1か月以上も前に、近所の人からいただいてあった夏みかん5~6個をしぼってジュースを作った。
これは、公営住宅の敷地内の夏みかんの木になったものだ。それを、住人のみんなに分けてくれたのだ。
公営住宅では、農作物が禁止されているので、夏みかんも当然ながら禁止の対象なのだが、もう何十年も前からある木なので、今さら切り倒せともいえないだろう。
しかし、これは甘夏ではなく、ただの夏みかんだから食べてもすっぱくておいしくないとの話ではあった。ジャムにでもするとか、何か料理にでも使えば使えないことはなかろうくらいな様子だった。
だが、私の実家(静岡県)では、夏みかんジュースというのをよく作る。香りがよく、いかにもビタミンCたっぷりという感じのジュースができる。それで、貰い手も少ない中で他の人より多めにもらってきたのだが、なかなか手をつけないまま冷蔵庫の野菜室に眠っていた。
先日、ふと見ると夫が半透明のゴミ袋の中に、それらの夏みかんをごろごろと入れてゴミ出しに行こうとしていたので、あわてて引き止めて、また冷蔵庫に戻した。
せっかくくれたものを、そんな形で捨てたのでは、くれた人の目にでも入ったら大変なことだし、そうでなくても誰かが見るに違いないから、まるごと捨ててあったということが、知れ渡ってしまうに違いない。夫はどうしてそんなこともわからないのか。どうせこんなもん食べないだろなどと言ってるが、捨てるとすれば新聞紙にくるむとかして、中身がわからないようにしてくれなくては困る。
しかし、それにしても、全く一口も食べないようでは、すっぱかったとかそうでもなかったとか、後々になってコメントもできないことになるから、やはり手をつけないで捨てるわけにはいかない。
というわけで、やっと今日、それらを半分に切って絞ってジュースにした。収穫してから1ヶ月以上もたっていて、防腐剤がついているわけでもないのに、夏みかんはぜんぜん腐りもせずしっかりしていた。母の話によると多少しおれたくらいのほうが絞りやすいとのことで、確かに新しいころより絞りやすくなっていたようだった。
ちょっと汁をなめてみるとやはり酸っぱいので、砂糖をいれ、それから母伝授の焼酎を入れた。アルコールを入れておくと腐敗止めになるそうだ。小さな容器の焼酎は、このジュースを造るために買ってあったのだ。
夏みかん果汁は、小さなペットボトル一本分くらいになった。そのままでは濃すぎるので、3分の1くらい水を足して飲んでみた。香りはそれほどでもないが、やはり正真正銘の天然果汁夏みかんジュースだった。
絞る時にタネがいっぱい出てきて汁と一緒にジュースの中に入っている。思えば、このタネのたった一個が何十年も前に芽を出してあんな大きな木になったんだな、と思った。
そのタネが生き延びることはすごい確率のなかのひとつのできごとだったわけだ。
そして、こんなに実をつけているが、これらの実から新たな木になれたものはあっただろうか。もしかしたら未だに子孫の木はないのかもしれない。
とにかく、なった実を無駄にしないでよかったなとは思う。
これは、公営住宅の敷地内の夏みかんの木になったものだ。それを、住人のみんなに分けてくれたのだ。
公営住宅では、農作物が禁止されているので、夏みかんも当然ながら禁止の対象なのだが、もう何十年も前からある木なので、今さら切り倒せともいえないだろう。
しかし、これは甘夏ではなく、ただの夏みかんだから食べてもすっぱくておいしくないとの話ではあった。ジャムにでもするとか、何か料理にでも使えば使えないことはなかろうくらいな様子だった。
だが、私の実家(静岡県)では、夏みかんジュースというのをよく作る。香りがよく、いかにもビタミンCたっぷりという感じのジュースができる。それで、貰い手も少ない中で他の人より多めにもらってきたのだが、なかなか手をつけないまま冷蔵庫の野菜室に眠っていた。
先日、ふと見ると夫が半透明のゴミ袋の中に、それらの夏みかんをごろごろと入れてゴミ出しに行こうとしていたので、あわてて引き止めて、また冷蔵庫に戻した。
せっかくくれたものを、そんな形で捨てたのでは、くれた人の目にでも入ったら大変なことだし、そうでなくても誰かが見るに違いないから、まるごと捨ててあったということが、知れ渡ってしまうに違いない。夫はどうしてそんなこともわからないのか。どうせこんなもん食べないだろなどと言ってるが、捨てるとすれば新聞紙にくるむとかして、中身がわからないようにしてくれなくては困る。
しかし、それにしても、全く一口も食べないようでは、すっぱかったとかそうでもなかったとか、後々になってコメントもできないことになるから、やはり手をつけないで捨てるわけにはいかない。
というわけで、やっと今日、それらを半分に切って絞ってジュースにした。収穫してから1ヶ月以上もたっていて、防腐剤がついているわけでもないのに、夏みかんはぜんぜん腐りもせずしっかりしていた。母の話によると多少しおれたくらいのほうが絞りやすいとのことで、確かに新しいころより絞りやすくなっていたようだった。
ちょっと汁をなめてみるとやはり酸っぱいので、砂糖をいれ、それから母伝授の焼酎を入れた。アルコールを入れておくと腐敗止めになるそうだ。小さな容器の焼酎は、このジュースを造るために買ってあったのだ。
夏みかん果汁は、小さなペットボトル一本分くらいになった。そのままでは濃すぎるので、3分の1くらい水を足して飲んでみた。香りはそれほどでもないが、やはり正真正銘の天然果汁夏みかんジュースだった。
絞る時にタネがいっぱい出てきて汁と一緒にジュースの中に入っている。思えば、このタネのたった一個が何十年も前に芽を出してあんな大きな木になったんだな、と思った。
そのタネが生き延びることはすごい確率のなかのひとつのできごとだったわけだ。
そして、こんなに実をつけているが、これらの実から新たな木になれたものはあっただろうか。もしかしたら未だに子孫の木はないのかもしれない。
とにかく、なった実を無駄にしないでよかったなとは思う。