう。兎に角、世界一多い休日などを減らして働くに限るのである。経済成長が進めば自然増税となって税制に余裕が生まれてくる。なるほど一挙に消費税を上げて財政赤字を一挙に解決とはいかないだろうが、財政健全化に良い機会なのかもしれない。総選挙があるというので、自然増税と財政の健全化で一挙にダイナミックな政権運営となるのだろうか?

先日の独日修交記念の展覧会を一緒に観覧した日本学を学んだお嬢さんのいるご両親と話していて、銀行員の奥さんである母親が漏らした感想が興味深かった。彼女は小学校の先生で、戦後のアデナウワー時代の教育受けている筈だ。しかし彼女が言うには展覧会を見るまで、三国同盟を知らなかったというのだ。つまり学校の教育指針にそれが入っていなかったというのである。若い世代のそれこそ娘さん世代などに質問してみなければ分らないが、一体どれぐらいのドイツ人がそれを知っているのか、知らないのか、興味を持つようになった。少なくと職人などを含めて、それを語る人は少なくなく、こうした教育者がいたことに驚いた。

昨年から、脱原発の独伊日の三国同盟というのが言われるようになったのだと教えてあげた。イタリア人でそれを知らない人にあったことは無いのだが、もしかすると1950年代のドイツの教育というのは可也偏向していたのかも知れないと感じるようになった。もちろん三国同盟などは重要な近代史ではないが、一体ナチスドイツは完全に孤立して連合軍と戦っていたというのだろうか?



参照:
創造する首が無ければ 2012-01-31 | 文化一般
2人の振り見て我が振り直せ 2011-11-04 | マスメディア批評
天候不順の自立神経失調 2011-08-16 | 生活
あとの祭りにならないように 2011-07-03 | アウトドーア・環境
バルコンでPCで寛いだ午後 2010-08-02 | アウトドーア・環境
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熟成するから偉大なのか?

2012-02-02 | ワイン
水曜日は本来ならばクライミングであった。しかし遅くなって相棒のスポーツ医から電話があった。なにか山の上まで駆け上って膝を逝かせたらしい。それほど酷くは無いようだがお休みということである。もう一人の二月から合流するはずだった熊親仁も先に断りがあり、実は自身もこの寒さで止めムードであった。

いつ山まで駆け上ったか知れないが、ここ暫くは温度が下がっていて、とてもではないが健康的な運動などは出来る状態ではなかった。もちろんスキーなどを考えれば決して控えていられないのだが、それなりに準備と心がけが必要だろう。

どうも本人は歳のせいかとしょげているようだが、素人ではないのだからはじめから注意しておくべきであったろう。自身月曜日に少し走ったときには、可也寒い印象があって、短めに軽く切り上げたのであった。

正月に開けた1989年産のリースリングの写真を上げておこう。色が重要である。客人の方は瓶のエチケットしか写さなかったが、それでは何も分らない。物はゲリュンペルのシュペートレーゼだったので、もともと貴腐感も少なく、弱めのものであったが、それなりに飲めた。当時は、収穫量もそれほど落としておらず、既に辛口の地所となっていたので、趣味で購入したものだろう。要するに砂地のようなゲリュンペルのミネラルはあまり出ないのが逆に特徴なのである。

同じ年度のガイスボェールの甘口などがまだ残っているので大体どのように熟成しているかこれで分った。酸がもっと確りしていれば新鮮に飲めるかもしれない。それがこの色で、甘みと酸のバランスが優れてミネラル成分の強いグランクリュ地所のものは良いはずだ。

結論からすると、熟成して偉大になるというのはとても希少価値があるもので、それを時が経てば皆熟成して偉大になると間違ってはいけない。高級ワインですら、数年に一度、数十年に一度しかそうした偉大な年は無いのであるから、人間も歳を取れば良くなるなんて言うのは特別なことであると肝に銘じておくべきだろう。普通は熟成する価値の無いものが普通なのである。



参照:
我楽多のリースリング 2004-12-13 | ワイン
グリュンペルの89年のシュペートレーゼです。 (saarweineのワインなどに関してあれこれ)
迷ったら飲むべきか、他のワインにするべきか・・・・☆  (Weiβwein Blog)
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初雪で漸く冷えてきた

2012-02-01 | アウトドーア・環境
初めて経験するほどの暖かい冬であったが、漸く気温が下がってきた。一方では陽射しが春らしくなってきて眩しく、アーモンドの蕾が出てきて、花見も近いかと思っていたのだが、摂氏零下二桁へと突入しそうである。

地面に降った雪も暫くは融けそうにも無いので、凍りつくことも無いので助かる。どうも雪がこれ以上降る様子は無いが、天気になって放射冷却となると、結構記録的な寒さになるかもしれない。

暖房の入った室内にいると温室にいるようでとても気持ちよいのだが、薄着で暫く外へ出るといつの間にか頭が痛くなってくる。

雪国の人には申し訳ないが、乾いた地域の寒さと光は格別に気持ちが良い。
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