石井隆監督の執念が宿るこの映画を目撃しながら、こういう映画が作られた奇跡を噛みしめる。ありえないことだ。ここまで個人的な想いに貫かれたプライベートフィルムがメジャー映画として作られていいはずがない。不可能だ、と誰もが思う。しかし、石井監督はそれを可能にした。19年の歳月だ。ずっと想い続けてきた。『ＧＯＮＩＮ』の続編を作りたい、と。そのために、何本もの台本を書いたようだ。当然のように実現しなかった . . . 本文を読む
「小さな大きな先生」。なんだろ、と思わせるタイトルだけど、まさにそんな先生のお話。がんばる彼女の奮闘記ではない。静かにゆっくりと溶け込んでいく。感情的になるのではない。たった５人しか園児がいない僻地の幼稚園の園長となり、たったひとりで、誰からも顧みられることのなかった園児たちと時を過ごす。やがて４ヶ月後、年長のひとりが卒園したなら、廃校となる。新しい園児を入れなくてはならないのだが、難しい。
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キルギスタンの映画なんて、初めて見る。そりゃ当然の話なのだ。これが日本初登場のキルギス映画なのだから。国家的プロジェクトとして製作された超大作映画である。キルギス人の誇り、クルマンジャンを描く大河ドラマなのだ。
この手の映画は今ではあまり作られることはない。若い国が自分たちの誇りをかけて挑む。なんだか、ドキドキするではないか。映画が映画であることの意味すら感じさせる。そうなのだ。映画は本来「特 . . . 本文を読む
