犯友恒例の秋の野外興業が、今年は行われない。その代わり、秋もウイングで、室内劇を上演する。武田さんの新作だ。もう10年以上にわたり、年に2回、確実に上演を重ね、今日に至る。そんな現在のスタイルが確立してからどれだけの歳月が経つのだろうか。もちろん、調べればすぐにわかることだが、それはしない。いつも僕は記憶だけを頼りにして、書いている。事実なんかより、実感のほうを大切に思うからだ。
初めて大阪駅 . . . 本文を読む
昨年読んだ白石さんの『彼が通る不思議なコースを私も』はタイトル通りとても不思議な小説で、でも、それを読むことで、「私も」目が覚める想いがした。教育問題を扱い、こういうことってあるんだ、とちょっとした衝撃だった。昨年の僕のベストワン小説である。そんな彼の最新作である本作もまた、なんとも言い難い作品だ。
こんなことがきっかけで、まだ50前なのに、仕事を辞めて、何もせずに暮らす。管理職でエリートコー . . . 本文を読む